レクサス、新型LSに自動運転に繋がる高度運転支援技術を公表―交通事故死傷者ゼロを目指し、先進の予防安全技術を採用―

レクサスは、2017年秋にフルモデルチェンジする新型LSに搭載される予防安全技術の概要を公表した。

今回で5代目*1となる新型LSは、高級車の新たな基準となった初代モデル以来継承されている滑らかでパワフルな走りや、圧倒的な静粛性・快適性など、LSのDNAはそのままに、新開発GA-Lプラットフォームによるすっきりと奥深い走りを実現。ドライバーの思い通りに操る快感を提供している。また、セダンとして十分な居住性を確保しながら、斬新なクーペシルエットを両立したスタイリングや先進技術により、レクサスの象徴として大きな変革を果たした。

今回のフルモデルチェンジでは、新時代を切り拓くフラッグシップとして、世界トップの安全性を目指して、先進の予防安全技術を惜しみなく投入している。具体的には、「統合安全コンセプト*2」に基づいた予防安全パッケージとして実績のある「Lexus Safety System +」に加え、さらに自動運転につながる高度運転支援技術を搭載により高度な衝突回避支援と高度運転支援を実現した「Lexus Safety System + A」を日本、北米、欧州で導入*3 するほか、幅広いシーンにおいて、より安全で安心なドライビングをサポートする先進技術を採用している。また、大型ヘッドアップディスプレイやマルチインフォメーションディスプレイによる支援状況の通知で、直感的にわかりやすい支援を実現している。

<新型LSの主な予防安全技術>

従来の「Lexus Safety System +」でパッケージ化されたプリクラッシュセーフティ(PCS*4)、レーンディパーチャーアラート(LDA*5)、レーダークルーズコントロールといった各種機能の性能を向上させるとともに、自動ブレーキだけでは衝突を避けることが難しい場合での衝突事故防止に寄与する世界初*6のアクティブ操舵回避支援や、交差点での出会い頭事故の予防に寄与するフロントクロストラフィックアラート(FCTA*7 )を追加。さらに車線維持・車線変更支援を可能にした高度運転支援技術「Lexus CoDrive」を採用するなど、安全運転をサポートする先進技術をパッケージ化している。

<Lexus Safety System + Aシステム構成>*8

新たに採用された先進の予防安全技術

プリクラッシュセーフティ(歩行者注意喚起・アクティブ操舵回避支援)
警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキで衝突回避支援および被害軽減を支援する従来のPCSに加え、 世界初となる、歩行者の存在する方向を表示する歩行者注意喚起、ブレーキ制御に加え自動で操舵を制御するアクティブ操舵回避支援を装備。歩行者注意喚起は、前方の歩行者と衝突する可能性があると 判断した場合、大型カラーヘッドアップディスプレイに歩行者の存在する方向をアニメーションで表示し、直感的な認知に寄与する。アクティブ操舵回避支援は、自車線内の歩行者やガードレールのような連続した構造物と衝突する可能性が高く、ブレーキ制御だけでは衝突回避が困難かつ、操舵制御によって回避ができるとシステムが判断した場合、警報とブレーキ制御に加え、自動で操舵制御を行うことで、衝突回避あるいは衝突被害の軽減を支援する。

自動運転につながる高度運転支援技術「Lexus CoDrive」
レーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシスト(LTA*9)の基本機能に、レーンチェンジアシスト(LCA*10)を加えた3機能を連携させ、高速道路や自動車専用道においてドライバーの運転意図と調和した操舵支援や、レーンチェンジの運転支援を実現。カーブが多い道や、渋滞時でもシームレスな運転支援により、ドライバーの運転負荷を大幅に低減することが可能。また、大型ヘッドアップディスプレイやマルチインフォメーションディスプレイなどと連携し、ドライバーに支援状況を分かりやすく通知する。

