ボディの汚れ、輝きの悩みは専用品&お手軽ケミカルで解消!・・・カーアイテム活用術

  • ボディの汚れ、輝きの悩みは専用品&お手軽ケミカルで解消

手抜きをしようと思えばいくらでもできるのが洗車。すみずみまでしっかりと洗って汚れを落とすのが目的とはいえ、ざっと適当に洗い流しておしまいにもできる。せっかくやるならきれいにしたいと思うものの、気持ち的にはさっさと終わらせたいというのもまた事実。この点をうまくバランスさせることができればベストだ。

さらに手間がかかると言えば、ワックスやコーティングがけもしかりで、昭和の昔なら、ひなが1日、セコセコと塗り込んで拭き取るのは楽しかった。しかし、今となってはそこまで時間をかけられないし、場所もない。そもそも塗装のクオリティも上がったので、時間をかけなくてもきれいになる。

つまり、塗装の質がいいので、時短&お手軽系でも十分にきれいにできる前提ができているともいえ、アイテムを駆使すればさらにレベルの高く仕上がげることができる。この点ではワックスよりもコーティングのほうが有利だったりする。今回はシャンプーとコーティングについて最新トピックスとともに紹介しよう。

  • クルマのワックスがけは手間がかかる

    最終的にボディを保護するためにワックスやコーティングを塗る必要はあるが、従来のものだと手間も時間もかかる

ボディケアのお悩み解消① 目的に特化したケミカルを駆使

ボディの汚れを落とすためのシャンプーはボディカラーの指定を守りさえすれば、基本的にはなにを使ってもよくて、丁寧にかければ問題なし。手順は上から下へとかけていき、逆にやってしまうと泡が服などに付くので注意したい。あとはしっかりとすすいでシャンプーを残さないようにするのも基本だ。

ただし、これはあくまでも基本。ワンランク上の仕上がりを期待する人もいるだろうし、塗装のいい状態を長く保って、輝きを持続するにはひと工夫が必要だ。シャンプーがけでのひと工夫とは次の2点だ。

(1)シャンプーだけでは落としきれない汚れを落とす
(2)最近は当たり前になった新車時のコーティングにダメージを与えない

■シャンプーだけでは落としきれない汚れとは?

シャンプーでは落としきれない汚れというと、水アカやピッチと呼ばれる道路のアスファルトが跳ねて付いたものなどがある。これらは専用のクリーナーがあるのでそれを使えば落とすことはできる。

そして塗装に付いた不純物という点で、もうやっかいなのが鉄粉だ。なぜ鉄粉が刺さるのかというと、高速道路や幹線道路沿い、鉄道が近いとブレーキやレールが削れたものが飛んでくるからで、放置すると腐食して塗装を痛める原因になるため、定期的に取り除くのがベストとなる。

それでも自分のクルマには付いていないと思うという方は、タバコやお菓子の箱を包んでいるセロファン越しに触ってみるとわかりやすく、ザラザラぶりには驚くハズだ。

  • ボディに着いた鉄粉はセロファン越しで確認

    手で直接触るよりも、セロファン越しだとわかりやすい。一度お試しあれ

  • 溶かして浮き出てきたクルマのボディに付着した鉄粉

    鉄粉取り専用の粘土よりも溶かすタイプはかなり楽だ。ポツポツとしたのが溶けた鉄粉

■意外に多い、コーティング済み車用アイテム

鉄粉は半年に一度程度の割合で落としてやればいいとして、コーティング済みの塗装対策は専用アイテムを揃えるだけなので、じつは簡単。

そもそもガッチリと守るのがディーラーでの施工も含めたコーティングなのでは? と思うかもしれないが、硬いゆえ、被膜自体にキズが付くことがあって、そうなると塗装保護力は持続するとしても見た目が悪くなる可能性があるのだ。

ボディコーティング済み用のアイテムは今、ちょっとした盛り上がりを見せていて、シャンプーだけでなく、スポンジも専用品がある。新車時に施工するのが当たり前なので当然ではある。

ポイントはもちろん、コーティング層を傷つけないということ。使い方は特殊なことはなくて、普通に使うだけというのもうれしい点。コーティングしていなくても、塗装へのダメージを抑えたいなら使ってみるのもいいだろう。

