どれが安心!? 最新のドライブレコーダー選び・・・カーアイテム活用術

  • ドライブレコーダー

    (c)コムテック ※取付例はイメージのため、配線を省略しています。ご使用の際は配線を行う必要があります。


交通事故時だけでなく、あおり運転の記録としても重宝するのがドライブレコーダー。とくにあおり運転が社会問題になってからは当たり前の存在になっている。万が一のときも公的な証拠としても有効なので、ぜひ装着しておきたいカー用品のひとつと言っていい。

ただし、装着すればいいというものでもないのは事実で、デジタル機器だけに進化が激しいだけでなく、さまざまな状況に対応すべく機能が増えていることもある。カメラの機能がいい例で、フロントのみだけでなく、後方や360度も登場してきていて、記録する範囲は広がっている。ちなみに事故は左右、後方が多いというデータもある。

また、ただ記録するだけでなく、後方からの車両接近などを警告してくれる機能がプラスされているものなど、高性能&高機能化が最近の特徴だ。記録方法なども様々で、どれがいい悪いではなく、予算やクルマの使い方などに合わせて選ぶようにしたい。安心安全のための最新ドラレコ選びを紹介しよう。

ドライブレコーダーのお悩み解消STEP① 選び方の第一歩、カメラの種類

カメラの数や機能に注目するとわかりやすい

実際にカー用品店の売り場に行くと、さまざまなタイプがあって迷ってしまうほどだが、選ぶ際の基準としてまずはカメラに注目だ。現在、大きく3つに分かれるので、自分の使用環境に合わせてどれがいいのかを考えるとわかりやすい。ちなみにドライブレコーダーの場合、カメラと本体が一体となっているので、構造はシンプルだ。

●フロントのみ

ひとつのカメラをフロントガラスに装着して車の前方を撮影するシンプルなタイプ、前方で発生した事故などを記録できる。広角レンズによって、左右の幅はかなり広く写せる。

●前後2カメラ

フロントに加えて、リヤにもカメラを設置して前後の状況を記録できる。社会問題にもなっている後ろからのあおり運転対策として有効なタイプなので、現在主流のタイプと言っていい。リヤはカメラのみで、フロントの本体に前方映像とともに記録される。

●360度カメラ

フロントに前後左右、つまり360度の映像を記録できる全方位カメラを搭載していて、幅寄せや真横からの衝突など、従来は記録できなかった範囲も対応できる。
フロント部分からすべてをカバーするため、乗員が映り込んだり、後方の映像が小さくなってしまうが、補うためにリヤカメラがセットになっているものを選べば問題ない。
また、駐車監視機能を組み合わせれば駐車中も安心だ。また複数のカメラで360度をカバーするタイプもあって、今一番注目のカメラタイプ。

  • 360度カメラタイプのドライブレコーダー

    360度カメラであれば全方向を記録できるので安心度はかなり高まる。オプションであることが多いが、駐車監視もプラスしたい (c)コムテック

消耗品!? 記録媒体について

携帯回線を使用してクラウドに保存する通信型も登場してきているが、映像を記録するのはマイクロSDカードを使用しているのが一般的で、本体に挿して使用する。

注意したいのはSDカードの劣化で、常に記録を続けているのがドラレコなので定期的なフォーマットが必要になる。エラーになってしまい、万が一のとき、記録されていなかったでは目も当てられない。

ただし、最近では記録方法については、劣化(断片化)しにくいフォーマットを採用している製品も出てきて、メンテナンスフリー化が進んでいる。ただマイクロSDカード自体は消耗品ではあるので、定期的な初期化や交換がベストではある。

  • ドライブレコーダーのマイクロSDカード

    SDカードやマイクロSDカードは定期的に交換したほうが安心。また定期的にエラーが出ていないかを確認したい

ドライブレコーダーのお悩み解消STEP② 細かな機能を知ってより確実に

押さえておきたいドラレコの機能:画素数

ドライブレコーダーで重要なのはまずはカメラそのもののスペックや仕様だ。一般のデジタルカメラ同様、解像度がポイントになる。ドラレコでもフルHDなど画素数が製品によって異なるし、同じ製品でも設定で変更することが可能だったりもする。
画素数を落とすと記録時間などが長くなるが、画質が落ちてしまうので、場合によってはナンバーが確認できないこともありうることは頭に入れおきたい。

