【試乗記】日産リーフNISMO(FWD)

日産リーフNISMO(FWD)
日産リーフNISMO(FWD)

気分がアガる

ピュアEV「日産リーフ」のマイナーチェンジに合わせ、チューンドコンプリートモデル「リーフNISMO」も進化。ステアリングギアボックスやサスペンションを改良し磨きをかけたという走りを、同社のテストコース「グランドライブ」で確かめた。

ベース車両に合わせてマイチェン

日産の電気自動車「リーフ」がマイナーチェンジ。それに合わせて、スポーティーバージョンの「リーフNISMO」にも手が加えられ、通称“20MY”として2020年7月20日に発売された。
日産の電気自動車「リーフ」がマイナーチェンジ。それに合わせて、スポーティーバージョンの「リーフNISMO」にも手が加えられ、通称“20MY”として2020年7月20日に発売された。
「リーフNISMO」のスポーティーな基本フォルムは継承。改良前/後モデルにおける外観上の違いはルーフ後端のアンテナ形状のみで、ベースになった「リーフ」と同様に従来型はロッドタイプ、最新型はシャークフィンタイプが採用されている。
「リーフNISMO」のスポーティーな基本フォルムは継承。改良前/後モデルにおける外観上の違いはルーフ後端のアンテナ形状のみで、ベースになった「リーフ」と同様に従来型はロッドタイプ、最新型はシャークフィンタイプが採用されている。
LEDヘッドランプはベースとなった「リーフ」と変わらないが、フロントバンパー内に埋め込まれた車幅灯連動の「LEDハイパーデイライト」が「リーフNISMO」専用アイテムとなる。
LEDヘッドランプはベースとなった「リーフ」と変わらないが、フロントバンパー内に埋め込まれた車幅灯連動の「LEDハイパーデイライト」が「リーフNISMO」専用アイテムとなる。
今回マイナーチェンジされた「リーフNISMO」の試乗は、日産自動車の神奈川・追浜工場に併設されたテストコース「グランドライブ」を舞台に行われた。当日会場には、「GT-R NISMO」をはじめとするNISMOのラインナップが展示されていた。
今回マイナーチェンジされた「リーフNISMO」の試乗は、日産自動車の神奈川・追浜工場に併設されたテストコース「グランドライブ」を舞台に行われた。当日会場には、「GT-R NISMO」をはじめとするNISMOのラインナップが展示されていた。
これまでの経緯を振り返れば、誕生から現在までの道のりは決して順風満帆というわけでなかったことは明らか。それでもフルモデルチェンジや航続距離の大幅延長といったビッグイベントを経験し、初代モデルの発売から間もなく10周年を迎えるのが日産のピュアEV、リーフというモデルである。

事実上「大手自動車メーカーが手がけた世界初の量販EV」と紹介でき、実際日産はリーフに対して“継続は力なり”という文字通り地道な取り組みを続けてきた。その結果、街で目にする機会が大幅に増えたのは間違いない。いつか“世界の誰もがEVを普通に乗りこなす”時がやってきたあかつきには、そうしたきっかけを作り出したモデルのひとつとして日産リーフの名が語り継がれることになるだろう。

そんなピュアEVの新たな魅力をアピールするバリエーションとして、2018年7月に2代目ベースで設定されたのがリーフNISMO。ご存じ日産の“走りのスペシャリスト”であるニスモが手がけたこの一台は、内外装のドレスアップに加え「レース活動で得たノウハウをフィードバックした」とうたわれるさまざまなエアロパーツや専用チューニングが施されたサスペンション、さらにはやはり専用のプログラミングが施されたパワーユニットやステアリング、スタビリティーコントロールなどを採用する、リーフのイメージリーダー的な存在でもある。

