TBS安東弘樹アナウンサー クルマ好き有名人紹介 第3回

飾らない性格のTBSアナウンサー安東弘樹さん。その“人となり”は、だいぶ伝わって来たかなと思うのですが、いかがでしょうか? まだの方は、ぜひ過去2回のインタビューをご覧になっていただきたいのですが、今回はクルマが大好き、そして運転が好き! しかし、いくら好きでも?という変態エピソードの紹介と大好きなモータースポーツ観戦のお話です。言い切りましたよ、運転しても疲れないんです!と。まずは、その理由から伺いましょう。どうぞ!

―――――運転しても疲れない? それはなぜですか?

安東:「一連の作業が、普通の人にとっては単なる“操作”や“労働”かもしれませんが、僕にとっては、ひたすら“快楽”なんです! 特に、マニュアル車の運転ですが、クラッチを踏む、ギアを入れる、クラッチを戻しながら繋ぐ、アクセルを踏む、この一連の行動が快楽です。この快楽をなぜ味合わないのかと思うくらいですね。オートマチック車にも快楽がありますが、その違いは、何かの雑誌で他の表現に使われていましたが、ガラス越しのキスと本物のキスくらいの違いがあると思うのです。4トントラックだろうが、軽自動車だろうが、すべてクルマを運転することは、“快楽”以外に感じたことはないですね」

―――――では、これまで運転した最長距離は、どちらまででしょうか?

安東:「東京から、宮崎県までの往復3000キロです!ずっと快楽を味わっているので、運転していても疲労を感じなかったんです。宮崎に到着した際の第一印象は、日本って狭いなあ~、と同時に“もうこの快楽は終わりか…”でした。20代の後半に、オペルのカリブラターボというクルマで行きました。マニュアル車で、左ハンドル、フルタイム四駆、エンジンは横置きの直4の2リッターターボのクーペでした。カラーは、ターコイズ。シフトフィールはあまり良くなかったですが、マニュアル車で宮崎まで行く行程は、非常に楽しかったです」

―――――途中、休憩はどれくらい取られましたか?

安東:「トイレと食事で5回くらいだったかなあ。トイレ、空腹、給油、それ以外の理由では止まりたくないんですよ。空腹は我慢できますけど、給油と生理現象が理由の場合は止まらなくてはならないですけどね。心地よい振動を感じてステアリングを操って、ペダルを踏んで、クラッチを踏んで時々シフトチェンジをする。これ以上の快楽はないですよね。運転が嫌いな人に、なぜ嫌いか訊いてみたいくらいです。それに、密閉されたプライベート空間では、歌を歌おうが何をしようが自由ですよね。宮崎まで行った時は、音楽を聞きながら行きました。夜は、わざと無音にしてみたりしましたね」

―――――宮崎まで、どれくらいかかりましたか?

安東:「午前中に出て、着いた時は暗くて正確な時刻はわからないですが、かなり長時間かかったのだけは記憶しています」

―――――そもそも、なぜ宮崎へ行かれたのでしょうか?

安東:「長距離を走りたかったんです。ちょうど、宮崎に全天候型ドームの宮崎シーガイアという施設ができた時でした。日本の高速道路が青森から鹿児島まで繋がった記念に、記念ハイウェイカードというものが発行されて、結構な値段でしたが、どの区間でも3割引になる特典付きのカードでした。

高速道路を走っている時に、県境が次から次へとやって来ましてね。あっという間に次の県境が来るので、そのうち終わってしまう…という恐怖を味わい、関門海峡から九州に入ってしまった時の絶望感たるや…。目的地に到着した際は、本当に残念でした。クルマから下りたくなくて、10分くらい余韻に浸っていましたね。降りたら終わりというのが悲しくて…」

―――――ちなみに、どなたと行かれたのでしょうか?

安東:「当時お付き合いしていた彼女です。今思えば、よく付き合ってくれたなあと思います。当時、彼女は免許は持っていたのですが、ペーパードライバーでした。でも、もし彼女が運転が上手くて運転したいと言われても譲らなかったでしょうね(笑)。クルマで宮崎に行こうかと言った時に、彼女は2泊3日くらいかけて行くと思っていたらしいのですが、僕があまりに止まらないので、そのうち彼女もミョーにハイになりました。楽しいね!って言いながら…。今思えば、彼女も変なゾーンに達したんでしょうね(笑)。着いた瞬間から帰りのドライブが楽しみでした。こんな変態は居ないかもしれませんね。1500キロ近く走って、次が楽しみって(笑)。長時間のドライブ好きという“変態さ”では、プロの方にも負けないくらい、一二を争う変態さでしょう。宮崎に3泊し観光もしましたが、心は常に帰りのドライブへ向いていました」

―――――それだけの長距離、高速道路の運転は飽きませんか?