レーントレーシングアシスト(LTA)
レーダークルーズコントロールの作動時に車線維持に必要な運転操作の支援を行う。カメラによる白線の検知に加え、先行車の走行軌跡を利用した追従により、渋滞による車間が詰まった状態での低速走行時など、車線を認識できない場合でも支援を継続する。また、ナビゲーションの情報を基に、カーブへの進入速度が速い場合に、大型ヘッドアップディスプレイ、マルチインフォメーションディスプレイへの表示で注意喚起するとともに、自動で減速を行う。

レーンチェンジアシスト(LCA)
ドライバーの方向指示レバー操作が支援開始の合図となり、周辺の道路環境を監視し、最適なタイミングで、操舵、加減速をすることにより、車線変更の支援を行う。

  • <LTA作動イメージ>
  • <LCA作動イメージ>

ドライバー異常時停車支援システム(LTA連動型)
LTA制御中にドライバーの無操作状態が継続している場合、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促すほか、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援する。停車後は、ドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行い、早期のドライバー救命・救護に寄与する。

<ドライバー異常時停車支援システム作動イメージ>

上下2段式アダプティブハイビームシステム(AHS*11)
上段8個、下段16個(片側)のLEDを搭載し、各LEDの点灯・消灯を制御することで、従来のLED点消灯式AHSより照射・遮光エリアをきめ細かく調整し、最適な配光を実現。先行車や対向車を眩惑することなくハイビームでの走行頻度を増やし、夜間の視認性向上に寄与する。

<上下2段式AHS作動イメージ>

フロントクロストラフィックアラート(FCTA)
交差点での出会い頭事故を予防するため、前方の交差車両検知に対応。前側方レーダーにより、世界で初めて*7交差する車両が接近してくる方向を大型ヘッドアップディスプレイで注意喚起。交差する車両が接近しているにもかかわらず、自車が前進しようとした場合には、ブザーとマルチインフォメーションディスプレイなどと連携し、ドライバーに警告を行う。

ロードサインアシスト(RSA*12) カメラやナビゲーションの地図情報を用いて交通標識情報を取得し、ヘッドアップディスプレイとマルチインフォメーションディスプレイに表示。交通標識の見落としを減らし、安全運転を促す。

「Lexus Safety System + A」は、これまで搭載が進められてきた予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」で採用されているプリクラッシュセーフティ(PCS)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、レーダークルーズコントロールといった各種機能においても、性能向上を図った。

プリクラッシュセーフティ (PCS)
ミリ波レーダーとステレオカメラを用いて前方の車両や歩行者を検出し、警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキで衝突回避支援および被害軽減を図るプリクラッシュセーフティは、新たに自転車の検知や夜間の歩行者検知を可能としたほか、自動ブレーキの減速性能も向上。例えば、時速60km/hで走行している場合、対歩行者で最大約60km/hの速度低減を実現し、衝突回避支援性能を向上させている。

レーンディパーチャーアラート (LDA)
認識性能の向上により従来の車線検知に加え、アスファルトと草・土・縁石などの境界を検知。車線が引かれていない道路を走行している場合でも、路外逸脱の可能性をドライバーに警告するとともに、ステアリング操作の一部を支援する。

レーダークルーズコントロール
新開発のミリ波レーダーによる広角の検知角度と、カメラによる広い前方認識範囲により、すぐれた基本認識性能を確保。発進・追従・離脱加速の際は乗員の安心感を確保するスムーズな加速、追従減速の際は減速度の急変を抑えた滑らかな減速で、より快適な運転を実現した。

*1 日本国内は4代目(2006年)からの導入
*2 統合安全コンセプト:車両に搭載された個々の安全技術・システムを独立で考えるのではなく、連携を図り、全ての運転ステージにおいて、より高次元なドライバー支援を追求していくという考え方
*3 地域によって仕様は異なる
*4 PCS: Pre-Collision System
*5 LDA: Lane Departure Alert
*6 2016年6月現在(LEXUS調べ)
*7 FCTA: Front Cross Traffic Alert
*8 各システムは道路状況、作動状態および天候状態によって作動しないことがある
*9 LTA: Lane Tracing Assist
*10 LCA: Lane Change Assist
*11 AHS: Adaptive High-beam System
*12 RSA: Road Sign Assist

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road