日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)の会員になりました。・・・安東弘樹連載コラム

これまでも何度か、お伝えしてきましたが、私は子どもの頃からのクルマ好きが高じて、TBSの社員時代から現在まで日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)の選考委員を担当させて頂いており、そんな事から、このコラムも書かせて頂いています。

更に、今年の春、COTY選考委員に加えて日本自動車ジャーナリスト協会(以下AJAJ)の会員になりました。

私はこれまでCOTY選考委員として「常軌を逸したクルマ(運転)好き」としてのスタンスでクルマを評価してきましたし、これからも、それは変えないつもりです。

その上で、これまでの47台にのぼる自分の所有車を、合わせて160万km以上(地球約40周以上)運転してきた経験を活かすべきだと、お二人の先輩ジャーナリストの方に勧められたのが大きなキッカケになりました。

勧めて下さったのはAJAJ協会員の松任谷正隆さんと、現AJAJ会長の菰田潔さんです。松任谷さんは、お会いすると、時々「AJAJ、入んなさいよ」と、淡々と笑顔で(笑)、菰田会長は「そろそろ、時期なんじゃないですか?」と紳士的に勧めて下さり、私の背中を押して下さいました。

私自身も100年に一度のクルマの変革期に、個々のクルマの評価だけでは「自動車」を語る事の意味が希薄になってきていると感じていました。クルマ業界全体に関して更に勉強し発信する必要があるのではないか、と思うようにもなっていて、正に時期だと思い、申請する事にしたのです。

AJAJ理事の皆さんの審査を経て会員になる事が決まった際には、あらためて責任を感じると共に、微力ながら日本の自動車ジャーナリズムの変革にも寄与したいと決意をあらたにしました。

実は私がCOTYの選考委員に選ばれた際、当時の会社の同僚や先輩に「選考委員になるとメーカーから色々と貰えたりするんでしょ?」と直接言われる事があり、インターネット上でも同様の意見が散見されている現状を目の当たりにして、愕然とした経験もあります。

実際はCOTY選考委員になってから、少なくとも私は、そんな場面に遭遇した事はない、どころか、メーカーやインポーター主催の試乗会に赴く時の交通費なども自費負担ですし、利益供与を受けた事はありません。試乗会の時間が昼食時間に重なった場合は昼食が提供されたり、せいぜい、コーヒーのサービスがある位です。という事は他のジャーナリストの皆さんも同様でしょう。

ただ、残念な事にこれまで、ジャーナリスト自身が声高にこういった「疑念の声」を否定する事も少なかった為、いつのまにか、その様な「都市伝説」が定着してきたのだと思います。

例えばバブル期の状況などは、私が知る由もないので分かりませんが、少なくともインターネットの時代で、その様な事が具体的に有った場合は、すぐに露見してしまうのではないでしょうか?

しかも、それこそ以前はCOTYの受賞によって、そのクルマの売り上げが大きく伸びるといった影響があったと想像出来ますが、現在では、その影響があったとしても、ごくわずかでしょう。

YouTubeを観れば個々のクルマに関しての細かい情報は実際のオーナーによって公開されていますし、ジャーナリスト自身も動画で、個々のクルマに対しての印象を発信しています。価値観が多様化している今、一つの賞が、そのプロダクトの購入動機になる事は、ほぼなくなってきている、と感じます。

勿論、COTYの役割はそれだけではなく、後世に残すべきクルマを選んで自動車文化そのものを醸成する、という責務もあります。これまでと同様に、真剣に選ぶ必要はあると思いますが、メーカーがCOTYの選考委員やジャーナリストに利益を与える理由は殆どない、と言って良いでしょう。

AJAJ協会員になる事で、さらに勉強になる経験が積める

そしてAJAJ協会員になる事で、これまでCOTYの選考委員という立場だけでは参加出来なかった、官公庁や様々なサプライヤーが主催する勉強会などにも参加出来る様になり、自分自身が発信するにも勉強になる経験が積めるようになります。

最近、問題になっている型式認証に関わる不正について、等も今後、更に深く勉強し現場を垣間見る事によって、皆様への発信に努めていきたいと思っております。

実際にAJAJの会員になった後から、これまでCOTY選考委員のみであった時には来なかったタイヤメーカーや、交通システムに関する勉強会の案内も来るようになりました。

また、モータースポーツに関しても、これまでは興味のあるカテゴリーを「趣味として」観戦するにとどまっていましたが、今後は全てのカテゴリーを注視していく必要もあり、それこそ地球環境に与える負荷などとの関わりも含めて考察、発信をしていかなければならないでしょう。

その意味では、私自身が現在、MTのガソリンスポーツカー、マイルド・ハイブリッド・ディーゼルエンジンのSUV、BEV(完全電気自動車)のコンパクトカーを所有して、日々、運転しておりますので、実体験を通して使い方による効率的な運用の仕方、等を発信出来るのでは無いかと自負しております。

特にBEVに関しては太陽光発電との相性や、コストについて詳しく、YouTubeの動画も含めて今後も長期的に、お伝えしていきます。

ちなみに現在は、3年前にガレージに設置したカナダ製の太陽光発電器は順調で、冬以外は毎月2万円程度、冬でも1万2千円以上は電力会社に売電している状況です。
勿論、日々(大体二日に一度一回につき20kwhほど充電している状況)、BEVに充電した上での価格です。コストとしては、後2年ほどで設置費用を回収出来る事になりますが、何より有難いのは、今後も環境負荷を殆ど掛けずに運用出来る事です。(ちなみに高速道路などでの急速充電は、月に一回、あるかないかという状況)

10年の保証期間が過ぎた後の運用や、発電器の寿命が尽きた後の処理などについては未知数ですが(設置会社の処理方法は提示されています)、BEVの運用の仕方としては、現在考え得る最良な方法なのではないでしょうか。

勿論、自宅が一軒家で、一家で複数台所有、という条件での運用に限られますが、都市部以外にお住まいの方でしたら、さほど珍しい環境ではないと思います。

この様に、実際の経験談として今後も、個々のクルマに関する事以外の生きた、現実的な?自動車にまつわる有益な情報を発信していくつもりです。

またこれまでもETCや高速道路の運用の仕方、通行料金についてもお話ししてきましたが、今後は更に踏み込んだ内容にしていく様、努めて参ります。

責任はこれまで以上に背負っていく覚悟

さて、今回AJAJ会員になった事で自分が「ジャーナリスト」になったとは、おこがましくて言えませんが、今後の言動は「ジャーナリスト」によるものだと判断される、という責任は、これまで以上に背負っていく覚悟ではあります。

今後、更に様々な研鑽や経験を積んでAJAJ会員として恥ずかしくないように行動、発信し、また全ての自動車ユーザーの皆様に、必要かつ有益な情報をお届け出来る様に精進してまいりますので何卒、宜しくお願い申し上げます!

安東弘樹