長距離ドライブで尾道往復…安東弘樹連載コラム
先日、広島県尾道までの往復約1600kmを愛車で走破してきました。
何故、尾道かと申しますと、私が中学2年生の時、「転校生」という大林宣彦監督の映画に出会い、ずっと憧れていたからです。
実は正直、内容は、あまり記憶に残らなかったのですが、舞台になっていた「尾道」という街の風景は脳裏に焼き付きました。翌年に公開された同じく尾道が舞台の大林監督作品「時をかける少女」という映画は、主演の原田知世さん演じる和子が弓道部員だった事もあり、その前から弓道部に入っていた私は、その事で興味を持ち、実は「大林宣彦監督作品」という意識もなく、映画館に向かったのです。
舞台が尾道である、という事もあまり意識せずに鑑賞したと記憶しています。この映画は、ストーリーも情景も原田知世さんの透明感も、はっきり覚えていて、特に尾道という街に魅了され、いつかは訪れてみたい、という想いを強く抱く事になりました。
そんな想いを持ったまま初めて尾道を訪れたのは、6年程前。私は日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員になったばかりで、某輸入車ブランドのインポーター主催の「試乗会」での訪問でした。
今は大きな観光資源になっている「しまなみ海道」を、そのブランドの新しいクルマで巡るコースの中に尾道が含まれていて、その時は尾道にある最新スポットで食事をしたのですが、昔ながらの街並みはおろか、尾道駅にも寄らず、残念ながら私の思い出にある「尾道」を感じる事は出来なかったのです。
80年代に公開された、尾道が舞台の大林監督作品、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の3つを総称して「尾道三部作」と言われますが、90年代に公開された3つの大林監督作品を「新尾道三部作」と言います。実は、その一作目「ふたり」という映画を、つい最近、観る機会があり感銘を受けた事で、あらためて尾道訪問を決意したのでした。
ついに15歳の時からの40年越しの夢を叶えるため、自分のクルマで片道約800kmを走破し、尾道まで行ってきたのです。
今回の旅の相棒はスターター兼発動機として作動するモーターと、さほど大きくない(48V)リチウムイオン電池で構成されたマイルドハイブリッド・ディーゼルエンジンのクルマです。このシステムのモーターはエンジン始動だけではなく、停止状態からの発進時や加速時に駆動をアシストしてくれます。モーターだけで走行は出来ませんが、このアシストにより、このシステムが無いクルマと比べて10~20%ほど燃費が良くなる、という事です。
朝から10時間ほど、高速道路を走って夕方に尾道に着き、一旦、ホテルにチェックインして、クルマ関係の仕事と後日行うイベントの打ち合わせをリモートで行い、無事に終らせて尾道ラーメンを食べ、その日は就寝しました。
翌日は朝から大忙しです。自由時間は夕方まで。その間に、映画の中でスクリーンに映し出されていた尾道に点在する、神社仏閣、狭い小径、急な階段、学校、公園、踏切、電柱にいたるまで、正に小走りで回り、写真、動画などを撮ってきました。
尾道の街、というより小径と階段を、周囲の方に気を付けながら、ほぼ全ての行程を駆け足で巡り、特に階段は、基本、段飛ばしで上りましたので、良い汗をかきました(笑)
かなり慌ただしい行程になりましたが、その模様はYouTubeに上げる予定ですので、公開後、宜しければご覧下さい(笑)
40年越しに叶えた尾道訪問。この様な一日でしたので、かなり疲労を感じましたが、目に映る尾道の風景は、どこをとっても私の期待以上の感銘を与えてくれました。
ただ、あまりに時間に追われ、撮影をしながら回りましたので、次回が、いつになるか分かりませんが、今度はゆっくり観て回りたいものです。
ちなみに私、普段は観光に行っても殆ど、写真は撮りません。携帯電話にカメラが付く前までは、カメラというモノを所有した事がなかったので、私の青春時代?の旅行などの写真は皆無、と言って差し支えありません。
