2018年 総括 …安東弘樹連載コラム
2018年が、もう終わろうとしています。私にとっては27年間、勤めたTBSという会社を辞め、フリーランスのアナウンサーとして新しいスタートを切った転機の年になりました。
クルマ業界にとっても今年は本当に激動の年だったと言って良いでしょう。良い話で言えば、TOYOTA GAZOO Racingが、ル・マン24時間レースで優勝し(しかも日本人中嶋一貴選手がドライバーの一人)、WRCでは、同TOYOTA GAZOO Racingが2018年のマニュファクチャラーズタイトルを獲得。TOYOTA GAZOO Racingにとっては素晴らしい年になったのではないでしょうか。
私としては、この二つの偉業が、日本全体に今一つ伝わっていないのが悔しいのですが、私の勤めていたTV局を始めとするメディアの責任が重いと自覚しているだけに忸怩たる思いがあります。
ちなみに、WRCと言えば日本ラウンド招致応援団員を拝命したにも関わらず、2019年の招致に失敗した事は残念でなりません。可能性は、かなり高いと聞いていたので何があったのか分かりませんが、我々応援団員の力不足も痛感しました。改めて申し訳ございません…。
そして悪い話です。
今年は「不正検査」という文字が記事やニュースのタイトルに何度もあがりました。数々の日本の自動車メーカーが関わった、昨年から続くこの問題は、その本質を、もう一度検証する必要があると私は考えます。勿論、企業の責任は軽いとは言えませんが行政としても検査方法の抜本的な再構築が必要なのではないでしょうか?
勿論、ルールがある以上、それには完全に従わなければならないのは当然ですが、それが形骸化してしまっている様でしたら、そこは変えていかなければならないと思います。その影響で昨年に続き、2メーカーが、日本カー・オブ・ザ・イヤーのエントリーや賞典を辞退。私がCOTYの選考委員になってから、二年連続で辞退メーカーが続出する事態になっています。それぞれのクルマが良かっただけに残念でなりません。
そしてメーカートップの逮捕、という事件で今年は終わる事になりそうです。改めて、クルマ業界にとっては、心がざわついた、慌ただしい年でした。
またクルマ自体の技術革新は続いていますが、そこは少し中途半端であった様な気がします。今年、様々なクルマを試乗し実際に公道で試してみましたが自動ブレーキやアクティブクルーズコントロール等によって、自動化や安全技術は進んで来てはいるものの、私は、まだ全面的に信頼して使える様な域には到達していないと感じました。どうしても人間の感覚との乖離があり、私には安心、快適には感じられなかったのです。
内燃機関の燃費も良くなってはいるものの、当然、環境問題解決への解答にはなっておらず、ではEVの現状はと言えば、少なくとも私には、まだまだ航続距離が短く、ハイブリッドやPHEVも含めてモーターを使ったパワーユニットが未だにディーゼルを超えられないのが、もどかしくて仕方がありません。
各メーカーが様々な形で必死に開発を進めている様ですので来年には、ある程度の解答が出る事を期待しましょう!
それにしても、会社員ではなくなり、仕事でクルマが使える様になった事で、今年は、より自分のクルマと触れ合う時間が増えました。走行距離もグングンと伸び、今所有しているクルマは購入して2年と2か月で、7万5000キロに迫っています。最初の車検まで後10か月ですが、その前に売却して新しいクルマを購入するか、こうなったら、とことん潰れるまで乗るか、こちらも解答が出ていませんが、とにかく運転の楽しさを以前より感じているのは確かです。
この一か月で、また仙台、大阪、名古屋への出張を、それぞれ自分のクルマを運転して移動しましたが、長く運転すればするほど、クルマの運転が好きになります。2018年は私の仕事の転機であったのは確かですが、運転好きが加速した年にもなりました。
実は、この原稿を書いている今、午前4時で、眠気からキーボードを叩く指が時々、止まり、頭がガクッと落ちたりしているのですが、名古屋の出張から帰る時、現地を出発したのが1日中、仕事をして、夜、スタッフと食事をした後の午前1時。ノンストップで4時間運転しましたが、午前5時過ぎに帰宅するまで、眠気に襲われる事はありませんでした。
つくづく特異体質だと思いますが、運転している間、楽しくて仕方が無いのでアドレナリンが出続けているのでしょう。年齢は上がっていく一方で体力は下がっていきますので、こういった感覚が、いくつまで続くのか分かりませんが、少なくとも2019年は、まだ頑張れるのではないかと信じています。
皆さんの2018年は、どんな1年だったでしょうか?
良かったと感じている方にとっても、悪かったと思い返している方にとっても、全ての方にとって、2019年が良い年になる様に祈っています。そして、クルマ業界にとっても2019年が素晴らしい年になる様に祈りつつ、今年のコラムを締めたいと思います。
皆さま、今年もお付き合い頂きまして誠に有り難うございました。どうか良い年をお迎えください!
安東 弘樹
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