もしも「ロードキル」を起こしてしまったら?

道路上で発生する野生動物との事故。「ロードキル」と呼ばれるこうした事故を起こしてしまったら、どうすればいいのでしょうか? ドライバーが取るべき行動をまとめました。

一般道で野生動物に衝突した場合

まず、事故の発生を警察に連絡します。ガードレール等、その他公共物の破損や、二次的な事故が発生している場合はその旨も伝えます。

次に、衝突した動物の状態を確認します。保護施設や動物病院に連絡するなどして、専門家の指示を仰ぎましょう(搬送する場合、野生動物の治療に無償で対応している一部の保護施設や動物病院を除き、治療費を負担する必要があります)。

動物が死亡している場合は、事故が発生した場所の市役所や町役場など自治体にも連絡します。動物を道路から移動させる場合は、衛生面からマスクをし、死骸には素手で触らないようにします。

高速道路で野生動物に衝突した場合

高速道路では、NEXCO東日本管内だけでも年間約1万8千件のロードキルが発生しています。高速道路の場合は、道路内に立ち入って処置をするのは危険です。自走可能な場合は、近隣のサービスエリアなど安全な場所にクルマを移動させた上で、警察と、道路緊急ダイヤル「♯9910」に連絡をしましょう。

保険の適用について

野生動物との衝突事故では賠償責任は問えないので、基本的に単独事故扱いとなります。故にクルマの修理にかかる費用は、任意保険などで賄うことになります。

ドライバーや同乗者がケガをしてしまった場合も、単独事故なので、クルマの傷害保険(人身傷害保険や搭乗者傷害特約など)で補償されることになります。家族以外の同乗者のケガについては、対人賠償保険で補償される場合も。

動物を避けたことで対向車と接触したり、歩道を歩いている人にぶつかったりしてしまった場合は、ドライバーに損害賠償責任が生じることになることが多いそうです。クルマや自転車、ガードレールなど、物の損害であれば対物賠償保険で、人のケガであれば対人賠償保険で補償されます。

事故の状況や損害の状況、保険の種類によっては、野生動物との事故が補償されない場合もあるので、契約中の保険会社への確認が必要です。ちなみに、保険を使う際には事故証明が必要となります。その意味でも、野生動物と事故を起こした場合は、必ず警察に連絡しましょう。

ロードキルを未然に防ぐためには?

野生動物が道路上に飛び出す危険が高い道路には、ドライバーへの注意喚起のため、動物の絵柄などが書かれた黄色地の警戒標識が設置されています。遠出の際はあらかじめ、走行経路のなかにロードキルに注意すべき場所があるか確認しておくのもいいでしょう。ロードキルが多発している地域では、自治体がサイト上で情報を公開している場合もあります。また、ライトを上向きにして走行すると、動物の目が光るので、発見しやすくなります。

ロードキルは、本来動物たちが暮らしていた場所に人が道路を通したことによって発生するようになったと言われます。できるだけ事故を起こさないように心がけるとともに、動物との共生について考えていきたいものですね。

(根岸達朗+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road