【試乗記】日産ノート オーラNISMOチューンドe-POWER 4WD(4WD)
強烈なオーラ
リアモーターのトルクが標準車の1.5倍
2020年にパワーユニットをシリーズハイブリッドの「e-POWER」に統一し、モーター駆動の走りが広いユーザーから受け入れられた。好調な販売を受けて、2021年にノート オーラを発売。全幅を広げてモーター出力を上げ、内外装をグレードアップして高級路線を狙うとこれが大当たり。余勢を駆ってAUTECHとNISMOという日産系の2大スポーツブランドから派生モデルが登場した。
ノート オーラは2024年6月にマイナーチェンジを受けており、それに伴って「AUTECH」が新たに設定された。以前のクロスオーバーはベース車が素のノートだったが、高級感のあるオーラをカスタマイズすることで「プレミアムスポーティー」路線を狙う。2つのブランドのなかで、豪華さと高品質を売りにするのがAUTECHで、モータースポーツのイメージを担うNISMOとの差異化が図られている。色も青と赤で対照的だ。
ノート オーラNISMOには、新グレードのNISMOチューンドe-POWER 4WDが設定された。ノートには以前から4WDが設定されていたが、ノート オーラNISMOとしては初の4WD。専用チューニングを施して走行性能向上を図っている。標準モデルのリアモーターは最高出力68PS、最大トルク100N・mだが、82PS、150N・mと大幅にアップした。
オシャレ感のあるレッドアクセント
内装にもダッシュボードやドアトリムに赤のステッチが施されており、ブラックとの組み合わせが20年ほど前のプラダのような印象だ。NISMOはもちろん走りをセリングポイントにしているが、カラーリングのオシャレ感を気に入って購入するユーザーも一定数いるらしい。
オプションで赤いインテリアパネルやセンターコンソールマットを装着すると、赤黒インテリアが完成する。内外装とも「NISMO」のロゴがちりばめられていて、ブランドアピールに余念がない。アンテナやホイールナット、フットレストなどにもロゴ入りのオプションが用意されている。日産でもノートでもオーラでもなく、NISMOに乗りたいという購入動機は少なくないという。ノート オーラのなかでNISMOの販売台数は18%を占めるのだ。
試乗コースは公道を模したつくりになっていて、高低差のあるタイトなコーナーや高速コーナー、ちょっとしたストレートなどで構成されている。制限速度は100km/hとこれもリアルな設定だ。
特別感のある「NISMO」モード
ストレートでの高速走行でも、風切音は小さい。通常のノート オーラよりも20mmローダウンしてグリルデザインやディフューザーなどで空力性能を高めているという。レッド塗装のエアロパーツは見た目のインパクトをもたらしているだけでなく、ダウンフォース向上にも貢献する。
オーラNISMOには3つのドライブモードが設定されている。「エコ」「ノーマル」に加え、「NISMO」がこのモデル専用に開発された。エコでも基準車のスポーツモードに相当するというが、NISMOは明確に走りに特化したモードである。加減速やレスポンスが変化するのはもちろん、駆動力の配分がより後輪寄りになる。エコやノーマルでもストレスなく軽快な走行ができるが、NISMOモードには分かりやすい特別感がある。
コーナリング時の安定性が高まり、心置きなくアクセルを踏めるのがうれしい。レスポンスが向上し、加速も思いのままだ。NISMOモードの恩恵を最も強く感じられたのは、パイロンでつくられたスラロームステージだった。アクセル操作で鼻先の向きを変えやすい。エコモードだと無理にハンドルをこじってタイヤが鳴く場面もあったが、NISMOモードは抜群にコントロール性が高い。
ノート全体のイメージをけん引
走りはよくてもNISMOモードを使うと燃費が悪化してしまうのではないかと心配になったが、10%程度の落ち込みで済むということだった。その程度であれば、ワインディングロードではぜひNISMOモードを選びたいものだ。このクルマならレースでも性能が発揮できそうに思ったが、それは無理らしい。全開走行を続ければバッテリーの電力に余裕がなくなり、発電専用の1.2リッターエンジンからの供給だけでは間に合わず、真のパフォーマンスを発揮できなくなる。もちろん公道でも同じで、上りのワインディングロードでアクセルを踏み続ければ同じことが起きる。それはドライバーの問題だ。
試乗車には2タイプあり、1台はRECAROシートが装着されていた。ホールド性に優れるスポーツシートだが、以前は手動のリクライニングが使いにくいことが欠点だった。電動化されたのは朗報である。ただ、RECAROにはBOSEサウンドシステムを組み合わせることができない。標準シートもしっかりとした座り心地でホールド性も十分だったので、ゆったりと音楽を聴きたいならこちらを選んだほうがいい。
ノーマルのノートもマイチェンでデザインを一新し、エントリークラスのコンパクトカーとして魅力を増した。ノート全体のイメージアップに寄与しているのが、シリーズ最強のスポーツモデルに位置するオーラNISMOだろう。名前のとおり強烈なオーラをまとうスポーティープレミアムコンパクトは、日産のブランドイメージにも好影響を与えている。
テスト車のデータ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4120×1735×1505mm
ホイールベース:2580mm
車重:1390kg
駆動方式:4WD
エンジン:1.2リッター直3 DOHC 12バルブ
フロントモーター:交流同期電動機
リアモーター:交流同期電動機
エンジン最高出力:82PS(60kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:103N・m(10.5kgf・m)/4800rpm
フロントモーター最高出力:136PS(100kW)/3183-8500rpm
フロントモーター最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/0-3183rpm
リアモーター最高出力:82PS(60kW)/3820-1万0024rpm
リアモーター最大トルク:150N・m(15.3kgf・m)/0-3820rpm
タイヤ:(前)205/50ZR17 93W/(後)205/50ZR17 93W(ミシュラン・パイロットスポーツ4)
燃費:--km/リッター
価格:347万3800円/テスト車=442万9700円
オプション装備:特別塗装色<NISMOステルスグレー×スーパーブラック>(7万7000円)/RECARO製スポーツシート<パワーリクライニング機能付き>+Nissan Connectナビゲーションシステム+車載通信ユニット+ETC2.0+SOSコール+ワイヤレス充電器+プロパイロット<ナビリンク機能付き>(80万9600円)/フードデカール<4WD用>(6万0500円)/4WD用寒冷地仕様<ワイパーデアイサー>(8800円)
テスト車の年式:2024年型
テスト開始時の走行距離:201km
テスト形態:トラックインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(レギュラーガソリン)
参考燃費:--km/リッター
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