今回紹介するのは、ベース車両のマイナーチェンジを受けて細部までが再度リファインされた“20MY”と通称されるリーフNISMOである。

日産の電気自動車「リーフ」がマイナーチェンジ。それに合わせて、スポーティーバージョンの「リーフNISMO」にも手が加えられ、通称“20MY”として2020年7月20日に発売された。
日産の電気自動車「リーフ」がマイナーチェンジ。それに合わせて、スポーティーバージョンの「リーフNISMO」にも手が加えられ、通称“20MY”として2020年7月20日に発売された。
「リーフNISMO」のスポーティーな基本フォルムは継承。改良前/後モデルにおける外観上の違いはルーフ後端のアンテナ形状のみで、ベースになった「リーフ」と同様に従来型はロッドタイプ、最新型はシャークフィンタイプが採用されている。
「リーフNISMO」のスポーティーな基本フォルムは継承。改良前/後モデルにおける外観上の違いはルーフ後端のアンテナ形状のみで、ベースになった「リーフ」と同様に従来型はロッドタイプ、最新型はシャークフィンタイプが採用されている。
LEDヘッドランプはベースとなった「リーフ」と変わらないが、フロントバンパー内に埋め込まれた車幅灯連動の「LEDハイパーデイライト」が「リーフNISMO」専用アイテムとなる。
LEDヘッドランプはベースとなった「リーフ」と変わらないが、フロントバンパー内に埋め込まれた車幅灯連動の「LEDハイパーデイライト」が「リーフNISMO」専用アイテムとなる。
今回マイナーチェンジされた「リーフNISMO」の試乗は、日産自動車の神奈川・追浜工場に併設されたテストコース「グランドライブ」を舞台に行われた。当日会場には、「GT-R NISMO」をはじめとするNISMOのラインナップが展示されていた。
今回マイナーチェンジされた「リーフNISMO」の試乗は、日産自動車の神奈川・追浜工場に併設されたテストコース「グランドライブ」を舞台に行われた。当日会場には、「GT-R NISMO」をはじめとするNISMOのラインナップが展示されていた。

欧州仕様車のステアリングギアボックスを導入

「日産リーフNISMO」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4510×1790×1570mm、ホイールベース=2700mm。車重は1520kgと発表されている。ルーフアンテナの仕様変更に伴い、車高が従来型よりも20mm高くなった。
「日産リーフNISMO」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4510×1790×1570mm、ホイールベース=2700mm。車重は1520kgと発表されている。ルーフアンテナの仕様変更に伴い、車高が従来型よりも20mm高くなった。
専用デザインの18インチアルミホイールに、225/45R18サイズの「コンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5」タイヤが装着されるのは従来型と同様。
専用デザインの18インチアルミホイールに、225/45R18サイズの「コンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5」タイヤが装着されるのは従来型と同様。
12時の位置にレッドのセンターマークが付く本革のステアリングホイール(写真)はオプションアイテム。エアコン吹き出し口やパワースイッチにあしらわれたレッドの加飾や、ダッシュボードに施されたカーボン調のパネルが「リーフNISMO」のインテリア上の特徴となっている。
12時の位置にレッドのセンターマークが付く本革のステアリングホイール(写真)はオプションアイテム。エアコン吹き出し口やパワースイッチにあしらわれたレッドの加飾や、ダッシュボードに施されたカーボン調のパネルが「リーフNISMO」のインテリア上の特徴となっている。
ガンメタクロームの加飾と「nismo」のロゴが特徴となるメーターパネル。インフォメーションディスプレイの起動画面にも「リーフNISMO」専用のアニメーションが採用される。
ガンメタクロームの加飾と「nismo」のロゴが特徴となるメーターパネル。インフォメーションディスプレイの起動画面にも「リーフNISMO」専用のアニメーションが採用される。
「抵抗値を悪化させずにダウンフォースを増大させる」というコンセプトに基づいたエアロパーツ類や、リム周囲の穴を小さくすることで表面を流れる空気抵抗を低減させ、同時に軽量化にも配慮したという18×7Jサイズのアルミホイールなどは、いずれも従来モデルと同様のデザイン。その上で、新型ならではのポイントとして見た目上で最も強いインパクトを放つのは、肩甲骨を面で支えるという「GT-R」用アイテム同様の考え方を採用したと開発陣が語る、レカロ製のフロントシートだ。

ベース車両のシート同様にヒーターが内蔵されるのは、「貴重な電力を暖房で消費したくない」という、EVならではの思いが感じられる。そもそも従来型には設定のなかったレカロシートがこのタイミングで用意されることになったのは、「市場からの要望」によるものだという。

