中古車の買い方・段取り解説−−普通の買い物とは何が違う?【GAZOO中古車購入ガイド】

  • 中古車の買い方・段取り解説−−普通の買い物とは何が違う?【GAZOO中古車購入ガイド】

日頃、みなさんはさまざまな買い物をしていると思います。その時は特に深く考えずに買い物をしているはずですが、クルマ(新車と中古車)は一般の買い物とは異なる点がいくつかあります。どんな部分が普通の買い物と違うのか、中古車を買う際には何をしなければいけないのかを見ていきましょう。

中古車は買ってもすぐに乗って帰れない

コンビニエンスストアやスーパーマーケットで食材を買ったり、アパレルショップで洋服を買ったりした時は、会計後に買った商品をそのまま持って帰ります。

ところが、クルマは買ってもその場で乗って帰ることができない、ある意味特殊な買い物になります。新車は注文してから生産するため納車までに時間がかかることも理解できます。しかし、目の前に商品がある中古車もすぐに乗って帰ることはできません。なぜでしょう。

それはクルマが購入後に運輸支局に登録(軽自動車は軽自動車検査協会に届出)しないと公道を走ることができないからです。登録/届出にはいくか書類が必要になるため、それらを準備する時間が必要になります。

もし「この日にクルマが必要」という予定が決まっているようであれば、そこから逆算して購入スケジュールを組む必要があります。

あらかじめ購入車種等が絞り込まれている場合、中古車が手元にやってくるまでの一般的なスケジュールは以下のようになります。

クルマ選び お金関係 書類関係 自動車保険
1日目 予算を決める
2日目 支払い方法を決める 駐車場を探して契約
3日目 購入車種を探す マイカーローン申し込み(仮審査) 実印登録〜印鑑証明書の発行
4日目 在庫確認などを問い合わせ
5日目 来店予約
6日目
7日目 実車確認〜契約 マイカーローン審査 任意保険比較検討
8日目 納車整備 車庫証明申請
9日目 必要書類作成
10日目 任意保険申し込み
11日目
12日目
13日目
14日目 審査通過〜入金 車庫証明発行
15日目 購入代金支払い 必要書類郵送
16日目
17日目 登録完了 任意保険契約
18日目 納車

中古車購入の段取り解説――お店に行く前にやっておきたいこと

1.予算を決める
2.支払い方法を決める
3.駐車場を契約する
4.実印を準備する

1.予算を決める

新車は定価(希望小売価格)があるため購入候補を決めやすいですが、中古車は車種はもちろん年式や走行距離などさまざまな要素により価格が異なるため、まずは予算をしっかり決めておく必要があります。ここが決まらないと中古車を探す際にいろいろ目移りする可能性が高くなります。

2.支払い方法を決める

現金一括払いで購入するのか、銀行のマイカーローンや販売店が扱うクレジットを利用するかをあらかじめ決めておきましょう。上の表では銀行が扱うマイカーローンを利用したケースでスケジュールを立てました。銀行のローンは審査に最長1週間程度かかりますが、販売店が扱うクレジットだと審査が終わるまでの期間はこれより短くなります。

3.駐車場を契約する

自宅ではなく月極駐車場を保管場所にする場合、あらかじめ駐車場を探しておきましょう。クルマを購入する際には自動車保管場所証明書(車庫証明書)が必要になります。購入するクルマを決めてから駐車場を探し始めると、車庫証明発行までに時間がかかり、納車が遅れることになります。

4.実印を準備する

登録車を購入する際に捺印する印鑑は実印になります(軽自動車は認印で大丈夫です)。実印とは市区町村に登録した印鑑のことです。

中古車を登録する際に必要な書類

1.印鑑登録証明書
2.委任状
3.車庫証明書
4.自動車検査証(車検証)

