パーツ別に解説。実は難関な足まわりクリーニング術・・・カーアイテム活用術
洗車をすると汚れが落ちて、輝きも出て気持ちがいい。ただ、思ったほどはなんかシャキッとしないこともある。経年車でもパリッと見えるクルマもあるのは事実で、そう見えない原因のひとつが足まわりだ。人間の靴と一緒で、タイヤとホイールがきれいだと全体のイメージもよくなるし、その逆もある。
しかし難しいのも足まわりクリーニングの特徴。今回は効率よく、きれいにする方法を紹介しよう。
<目次>足回りクリーニングのお悩み解消
足回りクリーニングは作業漏れに要注意
STEP① タイヤはひと手間かけてクッキリ
STEP② ホイールは凹凸の多さと裏側の攻略が問題
STEP③ 憧れの洗車機は高嶺の花なのか!?
足回りクリーニングは作業漏れに要注意
洗車はボディだけをきれいにするだけではなく、ディテールも重要なポイントになる。その代表格がタイヤとホイールだ。足まわりとひとくくりにされることも多いが、素材も形状もまったく別モノなので、きれいにする場合は切り分けて考えたほうがいい。
まずタイヤの汚れはブレーキダストや砂などが付着したもの以外に、表面に茶色っぽく染み付いたようなものもある。これはゴムから滲み出てくる紫外線による劣化防止剤も多く、そのため、ざっと洗って、タイヤワックスをかけるだけでは完璧ではないので注意が必要となる。
ホイールクリーニングはさらに注意すべきポイントが多い。まずは各部に入り込んだ汚れをどう落とすか。汚れはタイヤ同様にブレーキダストで、以前であれば熱で焼き付いたようになって落としにくかったが、現在のホイールはクリア塗装がされているので汚れが付いても落としやすいのはありがたい。
ただ、アルミホイールだと形状が複雑なので、作業がしにくく、奥についてはブラシをいかに届かせるかが問題になる。
そして足まわり全体的の注意点としては、作業漏れが出やすいということがある。足まわりは下にあるだけに、作業中は上からの目線となる。そのため、上を向いているところは漏れが出にくいものの、接地面やスポークの下側、ナットの穴などは上からだと確認しにくいので、落とし漏れにつながってしまうのだ。意識して作業するようにしたい。
足回りクリーニングのお悩み解消STEP① タイヤはひと手間かけてクッキリ
細かい部分の汚れをまずはかき出す
タイヤはサイドが気になる部分で、メーカーやブランドのロゴ、記号やデザイン的な処理がされていて、かなりデコボコしている。洗車ついでにざっと洗うだけでもやらないよりはいいが、細かいところに入り込んだ汚れは残ってしまい、全体の印象をぼやけたものにしている。
これらの汚れを落とさずに、つや出しのためのタイヤワックスをかけると封じ込めてしまうことになるのでなおさらだ。
まず行うのはブラッシング。大ぶりのブラシでロゴなどをなぞるようにして汚れをかき出していくとくっきりする。当然、ブラシは汚れてしまうので、家庭で使い古したものでよくて、タワシでもかまわないし、最近ではなんと専用ブラシも出ている。
そして気になる内部の紫外線による劣化防止剤の浮きは通常なら、洗車時のシャンプーがけで落とせるし、ひどい場合は中性洗剤を薄めたもので拭けば落とすことができる。
タイヤワックスは水性がおすすめ
そのうえで仕上げにタイヤワックスをかけるのだが、可能なら水性を使いたい。油性を使うとゴムに含まれる油分が流れ出てしまい、劣化につながる可能性があるというのがその理由で、タイヤメーカーもカタログなどに載せていたりする。
油性を使ったからといってすぐにダメになることもないし、なにも塗らないよりはいいのだが、気になる方は水性を選ぶといいだろう。仕上がりもギラつきがちな油性よりも、サラッとした自然な感じになるのもメリットだ。
足回りクリーニングのお悩み解消STEP② ホイールは凹凸の多さと裏側の攻略が問題
細かいところも専用のブラシできれいにしよう
ホイールを洗うこと自体はそれほど難しくはない。ボディの延長で、カーシャンプーで洗ってやればいい。最近のホイールはクリアコートがかかっているので、汚れが付いても落としやすいため、とても楽なった。
ただし、先にホイールを洗ってからボディをやってしまうと、キズの原因になるので順番には注意が必要で、できれば別のスポンジを用意したい。ホイールに付く汚れはタイヤ同様に、路面の砂もあるが、多いのはブレーキダストだ。
特に輸入車はきれいにしてもあっという間に真っ黒になってしまう。その原因がブレーキダストということもからも、主たる汚れであることはわかるだろう。
まず洗い方としては、全体の汚れをカーシャンプーを付けたスポンジで落としたら、細かい部分を意識してきれいにしていく。細かい部分とはナットの穴やスポークの際、バルブの付け根など、よく見るとあちこちにあるのでひとつひとつ丁寧にきれいにしていく。汚れがひどい場合はホイールクリーナーを使ってもいい。
問題は細かすぎるのでスポンジでは洗えないことで、最近ではさまざまなサイズのホイール専用ブラシが出ているので、これを活用するのがオススメ。また使い古しの歯ブラシでもいいだろう。
さらにホイールで非常に気になるのがホイールの奥というか裏側だ。スポーク形状にもよるが、目立つホイールはとても目立つ。昭和の時代はホイールを外してきれいにする猛者もいたが、現在は場所もないし、手間もかけたくない。ここでもアイテムがアシストしてくれ、奥用の長いブラシが洗車アイテム界ではちょっとしたブームになっているので活用しない手はない。もちろん届きさえすれば洗い方は同じだ。
ホイールも専用コーティングで仕上げる
そして最後はコーティングをかけて仕上げる。ホイールはブレーキからの熱にさらされるため、ボディ用のコーティングでは適さないこともある。プロ用ではホイールコーティングが以前からあったが、最近はDIY向けが出てきているので、汚れ防止や輝き維持の点でおすすめしたい。
タイヤ&ホイールは下側を忘れるなかれ
当然のことながら、足まわりは下に付いているので作業するほうは上から見ることになる。ここに落とし穴があって、見えない部分を忘れがちなのだ。そんなにあるのかと思うかもしれないが、タイヤの接地面、ホイールのスポークなど。終わったと思ってクルマを動かしたら、汚いままのところが上に向いてガックリしたということにもなりかねないので意識してやるようにしたい。
足回りクリーニングのお悩み解消STEP③ 憧れの洗車機は高嶺の花なのか!?
洗車場のような使い勝手を自宅で利用可能
コイン洗車場の魅力と言えば洗車機だ。シャンプーや汚れも強力に洗えるし、細かい部分の洗浄にも威力を発揮してくれる。家庭用もあったが、性能は高いものの、肝心の価格が気軽なものでなかったり、電源や水道の問題もあったりして、万人向けではなかったのは事実。
ただし、最近の傾向として性能はそのままに小型化や低価格も進んでいるし、また世の流れでコードレス化も進んでいる。つまり洗車における機動力が増しているというわけだ。ひとつあれば洗車だけでなく、壁洗浄やカーデニングなど、家まわりにもいろいろと使えるのでひとつあるとなにかと便利だ。
洗浄機と言えばケルヒャー。洗車用の高圧洗浄機もあって、幅広いラインナップに注目だ。コードレスタイプの洗浄機もあって、比較すると圧力は落ちるが、それでも水道の約2倍の圧力というから十分。独自のノズル形状で洗車にも使える。
(文、写真:近藤暁史)
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