減衰力やバネ定数のアップやバンプストッパーの材質変更など、専用チューニングが施されていたサスペンションもリファインされた。足まわりの変更に着手した理由は、コーナリングの限界を高めつつドライバーの操作に対し忠実に反応し、かつ高いスタビリティーとフラットな乗り心地を両立させるという初期の狙いどころはキープしながらも、よりスポーティーなテイストを実現させるべくステアリングのギア比を高め(速め)たことに起因する。

ちなみに、18.3:1から14.9:1へのステアリングギア比の変更は、これまで欧州仕様に用いてきたギアボックスの採用によって実現されたとのこと。もともとNISMOバージョンにはより機敏なステアリングシステムが欲しかったものの、現行リーフは欧州モデルの発売が日本よりも遅かったため、従来型NISMOには間に合わなかったのがこのタイミングでの変更となった理由であると説明された。

「日産リーフNISMO」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4510×1790×1570mm、ホイールベース=2700mm。車重は1520kgと発表されている。ルーフアンテナの仕様変更に伴い、車高が従来型よりも20mm高くなった。
「日産リーフNISMO」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4510×1790×1570mm、ホイールベース=2700mm。車重は1520kgと発表されている。ルーフアンテナの仕様変更に伴い、車高が従来型よりも20mm高くなった。
専用デザインの18インチアルミホイールに、225/45R18サイズの「コンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5」タイヤが装着されるのは従来型と同様。
専用デザインの18インチアルミホイールに、225/45R18サイズの「コンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5」タイヤが装着されるのは従来型と同様。
12時の位置にレッドのセンターマークが付く本革のステアリングホイール(写真)はオプションアイテム。エアコン吹き出し口やパワースイッチにあしらわれたレッドの加飾や、ダッシュボードに施されたカーボン調のパネルが「リーフNISMO」のインテリア上の特徴となっている。
12時の位置にレッドのセンターマークが付く本革のステアリングホイール(写真)はオプションアイテム。エアコン吹き出し口やパワースイッチにあしらわれたレッドの加飾や、ダッシュボードに施されたカーボン調のパネルが「リーフNISMO」のインテリア上の特徴となっている。
ガンメタクロームの加飾と「nismo」のロゴが特徴となるメーターパネル。インフォメーションディスプレイの起動画面にも「リーフNISMO」専用のアニメーションが採用される。
ガンメタクロームの加飾と「nismo」のロゴが特徴となるメーターパネル。インフォメーションディスプレイの起動画面にも「リーフNISMO」専用のアニメーションが採用される。

病みつきになる加速力

日産のテストコース「グランドライブ」での走行シーン。今回のマイナーチェンジで欧州仕様車に用いられるステアリングギアボックスへと換装。ギア比は18.3:1から14.9:1に変更された。
日産のテストコース「グランドライブ」での走行シーン。今回のマイナーチェンジで欧州仕様車に用いられるステアリングギアボックスへと換装。ギア比は18.3:1から14.9:1に変更された。
マイナーチェンジを機に、レカロ製シートがオプション設定された。車両側のスイッチで2段階に調整できるヒーターが内蔵されている。
マイナーチェンジを機に、レカロ製シートがオプション設定された。車両側のスイッチで2段階に調整できるヒーターが内蔵されている。
後席まわりでは、マイナーチェンジに伴う変更はない。ドアトリムやシート表皮は「リーフNISMO」専用で、シートに施されたレッドとグレーのツインステッチが特徴。
後席まわりでは、マイナーチェンジに伴う変更はない。ドアトリムやシート表皮は「リーフNISMO」専用で、シートに施されたレッドとグレーのツインステッチが特徴。
最高出力150PS、最大トルク320N・mのパワートレインは従来型と同一だが、今回の足まわりの変更に合わせ、制御プログラムをチューンし直したという。
最高出力150PS、最大トルク320N・mのパワートレインは従来型と同一だが、今回の足まわりの変更に合わせ、制御プログラムをチューンし直したという。
ガンメタリックのシフトセレクターは「リーフNISMO」の専用アイテム。走行モードは標準車と同様に、計8パターンから選択できる。
ガンメタリックのシフトセレクターは「リーフNISMO」の専用アイテム。走行モードは標準車と同様に、計8パターンから選択できる。
かくして登場から2年、マイナーチェンジされた最新のリーフNISMOのドライバーズシートへと腰を下ろすと、これまでのモデルよりも圧倒的に“気分がアガる”のは、やはりいかにもコンペティティブなデザインのレカロ製シートによるところが大きい。