押さえておきたいドラレコの機能:写せる範囲

またどれぐらいの範囲を写せるかは、ドラレコの機能としては重要で、横方向だけでなく、縦方向もどれぐらいカバーしているのかを見ておきたい。縦は信号の状態記録に関係するので意外に重要なのだ。
広い範囲をカバーするために広角レンズを使っているのだが、ゆがみの少なさなども併せて見ておくといい。

押さえておきたいドラレコの機能:ダイナミックレンジと夜間撮影

そのほかクルマは常に移動して向きが変わるものなので、逆光やトンネル出口などでの光の変化で画像が黒く潰れてしまったり、飛んだりなどの影響を受けることもある。それを防止するのが「HDR(ハイダイナミックレンジ)」や「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」という機能。
そのほか、夜間でもきれいに撮影できる機能も重要で、選ぶ際のチェックポイントとして見ておきたい。

押さえておきたいドラレコの機能:フレームレート

そもそも動画は静止画を連続して流している。その静止画が1秒間に表示される数をフレームレート(単位fps)と呼び、フレームレートが高いほど滑らかな映像となる。またLED信号の点滅周期とフレームレートが被って消灯して見えてしまうことがあるので対策されているかも選ぶ際のポイントになる。

押さえておきたいドラレコの機能:GPS搭載型

そして最近主流になってきているのがGPSを搭載したドラレコ。撮影地点はもちろんのこと、速度も測ることができてデータに記録されるので、万が一の際、より具体的な証拠になる。
また無線LAN搭載でスマホで映像を確認できるモデルもあるなど、今やドラレコはデジタル機器と言っていい。

  • トンネル出口で白飛びしていないドライブレコーダーの画像

    HDR機能をオンにした場合の画像。突然明るくなると白飛びが発生しやすいが、抑えられていることがわかる (c)セルスター工業

  • LED型の信号機

    東日本は50Hz、西日本は60Hzで点滅するLED式の信号。東日本では25fps、西日本では30fpsのフレームレートのドラレコは、信号の点滅と同調して信号が消灯していしているように記録されてしまう可能性があるため、違うフレームレートのドラレコを選ぶようにしよう

違反になることも? 取り付け方について

取り付けはDIYでも可能ではあるが、気をつけないといけない部分がいくつかある。いちばん重要なのは取り付ける位置で、フロントガラスの上端から20パーセント以内、下端から150mm以内、つまり運転時に邪魔にならない位置ではないと、道路運送車両法の違反となり6カ月以下の懲役又は30円以下の罰金となる可能性がある。

また、撮影に最適な角度や配線の取り方や取り回し、他のセンサーや機器などへの干渉など、意外に注意事項は多い。リヤカメラを付けると配線を前に持ってくるだけでもひと苦労だし、貼り付けが弱いと脱落の心配もある。自信がない人はディーラーなど、プロにお願いしたほうが確実だ。

  • ドライブレコーダーを設置している様子

    上部に取り付けることが多いが、20パーセント以内というのはわかりにくい。ルームミラーよりも上というのが目安になる。リヤについては規定はないが、視界を遮らないようにはしたい

純正組み込みのドラレコのメリットとデメリット

最近になって増えてきてたのが、クルマそのものに組み込まれているドライブレコーダー。カメラが別体にならないのでスマートだし、画像の確認もカーナビの画面で行うことができて使い勝手もいい。

ただし、今まで見てきたようにドラレコは種類が様々。純正装着だと、機能は固定されてしまうのでその点は注意したい。新車納車時に同時装着されているほうがいいけど、ある程度選びたいという場合はディーラーオプションで選ぶのもいいだろう。こちらもそのメーカーのクルマに最適化された性能のものが用意されていたりするので、安心度は高い。

  • 純正組み込みのドライブレコーダーの記録映像

    純正組み込みのドラレコは、映像をその場でカーナビの大きな画面に映し出すことができて、確認もしやすい

(文:近藤暁史 写真協力:コムテック、セルスター工業)

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