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メルセデスベンツ GLB 新型試乗 地味にメルセデスの人間愛が垣間見られる…岩貞るみこ

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ファミリー層をターゲットにしている『Bクラス』は、SUVの『GLB』に仕立てられても、やはり「いざってときは三世代家族が乗れる」3列シート7人乗りである。

ミニバンで鍛えられた国産車の3列シートの使い勝手のよさに慣れるとチェックする視線は厳しくなりがちだけれど、このGLBは必要にして十分である。

というか、3列めに乗り込んだあとに2列目シートの位置をもどしたとき、3列目の人のふくらはぎ部分を圧迫しない配慮とか、後ろのドアを開けて、背もたれを前に倒して荷室にしていた3列シートをもどすときに腰を痛めにくいような絶妙な距離感と操作性にしているなど、地味にメルセデスの人間愛が垣間見られる。


家族向けのコンパクトサイズかと想像していたけれど実際は、背が高い。『GLA』が1620mmなのに対し、GLBは1700mm(グレードによって異なる)と、日本人男性の平均身長くらいある。よく使う車庫のMAX車高が1730mmの身としては、1700mmと聞くと、車両ごとに多少の誤差があるんじゃないか、載せている荷物が軽くて車高が上がっているんじゃないかと、天井(正しくは黒いルーフレール)を擦るんじゃないかと冷や冷やする。機械式車庫は、ほぼ壊滅的に突っぱねられるサイズだ。

ただ、1700mmもある車高なのに、運転席はもちろん、後席の座面の高さがすごく適切に抑えられていて乗り降りがとてもしやすい。ファミリーユースで考えると、特に三世代で乗る場合、足が上がりにくい祖父母には満足度が高いといえる。


試乗車は2リットルガソリンターボ搭載の4MATIC(四駆)。GLAに搭載されたディーゼルターボに比べると、とろけるような奥深さはないけれど、その分、反応のいいシャープな加速が魅力的。ホイールベースの長さが、高速走行での安定感もあり、特に後席の揺れは乗員を簡単に眠りに誘うのに十分なやさしい柔らかさだ。まさに後席に誰かを載せることを大前提に考えられている。

もちろんGLBにも4MATICじゃないものの、とろけるディーゼルエンジンの設定はあり。私なら価格控えめのFF。加えて、とろけるディーゼルターボエンジンを選ぶかな。



■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。
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[提供元:レスポンス]レスポンス