オートサロン2024 大いに楽しめ、頼もしい方々にお会い出来て充足…安東弘樹連載コラム
去る1月12日(金)~14日(日)、42年目を迎える東京オートサロン2024(以下TAS)が開催されました。
フリーランスになった後、昨年までは毎回、イベントの司会や自分が担当しているラジオ番組のスポンサーブースでの公開収録など、仕事で伺っていたのですが、今回は仕事での参加ではなく、チケットを購入し、一観客としての観覧です。
お陰で、他の仕事との兼ね合いで半日ではありましたが、全てのブースを観る事が出来ました。結論から申し上げると、非常に有意義な観覧になりました。
昨年、開催されたジャパン・モビリティーショー(以下JMS)は未来を見据えた、将来のモビリティーの可能性を標榜していて、今、購入できる市販車や市販予定車も、展示が無い訳では有りませんでしたが、どちらかと言えばクルママニアより、多くの方が楽しめる様な内容であったのに対して、TASは、ガッツリ「クルママニア」向けのイベントですので、私の様な者には、こちらの方がテンションが上がる、というのが正直なところです。
最近のTASは、各メーカーが新車の初公開の場に選ぶ事もあり、よりクルママニアにとっては嬉しい内容になっている傾向と言って良いでしょう。
今回も各メーカーが自らのカスタムブランドの新車を数多く、展示していましたし、独立したカスタムメーカーは、実際に展示ブースで商談や販売もしており、JMSとは違う熱気に包まれていました。
そして、更に嬉しいのは各ブースのメーカーの説明員の方も、より本音でゲストの質問に答えている印象があったのは気のせいでしょうか。
例えば、某メーカーのチューニングブランドのクルマの展示車がオートマチックトランスミッションでしたので、「MT仕様は無いのでしょうか?」と伺ったところ、
「スミマセン、AT仕様だけなんです。私もMT車が欲しかったので、何とかMTを載せようと画策したのですが、どうしても物理的に無理でした。本当に悔しかったです。」との事。私は35年以上。様々なイベントを観覧して、様々なメーカーの方にイベント中にお話しを伺いましたが、こんなに悔しそうにメーカーの方が本音?を語るのはTASならでは、と感じました(笑)。
TASの特徴の一つとして、様々なサプライヤーや、カスタムメーカーが、よりフィーチャーされて大きなブースを出している事です。
タイヤやトランスミッションなどは勿論、ディファレンシャルやクラッチメーカー、更にボディ・ラッピングやガラスコーティングまで、ありとあらゆるクルマに関する企業ブースが軒を連ね、良い意味でのカオス感が我々を楽しませてくれます。
更に様々なジャンルのゲストがライブやトークショーに出演し、より観覧客に近い場所でのアトラクションになっているのも特徴です。
色々な方とお話しすることができました
私も今回、特にどなたかと、お会いする約束はしていなかったのですが、これまで様々な形で御世話になった方々に、偶然お会い出来て、その度に、クルマ談義に花をさかす事が出来て、それも貴重な体験となりました。
私が担当しているTBSラジオのガレージヒーローズという番組は各界のクルマ好きをゲストにお迎えして、様々なお話しを伺っていますが、その番組に御出演頂いた方、だけでもご紹介しますと。
まずレーシングドライバーの岩岡万梨恵さん。
岩岡さんをサポートしている村上モータースのブースでは同社製作の2Lエンジンを積んだMAZDAロードスターの前で、村上モータースの社長と岩岡さんと、今後のモータースポーツのあり方について、熱く語り合いました。村上社長の真摯な言葉には大きな刺激を頂きました。
更に番組のスポンサーである、UP GARAGEさんのブースでは、正に1月14日(日)当日の放送で御出演頂いた、プロ野球、読売ジャイアンツの重信慎之介選手に、お会いする事が出来ました。トークショー直前だったので、短くしかお話しは出来ませんでしたが、相変わらず、クルマに対して熱い男でした(笑)
そして、共に2018年にラリージャパン招致応援団員を担当した、元SKE48の梅本まどかさんにも、偶然、お会いしました。
梅本さんは2018年から、ラリーのコ・ドライバーとして活躍し、昨年開催されたWRCラリージャパン2023にも出場した、ガチ、ラリーストです。
ラリーストとして、だけではなく、バイクの分野でも、モデル、タレントとしても活躍されている梅本さんとも、やはりモータースポーツを、いかに盛り上げるかを話しました。
その15分後には梅本さんとペアで競技に出ているドライバー、村田康介選手とのトークショーが行われる、という事でしたが、会場を離れなければならない時間でしたので泣く泣く会場を後にしました。トークショーの前に写真を撮れましたので、上げておきます。
今回、色々な方とお話ししましたが、共通しているのは、クルマ業界やモータースポーツの将来への危機感と、それを何とかしようとする気持ちです。
第一線で活躍されている皆さんと、その様な話が出来た事も、今回のTAS観覧の収穫になりました。
仕事で会場に来た場合、仕事中心での時間の使い方になるため、ゆっくり、1人1人と話をする事は難しいので、久しぶりに良い機会になりました。
クルマ業界の今後のために考える
クルマ業界、またモータースポーツの世界も全世界的に過渡期にある近年。今のままではクルマが地球環境に負荷を与え続けるのが間違いない中、エネルギー転換をどうするのか。
現状、BEV(電気自動車)だけでは、解決にはなりません。電気を生み出す元の発電を、何によって賄うのか、またバッテリーの素材にも解決しなければならない問題があります。
夢のエネルギーとして考えられている水素も解決しなければならない問題が山積です。
当分は、バランスを取りながら、それぞれの問題に対して、個々に工夫を重ねていくしかないのでしょうが、環境の問題は、そんなに長く待ってくれません。
私個人的には、ガソリンやディーゼル車にも乗りつつ、普段は、ソーラーで発電した電気を充電したBEV(電気自動車)で移動していて、今、考えられる最大限の努力?をしているつもりですが、住環境の違いもあるので多くの方に薦める事はできません。
でも、モータースポーツやクルマ業界に関わる多くの方々が真剣に考える事で、解決の糸口は必ず、見つかるはずです。
様々な展示を観て、大いに楽しんだTASでしたが、楽しさ以上に、頼もしい方々にお会い出来て充足感に満ちたまま会場を後にしました。
具体的な展示内容については、他のクルマ業界の方や、クルマ関係のジャーナリストのSNSや記事をご覧頂いた方が良いかもしれませんが、完全にクルマ業界の中に居る訳では無いけれど、常軌を逸したクルマ、運転好きの、一フリーランスアナウンサーの感想を書かせて頂きました。
ただ、その職業や番組のお陰で、様々な方と交流出来ている事を無駄にせず、また。多少の発信の場も頂いている事も無駄にせず、少しでも皆様とクルマ業界、モータースポーツの発展について考えて行けたらと思っています。
あらためて、そう感じさせてくれたTAS 2024でした。
安東弘樹
安東弘樹連載コラム
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