自動車メーカーの国別まとめ~イタリア編~

世界の自動車メーカーを国別に見てみると、その国のクルマ文化や国民性が見えてくるもの。前回は「ドイツ車編」をお送りしましたが、第2回目となる今回はイタリアの自動車メーカーをご紹介します。

フィアット

イタリア最大の自動車メーカーであるフィアットは、イタリアの庶民が好む、オシャレで実用的なクルマを生産しています。日本へは、かわいらしいスタイリングでヒットしたコンパクトカー「500(チンクエチェント)」と、5ドアボディの「パンダ」が輸入されています。どちらも、見ても乗ってもニンマリしてしまう「癒し系」で、ファッションアイテムとしても選ばれる、デザイン性の高さが魅力的なクルマです。
FIAT

アバルト

1949年より、フィアット車ベースの競技車両やパーツの製造を行ってきたアバルト。現在はフィアット傘下となり、2007年から独自ブランドのスポーツカーやレーシングカーを生産しています。現在日本でラインナップしているのは、フィアット500のスポーツバージョンであるアバルト500と、ハイスペックな595シリーズ。どれも「かわいいのに速い」という、ほかにないキャラクターを持つクルマです。
ABARTH

アルファロメオ

1910年に創業された歴史あるメーカー。戦前は高級スポーツカーやレーシングカーで名を馳せ、現在はスポーティでエレガントなセダンやクーペ、ハッチバックを生産しています。日本で販売されているのはハッチバックの「ミト」、「ジュリエッタ」と、2シータースポーツの「4C」の3車種。古くから「官能的」と評されてきたデザインやエンジンが今も宿っています。
Alfa Romeo

フェラーリ

言わずと知れた高級スポーツカー/スポーツカーメーカーである「フェラーリ」は、現在「458イタリア」、「FF(フォー)」、「F12ベルリネッタ」など、6つの車種を中心に生産。日常的に使えるオープンモデルからグランドツーリングカー、サーキット専用車とまで、さまざまなバリエーションを誇ります。顧客の好みに合わせて、世界に1台だけのワンオフモデルを作るプログラムも用意。
Ferrari

マセラティ

アルファロメオやフェラーリとレースで戦ってきた歴史を持ち、2014年で100周年を迎えた高級スポーツカーメーカーです。現在は、2ドアの「グラントゥーリズモ」、オープンモデルの「グランカブリオ」、4ドアセダンの「ギブリ」、「クアトロポルテ」の4車種をラインナップ。スポーティでありながら、貴族的でエレガントな内外装が、ドイツ車にはないエロティックな雰囲気を醸し出しています。
MASERATI

ランチア

100年以上の歴史を持ち、「イタリアの名門」とも呼ばれるランチアは、エレガントなデザインのスポーツカーを長く生産してきました。実は現在、日本にランチアブランドのクルマは正規輸入されていません。フィアット500と基本コンポーネントを共有するランチアの「イプシロン」が、フィアット傘下のアメリカメーカー・クライスラーのバッジをつけ、「アメリカブランドのイタリア車」として販売されています。
YPSILON(CHRYSLER)

ランボルギーニ

フェラーリと並ぶスーパーカーメーカーとして知られるランボルギーニは、「ウラカン」と「アヴェンタドール」の2車種をラインナップ。どちらも、フェラーリがスマートに見えるほど、アグレッシブなデザインが与えられています。2012年には創業50周年を記念して世界限定3台、価格約4億円の「ヴェネーノ」が発表され、話題になりました。
Lamborghini

パガーニ

ランボルギーニでエンジニアリングやデザインを担当していたオラチオ・パガーニによって創業されたスーパーカーメーカーです。1999年に「ゾンダC12」を発表し、現在はその後継車である「ウアイラ」を生産。日本でも、ごく少量が販売されています。1台1台がフルオーダーのため価格は定められていませんが、基本価格は1億5000万円だとか!
PAGANI

こうして並べると、イタリアはたくさんの自動車メーカーがある国のように思えますが、アバルト、アルファロメオ、フェラーリ、マセラティ、ランチアは、現在すべてフィアットグループ。イタリアの自動車事情はフィアットが握っているといっても過言ではありません。

ドイツ車が理屈で選ぶクルマなら、イタリア車は感性で選ぶクルマ。コンパクトカーからスポーツカーまで、どんな車種でも艶やかなデザインをしているのがイタリア車の特徴だといえるでしょう。

(木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]