クルマなつかしの装備「速度警告音(キンコン)」
昔のクルマには今のクルマにはない、さまざまな装備が付いていたもの。中でも印象的な装備のひとつに挙げられるのが、一定速度を超えると鳴っていたあの「速度警告音」。高速道路などを走行中に聞いた「キンコン♪キンコン♪」という音色を覚えている方も多いのではないでしょうか。
いつの間にか無くなっていたような気がするけれど、あれってどうなったの? というわけで、クルマなつかしの装備、第1回は「速度警告音」(俗称:キンコン)をご紹介します。
速度警告音が無くなった理由は?
速度警告音は、1980年代中頃までに生産されたすべての国産車に搭載されていた装備。普通車では時速約100 km/h(軽自動車では約80 km/h)を超えると、運転者への注意喚起として、「キンコン」というチャイム音やブザー音などが鳴る仕組みになっていました。
法令上でもこの装備が義務化され、車検も警告音が鳴らないと通りませんでしたが、86年にはこの規制が撤廃。取り付けをオプション制にするメーカーも出てくる中で、いつの間にかその装備自体が姿を消していました。
撤廃の理由は、速度警告音が日本独自の規制であったために、装備が義務化されていない国外メーカーとの間に軋轢が生じたことを原因とするものや、国内に速度規制を緩和する第二東名の計画が立ち上がったことを原因とするものなど、諸説あります。
筆者は80年代の前半に、祖父が運転するマツダ・ルーチェでドライブに出掛けるのが大好きで、高速道路でこの警告音が鳴ると、無条件にお出かけ気分が昂ったことを思い出します(今考えると制限速度を超えているということなので、いいことではなかったのですけどね)。
しかし、一方で単調な警告音が「逆に眠気を誘って仕方が無かった」との声も。当時を記憶している読者の方々はどんな印象をお持ちでしょうか?
現代によみがえる“キンコン”
今やその存在すら知らないドライバーもいる中で、近年ひっそりとスマートフォンアプリとしてあの“キンコン”が復活。その名もずばり「DriveMate KingKong(ドライブメイト・キンコン)」。GPSを利用して、設定速度を超えると“キンコン”が鳴る仕組みだそう。
今は無きクルマのなつかしの装備。法改正によって無くなるものもあれば、テクノロジーの進化とともにその役目を終えた装備もありますよね。本企画で取り上げる装備について、かつての時代を知る読者の皆さまからのリクエストもお待ちしています。
(根岸達朗+ノオト)
[ガズー編集部]
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