レクサス RC 新型試乗 ベテランドライバーの琴線に触れるに違いない…島崎七生人
レクサス『RC』のデビューは2014年10月。“アヴァンギャルド・クーペ”をテーマに掲げた、エモーショナルな走りのクーペとして登場。レクサス車の中でも、息の長いモデルだ。
◆ひと味違う「RC350 F SPORT」
試乗車の「RC350 F SPORT」は、排気量の大きいV6の3.5リットルエンジン(318ps/38.7kgf・m)を搭載、かつ“F SPORT”ということで、『RC F』ほどの(言葉を選べば)マニアックな出で立ちでこそないが、ベース車のRC350に対し、ひと味違うディテールを身につけている。
具体的にはフロント235/40、リヤ265/35の組み合わせの19インチタイヤほか、専用のメッシュパターンと漆黒メッキモールのグリル、サイドウインドゥのブラックステンレス製モールなどが外観の特徴だ。写真でもおわかりだと思うが、試乗車が装着する3眼フルLEDヘッドランプはオプション設定で用意されるものだ。
一方のインテリアでは、8インチTFT液晶式専用メーター、ディンプル加工が施された専用ステアリングホイール、さらにドアを開けると目に飛び込んでくるF SPORTのロゴがあしらわれたスカッフプレートなどを備える。シートはシリーズ全車共通のデザインのようで、試乗車には、もし真新しいジーンズを履いていたら座るのが憚られる、かなりピュアなホワイトの本革シートが備わっていた。
ちなみに安全支援関係の機能も今はこの『RC』にも全車標準装備化され、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、リヤクロストラフィックアラート、ブラインドスポットモニター、クリアランスソナー&バックソナーの各機能を搭載。電動パーキングブレーキとブレーキホールドも備える。メーカーオプションの扱いだが、マークレビンソンの高級オーディオシステムも選択可能だ。
◆ベテランのドライバーの琴線に触れるに違いない
走りはF SPORTということもあり“気骨感たっぷり”といったところ。身体をシッカリと支えてくれるのが気持ちのいいシートに着座し、ややグリップが太めのステアリングホイールを握ると、タイトな室内空間の中で自分が本気のスポーツクーペに乗っているんだ……の実感はひとしおだ。
最新型ではボディについてはスポット溶接打点の追加が行われたそうで、それは走り出した瞬間にボディコンストラクションがビクともしない感触で実感できる。対してリヤ側のサスペンションに新たにアルミ材のアッパーアームが用いられたほか、スタビライザーが高応力材に変更され、質量を17%低減しているという。
そうしたことで、撮影中にも小さなコーナー途中で再加速を試みるなどしたが、安定しきったフロントに対し、リヤも駆動力を“足した”瞬間にもブレや余分なアソビがどこにもなく足がキレイに動きながら仕事をしている……そんな印象だった。乗り味は段差などがあると引き締まっていることを実感するタイプだ。
エンジンは排気量の余裕から、アクセル開度の小さな領域からキチンと反応してくれ、今回の試乗では試しきれなかったが、エンジン回転(速度)の高い領域は、さぞ気持ちのいい加速、走りが味わえるに違いない。昔、スポーティなクルマを走らせて楽しみを味わったベテランのドライバーの琴線に触れるに違いない、オーセンティックなスポーツクーペだと思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
◆ひと味違う「RC350 F SPORT」
試乗車の「RC350 F SPORT」は、排気量の大きいV6の3.5リットルエンジン(318ps/38.7kgf・m)を搭載、かつ“F SPORT”ということで、『RC F』ほどの(言葉を選べば)マニアックな出で立ちでこそないが、ベース車のRC350に対し、ひと味違うディテールを身につけている。
具体的にはフロント235/40、リヤ265/35の組み合わせの19インチタイヤほか、専用のメッシュパターンと漆黒メッキモールのグリル、サイドウインドゥのブラックステンレス製モールなどが外観の特徴だ。写真でもおわかりだと思うが、試乗車が装着する3眼フルLEDヘッドランプはオプション設定で用意されるものだ。
一方のインテリアでは、8インチTFT液晶式専用メーター、ディンプル加工が施された専用ステアリングホイール、さらにドアを開けると目に飛び込んでくるF SPORTのロゴがあしらわれたスカッフプレートなどを備える。シートはシリーズ全車共通のデザインのようで、試乗車には、もし真新しいジーンズを履いていたら座るのが憚られる、かなりピュアなホワイトの本革シートが備わっていた。
ちなみに安全支援関係の機能も今はこの『RC』にも全車標準装備化され、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、リヤクロストラフィックアラート、ブラインドスポットモニター、クリアランスソナー&バックソナーの各機能を搭載。電動パーキングブレーキとブレーキホールドも備える。メーカーオプションの扱いだが、マークレビンソンの高級オーディオシステムも選択可能だ。
◆ベテランのドライバーの琴線に触れるに違いない
走りはF SPORTということもあり“気骨感たっぷり”といったところ。身体をシッカリと支えてくれるのが気持ちのいいシートに着座し、ややグリップが太めのステアリングホイールを握ると、タイトな室内空間の中で自分が本気のスポーツクーペに乗っているんだ……の実感はひとしおだ。
最新型ではボディについてはスポット溶接打点の追加が行われたそうで、それは走り出した瞬間にボディコンストラクションがビクともしない感触で実感できる。対してリヤ側のサスペンションに新たにアルミ材のアッパーアームが用いられたほか、スタビライザーが高応力材に変更され、質量を17%低減しているという。
そうしたことで、撮影中にも小さなコーナー途中で再加速を試みるなどしたが、安定しきったフロントに対し、リヤも駆動力を“足した”瞬間にもブレや余分なアソビがどこにもなく足がキレイに動きながら仕事をしている……そんな印象だった。乗り味は段差などがあると引き締まっていることを実感するタイプだ。
エンジンは排気量の余裕から、アクセル開度の小さな領域からキチンと反応してくれ、今回の試乗では試しきれなかったが、エンジン回転(速度)の高い領域は、さぞ気持ちのいい加速、走りが味わえるに違いない。昔、スポーティなクルマを走らせて楽しみを味わったベテランのドライバーの琴線に触れるに違いない、オーセンティックなスポーツクーペだと思う。
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