1.印鑑登録証明書

  • 中古車を購入する際は印鑑登録証明書が必要

捺印した印鑑が実印であることを証明するため、発行日から3ヵ月以内の印鑑証明書が必要になります。

2.委任状

  • 中古車を購入する際は手続き代行の委任状が必要

登録の手続きを販売店等に委任することを記した書類です。書類は販売店で用意してもらえるので、署名と実印の捺印をします。

3.車庫証明書

  • 中古車を購入する際は車庫証明書が必要

申請書類を管轄警察署に提出し、警察の確認を経て発行される書類。自宅駐車場に保管する場合と月極駐車場に保管する場合で申請に必要な書類が異なります。申請書類は販売店または警察署でもらうことができます。

4.自動車検査証(車検証)

中古車の場合、販売店が保管しています。登録時に名義変更された車検証が発行されるので、住所や氏名があっているかを確認してください。

車庫証明書をどのように申請するかを決めよう

  • 中古車を購入する際は保管場所の所在図・配置図の提出が必要

車庫証明書は自分で警察署に申請する方法と、販売店に申請を依頼する方法があります。自分で申請するなら申請時に警察署に納付する証紙代だけで発行されますが、販売店に依頼する場合は別途申請費用が必要になります。代行費用は販売店や申請する警察署までの距離によって変わり、1〜3万円が目安となります。

費用を抑えたいなら自分で申請手続きを行うのがおすすめ。ただ、申請は平日しかできないため、会社を休んだりしなければなりません。申請が遅れるとその分納車が遅れるので、時間が取りづらい人は販売店に任せたほうがいいでしょう。

また軽自動車を購入する場合、地域によっては車庫証明書が必要ではなく、より簡易的な「軽自動車住所証明書」を取得すればいい場合があります。

自動車保険には必ず加入を!

加入が義務付けられている自賠責保険に対し、自動車保険への加入は義務ではないため“任意保険”とも呼ばれます。しかし自賠責保険は対人事故の賠償損害のみで、死亡による損害で最高3000万円、後遺障害による損害で最高4000万円、障害による損害で最高120万円しか補償されません。

万が一の事故の際の補償としてこの金額では足らないケースも多いし、対物事故、運転者が死傷した場合は保証されません。自賠責保険で足らない部分をカバーする自動車保険への加入は運転者の“責任”と考えるべきです。

自動車保険にはさまざまな種類があるため、中古車探しと並行してどの保険に加入するかを検討し、保険加入の申込みを行います。登録が終わったら車検証のコピーを送ってもらい、納車前に自動車保険の契約を終えている状態にしてください。

遠方のお店で中古車を買う時は?

中古車は店頭で実車を見て、状態などをしっかり確認してから購入するのが基本。しかしインターネットで全国の中古車情報が見られるようになってからは、遠方の販売店から実車を見ずに購入する人も増えています。

遠方の販売店から購入する際は必ず販売店と密に連絡を取り、中古車情報サイトに掲載されていない写真なども送ってもらってクルマの状態をしっかり把握。そして気になる点はどんどん質問して、納得した上で購入するようにしましょう。

合わせて保証の有無も確認を。実車を見られないため機関系の状態確認ができないので、保証があったほうが安心できます。

なお、中古車情報サイトには購入時の支払総額が掲載されていますが、これは販売店のある県内登録で店頭納車の場合の金額になります。遠方の販売店で購入する際は陸送費などが別途必要になるので、問い合わせ時に必ず支払総額を確認してください。

スケジュールに余裕を持って中古車を探そう

買ってもすぐに手元にやってこない中古車。だからこそスケジュールに余裕をもっておくことが大切です。

納車までには中古車を買うと決めてから最低でも2週間。できれば3週間程度見ておきたいところ。書類集めに時間がかかるとその分納車も遅れるので、先に進められることは前もって準備しておくことも大切です。

納車後の楽しいカーライフを創造しながら、段取り良く中古車を探してください。

次回は「中古車の契約」について解説します。

文/高橋 満<BRIDGE MAN>

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