かくも派手なルックスの持ち主でありながら、乗降性がほとんど犠牲にされていないのは美点のひとつ。一方で惜しいのは、やや高めの位置が好みの自身をしても、「もうちょっと下げられないかな」と思えたそのポジションであった。

これは、床下に駆動用バッテリーを配したリーフならではのハンディキャップ部分。ここを欲張ると今度はシートレールにもさらなる工夫が必要となるなど、「量販モデルとしては許容し難き大改造が必要となるため涙を飲んだ」というのが開発陣の心境であろうことは容易に想像がつく。

110kW、すなわち150PS相当の最高出力値と320N・mという最大トルク値は、実はベース車両のそれと全く変わらない。それでも、アクセル操作に対するパワーの出方に専用のチューニングが施されているので、スポーティーな加速感が巧みに演出されているのは「さすがはNISMOならではのノウハウ」を文字通り実感させられる部分。いずれにしても、加速のパフォーマンスはなかなかで、エンジン車から乗り換えると、なるほど病みつきになりそうだ。

一方、減速側でもレスポンスの良さをうたうポジションを含め、細かく見ると標準車と同様に合計8つものドライブモードが用意されるのは、いくらなんでも煩雑過ぎという印象。標準車のスイッチを流用しようとするとこうなってしまうという事情もありそうだが、NISMO仕様であれば例えば“ワンペダルドライビング”が前提で構わないはず。その上で走りのモードの設定も、せいぜい3種類程度が上限というものではないだろうか。

日産のテストコース「グランドライブ」での走行シーン。今回のマイナーチェンジで欧州仕様車に用いられるステアリングギアボックスへと換装。ギア比は18.3:1から14.9:1に変更された。
日産のテストコース「グランドライブ」での走行シーン。今回のマイナーチェンジで欧州仕様車に用いられるステアリングギアボックスへと換装。ギア比は18.3:1から14.9:1に変更された。
マイナーチェンジを機に、レカロ製シートがオプション設定された。車両側のスイッチで2段階に調整できるヒーターが内蔵されている。
マイナーチェンジを機に、レカロ製シートがオプション設定された。車両側のスイッチで2段階に調整できるヒーターが内蔵されている。
後席まわりでは、マイナーチェンジに伴う変更はない。ドアトリムやシート表皮は「リーフNISMO」専用で、シートに施されたレッドとグレーのツインステッチが特徴。
後席まわりでは、マイナーチェンジに伴う変更はない。ドアトリムやシート表皮は「リーフNISMO」専用で、シートに施されたレッドとグレーのツインステッチが特徴。
最高出力150PS、最大トルク320N・mのパワートレインは従来型と同一だが、今回の足まわりの変更に合わせ、制御プログラムをチューンし直したという。
最高出力150PS、最大トルク320N・mのパワートレインは従来型と同一だが、今回の足まわりの変更に合わせ、制御プログラムをチューンし直したという。
ガンメタリックのシフトセレクターは「リーフNISMO」の専用アイテム。走行モードは標準車と同様に、計8パターンから選択できる。
ガンメタリックのシフトセレクターは「リーフNISMO」の専用アイテム。走行モードは標準車と同様に、計8パターンから選択できる。

次は大容量バッテリー搭載モデル?

