トヨタ ヤリス 新型試乗 1Lと1.5Lガソリン車を比較、バランスで選ぶなら…森口将之
広報車の予約を申し込んだら、ハイブリッド車はしばらく空きがないというので、まず1リットルと1.5リットルのガソリン車にCVTとのコンビで乗った。とはいえ3月10日に発表された受注状況ではハイブリッド車が45%、つまりガソリン車のほうが多く売れているから、脇役とは思っていない。
プロトタイプのハイブリッド車に乗ったときの記憶を含めて言えば、アクティブにドライブする人にはガソリン車がいいのでは?という気持ちだ。
◆1リットルと1.5リットル、加速感の差はわずか
そもそも『ヤリス』はデザインからしてダイナミックだ。フェンダーを盛ってキャビンを絞ったスタイリングだけでなく、デジタルメーターを円形としてスポーティな印象を盛り上げるインテリアからもそういう印象を受ける。窓が小さめで造形がオーガニックな造形なので囲まれ感が強い。
2つの3気筒エンジンの加速は、スペックほどの違いは感じなかった。つまり1リットルでも力不足はない。急加速では4000rpmぐらいまで回すことになり、3気筒エンジンならではの音は届くものの、遮音レベルが軽自動車とは違うこともあり、ストレスは感じなかった。
1.5リットル用CVTは発進用ギアを組み込んでいるが、CVT自体の変速比は1リットル用のほうが幅広いので、追い越し加速の反応は良いし、シリンダーが小さいので回り方は滑らかだ。
◆1リットルのバランスの良さに感心
ただし車載燃費計の数字は同等。WLTCモードのカタログ燃費は、CVTを含めて新開発の1.5リットルが、高速のモードになるほど逆に差を広げる(※)。WLTCモードでダウンサイジングターボは不利というのは定説になっており、それは小排気量の自然吸気にも当てはまるのかもしれない。
※WLTCモードの高速道路モード燃費は、1.5リットルCVTが24.1km/リットル、または24.3km/リットル。1リットルCVTが22.4km/リットル。
ボディの剛性感はかなり高く、サスペンションは硬め。ただしホイールは1リットルが14インチのスチールだったのに対し、試乗した1.5リットルは16インチのアルミであり、段差や継ぎ目のいなしは1リットルのほうが上手だった。
加えて車両重量は1リットルのほうが軽いので、身のこなしは軽快。逆に高速道路での安定感は1.5リットルが上回る。長距離移動が多い人は1.5リットルがお勧めだが、個人的には1リットルのバランスの良さに感心した。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★
森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得 意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通 事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。
(レスポンス 森口将之)
プロトタイプのハイブリッド車に乗ったときの記憶を含めて言えば、アクティブにドライブする人にはガソリン車がいいのでは?という気持ちだ。
◆1リットルと1.5リットル、加速感の差はわずか
そもそも『ヤリス』はデザインからしてダイナミックだ。フェンダーを盛ってキャビンを絞ったスタイリングだけでなく、デジタルメーターを円形としてスポーティな印象を盛り上げるインテリアからもそういう印象を受ける。窓が小さめで造形がオーガニックな造形なので囲まれ感が強い。
2つの3気筒エンジンの加速は、スペックほどの違いは感じなかった。つまり1リットルでも力不足はない。急加速では4000rpmぐらいまで回すことになり、3気筒エンジンならではの音は届くものの、遮音レベルが軽自動車とは違うこともあり、ストレスは感じなかった。
1.5リットル用CVTは発進用ギアを組み込んでいるが、CVT自体の変速比は1リットル用のほうが幅広いので、追い越し加速の反応は良いし、シリンダーが小さいので回り方は滑らかだ。
◆1リットルのバランスの良さに感心
ただし車載燃費計の数字は同等。WLTCモードのカタログ燃費は、CVTを含めて新開発の1.5リットルが、高速のモードになるほど逆に差を広げる(※)。WLTCモードでダウンサイジングターボは不利というのは定説になっており、それは小排気量の自然吸気にも当てはまるのかもしれない。
※WLTCモードの高速道路モード燃費は、1.5リットルCVTが24.1km/リットル、または24.3km/リットル。1リットルCVTが22.4km/リットル。
ボディの剛性感はかなり高く、サスペンションは硬め。ただしホイールは1リットルが14インチのスチールだったのに対し、試乗した1.5リットルは16インチのアルミであり、段差や継ぎ目のいなしは1リットルのほうが上手だった。
加えて車両重量は1リットルのほうが軽いので、身のこなしは軽快。逆に高速道路での安定感は1.5リットルが上回る。長距離移動が多い人は1.5リットルがお勧めだが、個人的には1リットルのバランスの良さに感心した。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★
森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得 意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通 事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。
(レスポンス 森口将之)
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