なぜなくならない? 高速道路への人の立ち入り

歩行者や自転車の高速道路への立ち入りは、たびたび報道でも見かける問題だ。昨年末には首都高速道路3号渋谷線で自転車による立ち入りが発生。大型トラックとの衝突により、自転車に乗っていた25才の男性が死亡した。

ドライバーからすれば、なぜ「高速道路へ入り込んでしまうのか」と疑問に思う部分も多い。インターチェンジの入り口は明らかに一般道とは異なる形式であり、看板やその他の案内表示を見ても違いは一目瞭然なはずだ。立ち入りの実態と改善策について、NEXCO東日本に尋ねてみた。

立ち入りの理由は?

平成24年の調べでは、立ち入りの通報件数がもっとも多かったのは、都心から千葉県を結ぶ京葉道路。そこで保護または発見された人たちに聞いた中で、もっとも多かった立ち入りの理由は「道を間違えたこと」。その他、認知症など何らかの疾患を原因とするものや、クルマが故障した人が緊急電話を求めるなどして本線を歩くといった事例も。また、保護された人の約半数が60才以上の高齢者だったそうだ。

高速道路側の対策は

時速100kmで走行する中、いきなり歩行者や自転車が目の前に現れる――。そんなことがないように、立ち入りを防止するためのさまざまな対策も施されている。

例えば、人の立ち入りが発生しやすいインターチェンジ出入り口に「進入禁止」の旨を伝える看板や道路標示、物理的に遮るためのポールなどの設置を進めている。また、第三京浜道路の玉川ICには赤外線センサーを設置。歩行者や自転車などが立ち入った場合には、回転灯やサイレンなどにより警告するシステムが試行的に導入されている。

歩行者や自転車に乗る人たち、ドライバーといった当事者すべてにとって最悪かつ不幸な結末に繋がる高速道路への立ち入り。歩行者や自転車に乗る人たちには、くれぐれも高速道路に立ち入らないように注意して頂くとともに、ドライバーも“もしかしたら”と用心し、「人とクルマ」の悲惨な事故が起きないことを望む。

(カネコ・シュウヘイ+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road