ハイブリッド車でも「バッテリーあがり」は起こる?

真夏や真冬に起きやすいトラブルの定番といえば、「バッテリーあがり」。“チョイ乗り”が多かったり渋滞時に電装品を多く使ったりすると起きやすくなるトラブルですが、ここでふと疑問が湧いてきました。それは、「走行用の大容量バッテリーを搭載するハイブリッド車でも、バッテリーあがりは起こるのか?」ということ。

そこで、三重トヨペット・サービスアドバイザーの西川泰広さんに、ハイブリッド車のバッテリーあがりについて伺ってみました。

「プリウスやアクアを始めとしたハイブリッド車でも、バッテリーあがりは起こります。トヨタ車の場合、システムを起動する『補機バッテリー』は、走行用バッテリーと別なのです。『READY』の表示がない状態(ガソリン車でキーONの状態)でオーディオやライトを使ったり、渋滞中や停車中に電装品をたくさん使ったりすると、バッテリーあがりが起こりやすくなります」(西川さん)

補機バッテリーは、通常のガソリン車のバッテリーと同じような役割を果たしているようですね。では、補機バッテリーがあがってシステムが起動できなくなったら、どうしたらいいのでしょうか?

ハイブリッド車の補機バッテリーも“ジャンピング”で回復できる!

「通常のガソリン車と同じように、ブースターケーブルで“ジャンピング”ができます。ただし、ケーブルの端子を接続する場所が特殊なので、注意してください。トヨタ車の場合、救護用の端子がボンネットの中に設置されています。写真はプリウス(30型)ですが、車種や年式によって端子の位置が異なるので、取扱説明書で確認しておくといいでしょう」(西川さん)

この救護用端子は、“救護されるとき”にのみ使えるもの。ハイブリッド車で、ほかのクルマを救護することはできません。

「最近のモデルでは、補機バッテリーの充電が足りなくなってくると、ディスプレイにメッセージが表示されます。このメッセージを見たら、エアコンやオーディオの使用を控えて走行し、補機バッテリーを充電してください。また、補機バッテリーは2~4年で寿命を迎えますので、定期的な交換も必要です。なお、走行用バッテリーがあがってしまった場合は、無闇に触ると危険なので、ロードサービスに連絡してくださいね」(西川さん)

ハイブリッド 車もすっかり身近な存在になりましたが、身近になったからこそ知っておくべきこともあるもの。 プリウスやアクアといったハイブリッド車に乗っている人は、今一度、 取扱説明書 を見直してみるといいかもしれません。

(木谷宗義/テヌール+ノオト)

[ガズー編集部]