人の名前!? ミニクーパーの「クーパー」ってどんな意味?

先日、BMW傘下になってから3代目、オリジナルから数えると4代目となるミニが発表になりましたが、その中でも代表的なものが「ミニクーパー」ではないでしょうか?


クルマにあまり詳しくない方にとっては、あのクルマの名前そのものが「ミニクーパー」だと勘違いされている方も多いようです。しかし、「クーパー」はあくまでグレードの名前のひとつ。今回はこのグレードについて詳しく説明しましょう。

クーパーは人の名前?

グレード名になっている「クーパー」ってどんな意味なのでしょう? これは、「クーパーカーカンパニー」というレーシングカーを手掛ける企業の名前なのです。


チャー ルズ・クーパーとその息子であるジョン・クーパーが始めたクーパーカーカンパニーは、1959年~60年にフォーミュラ1で連続ワールドチャンピオンを獲 得するなど輝かしい戦績を収めていました。しかし、サルーンカーレースではロータス車の後塵を拝していて、新たなベース車両としてミニをチョイス。チュー ニングを開始し、1962年にミニ・クーパーを世に送り出しました。


ノーマルの848ccエンジンを997ccまでアップ、ブレーキを強 化するなどし、レーシングカーのベースモデルとして販売をスタート。翌年には1071ccまで排気量をアップさせた「クーパーS」を発売。最終的には 1275ccにまで拡大され、モンテカルロラリーで3度の総合優勝を果たし、モータースポーツのステージで大活躍するホットモデルとなりました。​

ボンネットの白いライン

ミニクーパーのアイデンティティともいえる、ボンネットに走る2本の白いライン。これは元々クーパーカーカンパニーのレースカーに付けられていたもので、多くのレースカーの中から瞬時に自社のクルマが判別できるように塗られたものでした。


フォーミュラ1で優勝したマシンにもこのラインが入れられており、ブリティッシュレーシンググリーンと呼ばれる深緑の​ボディーカラーと白いストライプは、クーパーのワークスカラーでもあります。


ミニクーパーの生みの親であるジョン・クーパーは、残念ながら2000年に77歳で逝去。しかし、その後もクーパーの名前は受け継がれ、現在のミニシリーズで最もホットなモデルには「ジョン・クーパー​​・ワークス」の名前が冠されています。


ちなみに、トップ画像のミニはクーパーではなく「ミニ1000」と呼ばれるスタンダードなモデル。こういうモデルを「ミ​ニクーパー」と呼んでいる人がいた ら、ぜひ上記のウンチクを語ってみてくださいね! もしかしたら、ちょっとめんどくさい人だと思われてしまうかもしれませんが……(笑)。

(小鮒康一+ノオト)

[ガズ―編集部]