村だと必要ない!? 車庫証明のナゾ

「うちは田舎だから、車庫証明は必要ない! その分引いてちょうだい」
クルマを購入しようとして販売店を訪れた、私の母が発した言葉です。

車庫証明が必要ないってどういうこと? そんなことってあるの? さっそく調べてみました。

そもそも車庫証明って?

「自動車の保管場所証明」、「自動車の保管場所届出」または「軽自動車の保管場所届出」のこと(車庫証明の用途や軽自動車か否かで正式名称が違います)。警察署長に「クルマの保管場所がある」と証明してもらうことで、主にクルマの購入時に必要となる書類です。

車庫証明が必要ない地域なんてあるの?

車庫証明の取得を義務付ける法律を、「自動車の保管場所の確保等に関する法律(通称・保管場所法)」といいます。保管場所法の制定には、都市部での人口増加とクルマの普及にともない、駐車場の確保がままならず、道路を駐車場代わりに使用する人が増えたという背景があります。

路上のクルマを避けようとして起こる事故や、停められたクルマの影からの飛び出し、緊急車両が通れない等の問題が深刻化したことを受け、道路を駐車場として使用しないよう制定されました。もともと都市部での青空駐車を対策とした法律なので、人口の少ない地域では必要ない場合があるのです(お住まいの地域の車庫証明の必要有無については、地域の警察署にご確認ください)。

車庫証明って本当に必要?

車庫証明について、1台のスペースに複数台の車庫証明を申請する、実際は駐車できないのに保管場所として登録し路上に駐車する……などの問題行為を行う人がいることも指摘されています。

また、市町村の合併によって市になった「元・村」では車庫証明が必要ないなど、同じ市内でも車庫証明が必要なところと必要ない所があることについて、「不公平な制度」だという声も。

保管場所法施行から約半世紀が経ち、制定された当時と現在では、クルマと人を取り巻く環境は大きく変化しています。今一度、車庫証明について考査する時期が来ているのかもしれません。


(唐沢未夢+ノオト)

[ガズ―編集部]