【メルセデスベンツ Eクラスワゴン 新型試乗】ジェントルに走らせるのが似合うに決まっている…島崎七生人
今どきとしては厚みのある55プロファイルタイヤ、確かひと頃“エレガンスグリル”と呼ばれた非SL(クーペ)グリル、エンジンフード先端に立つマスコット、シルバーのボディ色……。そんな試乗車の“仄かなオーセンティックさ”に、すっかり気持ちが解されての試乗だった。
試乗車は最新の「E300 ステーションワゴン エクスクルーシブ」(ISG搭載モデル)。パワートレインは254M20の型式の2リットル・4気筒ガソリンターボエンジン(258ps/400Nm)に、ISGと呼ぶ電気モーターが組み合わせられ、最大23ps/205Nmの性能で“加勢”する仕組み。エンジン性能そのものは、同型のE200に対してパワーで++54ps、トルクで+80N・mのアドバンテージをもつ。
とはいえその性能を利してこのクルマをガンガンと熱く走らせようとは誰も思わないのではないか。いうまでもなく、ジェントルにソソッと走らせるのが似合うに決まっているからだ。動力性能そのものは十二分、だがそれはそれとして、なめらかなパワーフィールと余裕が味わえるのがこのクルマの価値であり魅力だ。
それにしても「何から何まで心地いい」、と試乗中ずっと思った。乗り味もステアリングフィールもクルマの挙動も、一切、神経を逆撫でしない。おかげで後席に乗せた我が家のシュン(柴犬・オス・2歳6カ月、乗り心地・NVH評価担当)も片道30分足らずの公園へ撮影に向かう途中、出発直後に早々に居眠りを始めたほど。助手席に座る家内には、効き具合がシッカリとしたシートベンチレーションが大好評だった。
オプションと保証プラス、メンテナンスプラス込みで1288万3000円という試乗車個体の価格の1点を除けば、実に我が家にピッタリなクルマというワケだ。
同じEクラスのセダンも秀逸な出来だが、ステーションワゴンはいうまでもなく実用性がより高まるところが魅力。ラゲッジルームは実測で床面の奥行き1130mm、幅1100mmとゆとりのサイズをもつ。それと今回、試乗車を借り受け400kmほど、高速道路などを使って走らせた燃費は12.19km/リットル(WLTCモード=13.6km/リットル)と、このクルマのおおらかな立ち居振る舞い、装備、仕様を考えれば十分に思える燃費も確認できた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
試乗車は最新の「E300 ステーションワゴン エクスクルーシブ」(ISG搭載モデル)。パワートレインは254M20の型式の2リットル・4気筒ガソリンターボエンジン(258ps/400Nm)に、ISGと呼ぶ電気モーターが組み合わせられ、最大23ps/205Nmの性能で“加勢”する仕組み。エンジン性能そのものは、同型のE200に対してパワーで++54ps、トルクで+80N・mのアドバンテージをもつ。
とはいえその性能を利してこのクルマをガンガンと熱く走らせようとは誰も思わないのではないか。いうまでもなく、ジェントルにソソッと走らせるのが似合うに決まっているからだ。動力性能そのものは十二分、だがそれはそれとして、なめらかなパワーフィールと余裕が味わえるのがこのクルマの価値であり魅力だ。
それにしても「何から何まで心地いい」、と試乗中ずっと思った。乗り味もステアリングフィールもクルマの挙動も、一切、神経を逆撫でしない。おかげで後席に乗せた我が家のシュン(柴犬・オス・2歳6カ月、乗り心地・NVH評価担当)も片道30分足らずの公園へ撮影に向かう途中、出発直後に早々に居眠りを始めたほど。助手席に座る家内には、効き具合がシッカリとしたシートベンチレーションが大好評だった。
オプションと保証プラス、メンテナンスプラス込みで1288万3000円という試乗車個体の価格の1点を除けば、実に我が家にピッタリなクルマというワケだ。
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