ドライブ中にクマと遭遇したらどうする?やってしまいがちなNG行動と正しい対処法
クマの出没が増えた印象が強まった昨今。2025年4〜11月の出没は4万7038件で過去最多でした。一般に11月下旬以降は冬眠時期で油断したくなる季節ですが、クマは冬眠中でも刺激で覚醒することがあるともされています。万が一の瞬間に備えて、クルマで遭遇したときのNG行動と安全な対処を整理します。
クルマでクマに遭遇したときの基本方針は?
実際に運転中に遭遇した経験のあるドライバーは、いざ目の前に現れると驚きや恐怖が先に立ち、つい「クルマを停めてスマホで撮影する」「クルマから降りて逃げる」「クラクションを鳴らして追い払おうとする」といった行動に出てしまいがちなようです。
実際はどのような行動をすべきか、いざという場合に備えて知っておきましょう。この記事では、環境省の注意点を土台にしつつ、関連情報も確認しながら、クルマでクマに遭遇したときの対処を「NG行動→なぜ危ない?→代わりに何をする?」の流れで整理し、車内でできる安全行動をまとめます。
まずは「通過できるか/進路を塞がれているか」で分ける
クルマに乗っている時にクマに遭遇した場合、最初に迷わないための判断軸はとてもシンプルです。「通過できるか/進路を塞がれているか」で対応を分けます。通過できるなら、止まらず低速でその場を離れる。進路をふさがれている、距離が近いなら、停止して車内で待機(窓は閉めてドアロック)が基本になります。
クルマは「逃げるための足」であると同時に「守ってくれるシェルター」でもあります。車外に出ない/窓を開けない/ドアロックを徹底し、急発進・急ハンドルなどの急操作は避けて、落ち着いて距離を取ります。
やってしまいがちなNG行動6つ
山道や郊外をクルマで走っていてクマを見かけたとき、いちばん大事なのは情報を残すことよりも、安全に距離を取ってその場から離れることです。つい驚くと手がスマホやクラクションに伸びがちですが、その動きが状況を悪くすることがあります。
ここでは、ついしてしまう行動を6つに絞って「なぜ危ないのか」と「代わりに何をするか」を整理します。
NG行動① 停車してスマホ撮影する
遭遇したことの驚きと興奮からスマホ撮影をする人が多いようですが、撮影に意識が向くと、クマとの距離や動きの変化に気づくのが遅れがちです。さらに問題になるのが停車する場所で、カーブや坂、道幅の狭い場所で止まると、後続車の追突など二次事故を招きやすくなります。安全確認のつもりが、交通事故のリスクを上げてしまうのです。 スマホ撮影はせず、その場から離れましょう。
記録についてはドライブレコーダー(ドラレコ)が付いている車なら映像が残る可能性が高いため、スマホに手を伸ばさず、まずは安全確保を優先しましょう。
NG行動② 車から降りて逃げる
クマが見えると反射的に車外へ出たくなるかもしれませんが、降りた瞬間に人のほうが無防備になります。距離が一気に縮まりやすく、パニックで走ったり背を向けたりすると、転倒などで危険が増えます。
まずはクルマから降りないことが基本です。窓を閉めてドアロックし、車内からクマの動きを落ち着いて観察します。クマが進路付近にいるなら、可能であればゆっくり後退して距離を取ります。周囲にクルマがいる状況ではハザードランプで注意喚起し、無理をせず落ち着いて離れましょう。
NG行動③ 近づく/食べ物やゴミを投げる(餌付け)
クマとの距離を詰めるのはもちろん危険ですが、食べ物やゴミを投げる行為は、クマに「ヒトやクルマ=エサが手に入る」と学習させてしまう恐れがあるので避けましょう。結果として、同じ場所での目撃や接近が増える要因にもなりかねません。
近づかず、何も投げず、刺激を足さないことが基本です。車内の飲食物やゴミもむやみに車外へ出さず、まずはその場から安全に離れましょう。
NG行動④ ライトの点滅で追い払おうとする
光や点滅はクマを驚かせる刺激になり、予想外の反応につながることがあります。さらに運転中は、ライト操作に意識が向くと周囲確認が薄れ、二次事故リスクも上がります。
ライトの操作を増やさずに低速で距離を取りましょう。通過できるなら止まらずその場から離れます、前にクマがいて道が塞がれているなら停止して、まずは車内待機に切り替えます。
NG行動⑤ 急発進・急ハンドルで逃げる
とっさにアクセルを踏み離れようという心境にもなりますが、急操作はスリップや接触などの事故につながりやすく、同乗者の安全も損ないます。驚いたクマが進路を変えるなど、状況が読みにくくなる点もリスクです。
クルマの急な操作を避け、低速で静かに離れましょう。周囲車両の動きも見ながら、落ち着いて距離を確保します。
NG行動⑥ クラクション連打で追い払おうとする
大きな音でクマを追い払いたくなりますが、クラクションのような強い刺激はクマを驚かせ、威嚇や突進など反応を引き出すきっかけになる場合があります。原則は、むやみに鳴らさず、刺激を足さないことが安全です。
ただし、クマがクルマに取りつくなど危険が差し迫っている場合は、身の安全を守るためにクラクションが必要になるケースもあります。状況を見て、まずは落ち着いて距離を取ることを優先します。
クマ遭遇時、車内でどう動くのが正解?
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図制作/新里陽子
遭遇したときの基本的な動きをおさらいします。「何からやるか」を固定すると、落ち着きやすくなります。
車内での基本手順
- 減速して周囲の安全を確保(後続・対向)
- ハザードランプ点灯(後続への注意喚起)
- 窓を閉め、ドアロック。車外に出ない
- 通過できるなら:止まらず低速で離脱
- 進路を塞がれたら:安全な位置で停止→車内待機
クマが接近する・車体を叩くときの対応
クマが接近/車体を叩く・揺らす場合でも、窓は開けず車内で静かに待機し、隙を見て低速でその場から離れましょう。
目撃したら何を伝える?通報で役立つ情報とは
クマを目撃したあと、安全な場所に移動できたら通報しましょう。「短く、特定しやすく」が基本です。通報先は地域で異なりますが、緊急性が高い(道路上で危険・事故につながる恐れがある)場合は110番へ。道路の危険情報として伝える目的なら、道路緊急ダイヤル「9910」も選択肢になります。
もしクマを轢いてしまったら
まずは二次事故を防ぐため、周囲の安全を確認しながら減速・停止し、ハザードランプを点灯します。クマが動いている可能性があるため、近づかない/むやみに車外へ出ないことが重要です。
そのうえで、110番(事故・危険の通報)に連絡して指示を仰ぎます。道路上の危険として共有したい場合は、道路緊急ダイヤル「9910」も活用します。車両の損傷がある場合は、落ち着いて保険会社にも連絡し、今後の対応(移動の可否、レッカーの要否)を確認します。
(文/新里陽子、編集/平木昌宏 写真:Adobe Stock)
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