教習所では教えてくれない「暗黙のルール」

運転をしていると、教習所では教えてくれなかった「暗黙のルール」に出会うこともしばしば。特に免許取り立ての頃はそうしたルールの意味が分からず、困惑した経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。非公式だけどなぜか一般的になっている、そんな「暗黙のルール」をご紹介します。

道を譲ってもらったらハザードランプでお礼

本来ハザードランプは高速道路で緊急停止をした際や、故障でけん引されているときなどに使用するもの。「お礼」としての用途はないものですが、日本ではこの「サンキューハザード」が広く浸透しています。

 

かくいう筆者も「お礼をしなければ、失礼に当たるのではないか!?」という強迫観念に駆られ、何かにつけてチカチカッとやっていた時期もありました。特に決まりはない、ということが分かってからは、手を挙げる、会釈をするなどで気持ちを伝えるようにしています。

合流は一台ずつ入れる

合流の際は加速車線の先頭まで行って、1台ずつ入っていく、というのが一般的。地域によって差があるようですが、東京近郊では比較的このルールが守られているように思います。中には「意地でも入れさせない!」とするドライバーも見受けられますが、できることなら譲り合いの精神で紳士的な行動に努めたいもの。このルールは前述の「サンキューハザード」とセットになっていることも多いですよね。

パッシングサインのいろいろ

英語のパッシング(Passing)には「追い越し」の意味があり、本来は前方のクルマに対して「今から追い越しをするので注意してください」という合図で用いられるもの。国内では、注意喚起以外にも、何かしらの意思表示(例:「お先にどうぞ」「出てこないで」など)に使われる場面をよく目にするのではないでしょうか。

 

注意しないといけないのは、地域や人によってパッシングの受け取り方が異なるということ。相手がどういう風に捉えているのか分からないだけに、多用は考えものかもしれません。

天候の悪い日は昼間でもライト点灯

雨や霧などで視界が悪いときは、昼間でもライトを点灯させるこのルール。自分の存在を歩行者や周りのクルマに知らせるためにやっている、という方も多いのではないでしょうか。

 

初心者ドライバーだった頃は「ライトの消し忘れ?」なんて、とぼけた解釈をしていましたが、そういうことではないのだと知ったとき、大人の階段を一歩登った気がしました。

 

「暗黙のルール」とはいえ、共通認識の上で、安全運転が広まっていくなら、いつかそれが「暗黙」ではなくなるときも来​るのかもしれません。

(根岸達朗+ノオト)

[ガズ―編集部]