  • コーティング済み専用のスポンジやカーシャンプー

    被膜へのダメージを抑えてくれる、コーティング済み専用のスポンジやシャンプーが盛り上がりを見せている

  • コーティング済み専用のシャンプーも使い方は一緒

    専用品とはいえ、使い方は一般的なものと変わらないので、気兼ねなく使える。使い心地は滑らかな感じ

ボディケアのお悩み解消② コーティングアイテムは今やお手軽系が主流

■ワックスとコーティングの違い

昭和の末期に登場したのが、市販コーティング剤の始祖、イオンコート。ワックスには真似できない長期間効果持続を謳い、テレビCMも流れていて大ヒットに。

ちなみにワックスとコーティングの違いは前者が油性などでただ塗装表面に付着するだけなのに対して、後者は化学的に吸着することで強固な被膜ができるのが特徴。それゆえ、長期間効果が持続するし、ガッチリと塗装を守ってくれもする。

ワックスは昔ながらの定番といったところで、大きく変わらないのがいいところではあるが、このコラムでは最近のトレンドのアイテムを紹介ということで、今回注目するのはコーティング剤。

コーティング剤が市販された当初、ワックス感覚で使うことができるのは衝撃的ですらあったものの、施工しづらかったのも事実。化学的に定着させるためにしっかりと乾燥させる必要があって、拭き取りがとても大変だったし、輝きやツヤについても、カルナバなどの天然素材を配合したワックスに劣るのも事実だった。

■洗ったボディにスプレーするだけで完了

しかし、時代は変わって、今やコーティング剤はお手軽系が主流になっている。具体的に言うと、洗車したあとの濡れたボディにスプレーするだけ。あとは洗車後と同じように拭き上げるだけで完了となる。つまり洗車にプラスしてかかるのはボディにスプレーする時間と手間のみで、かなりの時短になるのはうれしいメリットのひとつである。

ここでディーラーや専門店でプロによるコーティングをかけている場合、自分でコーティングをさらにして大丈夫なのかと疑問に思うかもしれない。強固な被膜の上に、さらに被膜ができるだけなので基本的には問題なし。ツヤが増したりするので、プロのコーティングのメンテ的な感じになる。

ただし、場合にもよるので、気になるなら目立たないところで試すといいだろう。もちろんプロのコーティングは本来、洗車だけでOKなので、コーティング剤を使わなくても構わない。その場合はシャンプーで汚れを落として拭き上げて終わりとなる。

実際にカー用品店に行っても、コーティングのほとんどがお手軽系。ただし、お手軽系とひと口に言ってもツヤや耐久性はさまざまなので、自分の好みやクルマの使用環境などによって選べばいいだろう。

  • 洗車後の濡れたボディにスプレーするだけのコーティング剤

    洗車後の濡れたボディにスプレーするだけ。最近ではボディにもガラスにも使えるタイプも登場。コーティングならではの性能だ

ボディケアのお悩み解消③ 説明書きを読むのは基本&鉄則

お手軽系とはいえ、使い方のコツがある。たとえばスプレーする面積なら、30センチ四方でひと吹きといったように指定がされていて、それを守ることは効果を最大限に引き出すためにも大切なこと。またスプレーのしすぎは単純に無駄にもなる。

お手軽イコール使い方は適当といったイメージになりがちだが、使う前にまずは説明書きを読むようにする。これはコーティング剤に限らず、すべてのアイテムに言えることで、最悪塗装にシミを作る可能性もあるのでぜひ励行してほしい。ダメージは少ないとはいえ、化学薬品に変わりないということは頭に入れておこう。

もうひとつ大切なのが、最後まで使い切るということ。あれこれ使ってみたくなる気持ちはわかるが、頻繁に変えると効果が発揮されない可能性もある。同じものを定期的に使うのが効果を最大限に引き出すポイントだ。

  • ケミカル系のカーアイテムは必ず説明書きを読みその通りに施工する

    使う量や乾燥時間、注意事項など、説明書きを読んで初めて発見することも多いだけに、まずは読むクセを付けたい

(文、写真:近藤暁史)

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