サスペンションでは、スプリング定数をフロントで14%、リアで25%アップ。専用チューニングのショックアブソーバーやウレタン製バンプラバーなども採用された。
サスペンションでは、スプリング定数をフロントで14%、リアで25%アップ。専用チューニングのショックアブソーバーやウレタン製バンプラバーなども採用された。
約40分でバッテリー容量のおよそ80%までを充電可能。標準モデルと同様にリチウムイオンバッテリーには「8年16万km」の保証が備わる。
約40分でバッテリー容量のおよそ80%までを充電可能。標準モデルと同様にリチウムイオンバッテリーには「8年16万km」の保証が備わる。
グレーとレッドのいわゆるNISMOカラーがあしらわれた前後バンパーやサイドシルプロテクターなどのエアロパーツは、従来型と同一。マイナーチェンジによる変更はない。
グレーとレッドのいわゆるNISMOカラーがあしらわれた前後バンパーやサイドシルプロテクターなどのエアロパーツは、従来型と同一。マイナーチェンジによる変更はない。
5人乗車の通常使用時における荷室容量は、標準車と同じ435リッター。60:40の分割可倒機構が備わる後席の背もたれを前方に倒せば長尺物の収納にも対応できる。
5人乗車の通常使用時における荷室容量は、標準車と同じ435リッター。60:40の分割可倒機構が備わる後席の背もたれを前方に倒せば長尺物の収納にも対応できる。
一充電最大走行可能距離はWLTCモードで281km、JC08モードで350kmと発表されている。
一充電最大走行可能距離はWLTCモードで281km、JC08モードで350kmと発表されている。
今回のチェック走行の舞台は1960年代に創業した追浜工場に付随する、古く小規模なテストコースがベース。そこでの短時間の走行ゆえ感じ取れた印象は限定的だったが、それでも開発陣が意図した「応答の速いスポーティーな操安性能」は納得できるものだった。

ステアリングギア比が速められたことで、全般に必要となる操舵量が減ったのは開発陣のもくろみ通り。それゆえ懸念される挙動の不安定さが、実際にはまるで問題とならないことも確認できた。

連続するパイロンでのスラローム走行で恩恵が明白だったのは、トラクションコントロール機能の過度な介入が抑制されていたこと。従来型との比較を試みると、パイロンをクリアの後、素早く直進状態へと姿勢を取り戻して加速態勢へと移れるのが“20MY”のほうであることは明らかだった。

最終的には静止状態にまで至る強い回生ブレーキ力を得ることができるのはリーフ元来の特徴のひとつだが、そんな回生力に上乗せされる液圧ブレーキの領域を再チューニング。さらなる制動力が必要となった際、ブレーキペダルの踏み込みによって高い減速G領域での“ガッシリと利く感じ”が向上しており、こちらでも今回好印象を抱くことができた。

一方、前述のように走行条件が限られたゆえに「フラットな乗り心地」といううたい文句については、判断が難しかった。ただし、100km/hに至らない速度領域でも“ダウンフォースによる振動の抑え”が実感できたことは事実で、このあたりは一般道へと乗り出してあらためてチェックを行いたいところでもある。

重量が大幅に増してしまう点がネックにはなるものの、現行リーフにはすでに最高出力と航続距離をより向上させた大容量バッテリーを搭載したモデルも存在する。となれば、今度は当然そんなモデルをベースとした“スーパースポーツバージョン”にも乗ってみたくなる、NISMOが手がけたリーフなのであった。

(文=河村康彦/写真=花村英典/編集=櫻井健一)

サスペンションでは、スプリング定数をフロントで14%、リアで25%アップ。専用チューニングのショックアブソーバーやウレタン製バンプラバーなども採用された。
サスペンションでは、スプリング定数をフロントで14%、リアで25%アップ。専用チューニングのショックアブソーバーやウレタン製バンプラバーなども採用された。
約40分でバッテリー容量のおよそ80%までを充電可能。標準モデルと同様にリチウムイオンバッテリーには「8年16万km」の保証が備わる。
約40分でバッテリー容量のおよそ80%までを充電可能。標準モデルと同様にリチウムイオンバッテリーには「8年16万km」の保証が備わる。
グレーとレッドのいわゆるNISMOカラーがあしらわれた前後バンパーやサイドシルプロテクターなどのエアロパーツは、従来型と同一。マイナーチェンジによる変更はない。
グレーとレッドのいわゆるNISMOカラーがあしらわれた前後バンパーやサイドシルプロテクターなどのエアロパーツは、従来型と同一。マイナーチェンジによる変更はない。
5人乗車の通常使用時における荷室容量は、標準車と同じ435リッター。60:40の分割可倒機構が備わる後席の背もたれを前方に倒せば長尺物の収納にも対応できる。
5人乗車の通常使用時における荷室容量は、標準車と同じ435リッター。60:40の分割可倒機構が備わる後席の背もたれを前方に倒せば長尺物の収納にも対応できる。
一充電最大走行可能距離はWLTCモードで281km、JC08モードで350kmと発表されている。
一充電最大走行可能距離はWLTCモードで281km、JC08モードで350kmと発表されている。

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