希少なものは数万円! カーバッジってなに?

クルマのフロントグリルについたマークのようなものを見たことがあるでしょうか? これはカーバッジと呼ばれるもので、なかには数万円するものもあるとか。今回は、カーバッジについて紹介します。

カーバッジとは?

フロントグリル(自動車前方の網目状の部分)につけるアクセサリーのひとつで、グリルバッジ、プラーク、エンブレムなどと呼ばれることもあります。さまざまな団体・個人が制作し、デザインもそれぞれ。かつて日本でもクルマメーカーが主催するカークラブが多くあり、会員の証としてクルマにカーバッジをつけることが一種のステイタスになっていたとか。愛車に取り付ける以外に、ガレージのディスプレイとして使用する人もいます。

ヴィンテージものは数万円!

精巧な造りのものや、古くて希少なものは数万円の値がつく場合も。カーバッジ専門店や雑貨屋、ネットオークションなどでも購入することができます。

左から、トヨタ自動車の同好会「JTA」、トヨタ初の大衆車・パブリカの販売店によるカークラブ「APC」、1963年の日本自動車連盟創立時から変わらないデザイン「JAF」
左から、APCの販売店の名前が変わって作られた「Tokyo Publica Club」、フィアットの販売店が愛好者を集めたクラブ「FIAT CLUB」

海外のカークラブが制作しているカーバッジも多く、ドイツならドイツ自動車連盟(ADAC)、イギリスならイギリス自動車協会(AA)とイギリス王立自動車クラブ(RAC)などがあります。

JAFの記念カーバッジ

日本で代表的なカークラブと言えば、日本自動車連盟(JAF)。通常のカーバッジのほか、大きなイベントや記念行事の開催に合わせて、さまざまな記念カーバッジを制作しています。

1964年に開催された東京オリンピックの記念カーバッジ

上の写真は、日本オリンピック委員会がJAFだけに製作承認を与えたカーバッジとして2万個限定で制作されたものです。その後も、「明治100年(1968年)」「日本万国博覧会(1970年)」「沖縄海洋博(1975年)」といった大きなイベントに合わせて制作されています。2020年に開催される東京オリンピックでもカーバッジが制作されるかも!? 要注目です。

最近見かけないのはなぜ?

通常、カーバッジはフロントグリルにネジで取り付けます。そのため、フロントグリルにネジを通せる開口部があるか、裏側にネジ止め作業が可能な空間があるかなど、取り付けることができるクルマが限られています。また、カークラブが少なくなったこともあり、カーバッジそのものが制作されていないことも理由のひとつです。

同じカーバッジをつけているクルマを見かけると、合図やあいさつをすることもあるそう。街中でカーバッジをつけているクルマを探してみると、おもしろいかもしれませんね。

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]