単純にカメラを持って歩くのも邪魔ですし、そもそも撮影自体が面倒だと思っていました。
そんな私が、スマホを持つようになり、画質も良くなった事や、何よりカメラ、という荷物を持たなくてよくなった事で、少しだけ写真を撮るようになったのです。
更に、仕事の為にSNSを活用するようになってから、半分義務感で写真を撮るようになりました。YouTubeの動画を上げるようになった事で動画の撮影もするようになり、正直、毎日テンパっております。元々、撮影をする習慣がないので、特にご当地グルメなどを食べる時などは、大体、食べる前に撮影をするのを忘れ、食べかけを誤魔化して撮影する、という事をいまだに繰り返しています…。
フリーランスのアナウンサー、という仕事をしていなければ、今も旅の途中に写真を撮る事は殆どないと断言出来ます(笑)。
ただ、そんな私が旅先の写真や動画を観ると、やはり想い出に残るので、良いものだなとは思うようになりました。
特に今回の尾道での映像は、まだ自分で観ていないので、見返すのを楽しみにしています。だからこそ、次に訪れる時は、仕事の為にも、プライベート用にも一切、撮影はせずに自分の五感だけで尾道を感じたいと思いました。
長距離ドライブは「楽しい」
さて撮影も終えて翌日の帰路は、朝から、ひたすら千葉の自宅に向かって愛車で走るのみ。実は私、観光以上に長距離ドライブが楽しみで仕方がない、という性質でして、今回のドライブも、走行中の撮影はしましたが、存分に楽しみました。
走り始めたら楽しすぎて、尾道から滋賀県大津市のサービスエリアまでの300kmを走り、昼食を取って30分後には出発。
その後、愛知県の赤塚パーキングエリアでトイレ休憩を10分間取り、それからは自宅までドライブしてしまいました。休憩2回、9時間半ほどで800kmを走破してしまった事になります。
赤塚で2回目の休憩を取った時も、早く運転したくて、気付いたらトイレからクルマまで走って戻り、自分でも思わず、苦笑してしまいました。
勿論、このスケジュールでのドライブは褒められるものではありません。一般的に連続運転は最大でも2時間までと言われていますので、こんな事はしないで下さい。
それにしても自分のクルマを往復1600km、合計20時間弱、運転する事によって様々な事を感じる事が出来ました。あらためて、マイルドハイブリッド・ディーゼルターボエンジンの低回転域での大きなトルクとアクセルレスポンスの良さによる疲労の少なさと燃費の良さを実感。今回の行程での燃費は満タン法で16.1km/Lでした。以前より燃費が落ちているのは気になりましたが、往路800kmを無給油で走破し、尾道市で給油、そのまま自宅にも無給油で到着して、燃料残量警告灯は点かず、まだ100km以上の航続距離を残していました。
計算上少なくとも900km以上は無給油で走れそうです。ただ、以前の愛車は同じディーゼルエンジンでマイルドハイブリッドシステム無しでも、同じ燃料タンク容量で1100kmは走れましたので、ボディ形状や重量を差し引いても、そちらのエンジンの方が優秀であったのかもしれません。
いずれにせよ長距離運転は、いつでも私に幸福をもたらしてくれます。そして56歳現在、この距離を走っても運転で疲労を感じないどころか、ずっと「楽しい」と思える感覚も、まだ変わっていない事を確認出来た最高の尾道旅でした。
逆に言えば、衰えを感じた場合には、すぐに運転を控え、更に衰えを感じたら、また他の方に少しでも衰えを指摘されたら、運転自体を辞めようと思っています。
その時に、もし仕事を続けていたら、衣装を持って移動しなければならないので、初めてマネージャーに運転して貰うかもしれません。
そしてVRのシミュレーターで運転を楽しむとしますか…。
安東弘樹
安東弘樹連載コラム
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