【レンジローバー イヴォーク 新型試乗】完璧なまでにその世界観を作り上げていた…島崎七生人
レンジローバー『イヴォーク』は、すでに2025年モデルで価格見直しが発表されている。今回借り出した2台の新価格は「DYNAMIC SE D200」が726万円(旧・834万円)、「AUTOBIOGRAPHY PHEV P300e」が964万円(同・1036万円)。かなり思い切った下げ幅だ。
ちなみにくだけた言い方だが、4桁万円→3桁万円の価格引き下げというと、クラシックレンジローバーがまだ現役だった頃にも同様の事例があったことを思い出す。ただしあの当時の下げ幅はもっと大胆だった覚えがあるが……。
◆完璧なまでにその世界観を作り上げていた
ともかくプライベートでは高級車に縁遠い筆者個人としては“久し振りの試乗シリーズ”の1車種でもあった。初代のあとを受けイヴォークの2代目に当たる現行モデルが日本市場にお目見えしたのは2019年6月。試乗車は2024年モデルで、このモデルイヤーからフロントグリル、ヘッドランプ回りなどのデザインが初期モデルに対して改められている。
筆者はこの種の趣味性の高いブランド、モデルには、眉間にシワは寄せず、走りを味わうつもりで試乗している。今回もそう。昔どこかで「評論家は“筆舌に尽くしがたい”などと書くものじゃない」と書いてあるのを読んだが、イヴォークはまさに筆舌に尽くしがたいクルマだと、改めて思う。走りはもとより、スタイル、内装のデザイン、仕上げ、センスまでのあらゆる要素が心身一如となり、レンジローバーの一員らしく完璧なまでにその世界観を作り上げていたからだ。
◆下手なサルーンを凌ぐ静粛性の高さ
今回の試乗でいうと、4気筒の2リットルターボ・MHEV(204ps/430Nm)搭載のDYNAMIC SE D200(写真のブロンズ色のほう)の低速から高回転まで実にスムースで常に余裕がある動力性能、下手なサルーンを凌ぐ静粛性の高さは感心させられた。
常に落ち着いたステアリングフィール、電子制御サスペンション(オプション)と21インチM+Sタイヤ(ピレリ・スコーピオンゼロ・オールシーズンPNCS/2023年製)が織りなす穏やかなフラットライドには、乗り心地・NVH評価担当の我が家のシュン(柴犬・オス・2歳半)も、思わず欠伸が出るほど(!)後席でいつも以上に心地よさを実感したらしかった。
一方PHEVモデルのP300e(写真のブルーのほう)は、スムースなだけでなく力強いパワーフィールが印象的だった。こちらはレンジローバーの上級モデルの世界観をそのままイヴォークに落とし込んだような仕上がりに思えた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
ちなみにくだけた言い方だが、4桁万円→3桁万円の価格引き下げというと、クラシックレンジローバーがまだ現役だった頃にも同様の事例があったことを思い出す。ただしあの当時の下げ幅はもっと大胆だった覚えがあるが……。
◆完璧なまでにその世界観を作り上げていた
ともかくプライベートでは高級車に縁遠い筆者個人としては“久し振りの試乗シリーズ”の1車種でもあった。初代のあとを受けイヴォークの2代目に当たる現行モデルが日本市場にお目見えしたのは2019年6月。試乗車は2024年モデルで、このモデルイヤーからフロントグリル、ヘッドランプ回りなどのデザインが初期モデルに対して改められている。
筆者はこの種の趣味性の高いブランド、モデルには、眉間にシワは寄せず、走りを味わうつもりで試乗している。今回もそう。昔どこかで「評論家は“筆舌に尽くしがたい”などと書くものじゃない」と書いてあるのを読んだが、イヴォークはまさに筆舌に尽くしがたいクルマだと、改めて思う。走りはもとより、スタイル、内装のデザイン、仕上げ、センスまでのあらゆる要素が心身一如となり、レンジローバーの一員らしく完璧なまでにその世界観を作り上げていたからだ。
◆下手なサルーンを凌ぐ静粛性の高さ
今回の試乗でいうと、4気筒の2リットルターボ・MHEV(204ps/430Nm)搭載のDYNAMIC SE D200(写真のブロンズ色のほう)の低速から高回転まで実にスムースで常に余裕がある動力性能、下手なサルーンを凌ぐ静粛性の高さは感心させられた。
常に落ち着いたステアリングフィール、電子制御サスペンション(オプション)と21インチM+Sタイヤ(ピレリ・スコーピオンゼロ・オールシーズンPNCS/2023年製)が織りなす穏やかなフラットライドには、乗り心地・NVH評価担当の我が家のシュン(柴犬・オス・2歳半)も、思わず欠伸が出るほど(!)後席でいつも以上に心地よさを実感したらしかった。
一方PHEVモデルのP300e(写真のブルーのほう)は、スムースなだけでなく力強いパワーフィールが印象的だった。こちらはレンジローバーの上級モデルの世界観をそのままイヴォークに落とし込んだような仕上がりに思えた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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