安東:「高速道路も、地方によって雰囲気が変わりますので楽しいですよ。宮崎行きの際は、東名高速道路がちょっと走りにくかったですけどね。東名高速道路は、常に交通量が多いので、遅いクルマをつついたりしないように早めに減速することが多いですよね。当時第二東名はありませんでしたから、混雑していました。高速道路の辛い点と言えばそこですが、まあ僕の場合それはそれで楽しいですけどね。それと、日本の高速道路は、多少のカーブと起伏があるから楽しく感じますが、中央アジアの国によくあるのですが、ひたすらまっすぐの長い道を6速に入れ何もしないで走るのは、さすがの僕にとっても拷問でしょうね。人生をクルマを運転することだけで終えても良いくらいだと思っていますから。ピストンが動いているのを想像するだけでも、よだれがでます。いつもクルマの状態はどうなっているか想像を膨らませながら走っています」

―――――他に、想い出に残るドライブはどちらまで?

安東:「1998年に走った北海道のオロロンラインですね。テレビCMを見て、行ってみたいなあとずっと思っていました」

では、それは次回で…。

―――――話は変わりますが、昨年WEC(世界耐久選手権)富士6時間耐久レースにいらっしゃいましたよね~

安東:「はい、行きました。トヨタレーシングの木下さんにお会いしましたが、長年週末にお仕事されていますし、僕のテレビ露出は、これまで金土日のレースウィークに集中していたので、当然僕の事を知る由もなく…。でも、僕の方はお会いできて感動でしたので、ご挨拶をさせていただきました。

僕は、モータースポーツが大好きですが、そこに入り込むのではなく、常に外側で一ファンとして啓蒙したいんですよね。中嶋一貴選手とも懇意にさせていただいていますが、呼び捨てにしたりすることは後にも先にもないでしょうね、尊敬していますので。

昨年のWEC富士では、TOYOTAのチームの方も誰も僕の事を知らない事が心地よかったです。有名人が冷やかしで来たみたいに思われないのがよくて、フラットな気持ちで向かうことができました。木下さんもジャーナリストの知り合いとだけ捉えてくれていたので、良かったです。一旦お別れして客席に戻ろうとしたら、後ろから、まだいた!とおっしゃりながら木下さんが駆け寄ってきて、「さっき安東さんというアナウンサーの人に会って、今、別れて来たと言ったら、何で一緒に写真を撮らせてくれなかったのと奥さまとお嬢様に叱られた」と言うことで、ご家族皆さまとご一緒に写真を撮らせていただきました。僕も光栄でしたね」

―――――WECをご覧になっていかがでしたか?

安東:「迷わず1コーナーの券を買って、ストレートエンドでフルブレーキングを見たかったので、息子(小学一年生)と一緒にブレーキ音とエンジン音の違いを聴きくらべていました。そこには、2時間くらいは居たでしょうか? ひたすら聴いていましたね。アウディのエンジンのシューっていう音は、印象に残りました。シフトダウンの音が、ブリッピングでシューシューシューって言うじゃないですか?未来だなあ、ディーゼルって静かじゃん!と思いました。息子があんなにTOYOTA HYBRIDの旗を振って応援するとは思いませんでしたね」

―――――息子さんは、クルマはお好きですか?

安東:「クルマ全般が大好きで、モータースポーツだと、特にF1の大ファンで僕も驚くほど詳しいです。WECのクルマはその日に初めて見たのですが、すんなり入って行きましたね。
今、レゴにハマっていて、WECのクルマに似ているものも持っているので、同じだと言いながら喜んでいました。やっぱりかっこいい様ですよ!

レゴのトランスポーターに、オープンホイールのクルマを乗せるキットがあるのですが、息子はそれが欲しかったんです。まず、中に乗せるクルマを買う為、お小遣いを貯めさせ、1台1台購入しました。そして、トランスポーターをご褒美としてプレゼントするタイミングを伺っていたのですが、なかなかタイミングが掴めなくて、このままだと一生あげられないと思い(笑)、F1の開幕戦、オーストラリアGPの時にプレゼントしました。とても喜んでいました。レゴは、よく出来ているんですよね~。スパナや無線などのパーツがトランスポーターに積んでありました。そんな意味で“英才教育中”です…笑」

ありがとうございました!

彼女や彼とのドライブデートは、楽しくそして想い出深いものにしたいですよね~。宮崎ドライブの途中で、ハイになったというくだりが、なんとなくわかるようなわからないような?そんな気がしませんか?ちょっと宮崎までは遠いけど、ドライブは常にしたいと思っている私です。安東アナのフレーズをお借りすると、オートマ限定の免許ですので、“ガラス越しのキス”ですが…

ご子息もクルマが大好きとは伺っていましたが、パパに似た立派な“変態”になるよう英才教育中とのこと。将来が楽しみです。来月のSUPER GT富士に来て欲しいなあと思いましたね。お忙しいかな? このような“謙虚な変態”の方には、是非モータースポーツも生でご堪能いただきたいですよね~。と言う訳で、また次回のお話をお楽しみに!

次回は2015年4月28日(火)に公開。どうぞお楽しみに!

続きはこちら > 第4回 ドライブするよどこまでも!そして、サーキット走行のススメ

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road