「i-ROADシェアリング」を体験してみた!

近年都市部を中心に普及が進むカーシェアリング。4月10日には、都市型モビリティ「TOYOTA i-ROAD」をシェアできるサービスが「タイムズカープラス」でスタートしました。都内では初めての展開となるこのサービス、はたして利便性は? 実際に体験してきました!

Times Car PLUS TOYOTA i-ROAD Drive

期間限定の社会実験として、国内では愛知県豊田市の都市交通システム「Ha:mo(ハーモ)」に続く運用となったこのサービス。一般にカーシェアリングは貸し出し場所に返却しますが、このサービスでは有楽町イトシアの地下にあるi-ROADステーションを出発地として、東京タワー、東京ドームシティ、お台場パレットタウン、浅草雷門にある各ステーションに“乗り捨て返却”できるのが特徴です。

利用できるのは、タイムズカープラスの法人会員または、同サービスのTCPプログラム(利用状況によって獲得できるポイント制度)でステージ2以上の個人会員。8~20時の間に出発し、当日22時までに返却することが条件で、利用料金は15分412円(最大150分利用可)。タイムズカープラスのサイトから予約できます。

i-ROADとは?

i-ROADはフロント2輪、リア1輪の1人乗り超小型電気自動車。最高速度は60km/h。1回の充電で約30kmの走行が可能です。

サイズは全長2345mm、全幅870mm、全高1455mm。車両区分としてはミニカー(青ナンバー)扱いで、普通自動車免許があれば運転できます。原付バイクのように2段階右折をする必要はなく、クルマと同じ交通ルールで走行できます。

初めての利用は講習がマスト!

初めて利用する際は、30分の座学と約60分の運転講習を受けることが必須。講習は1日4回実施されていて、それぞれスタート時間が異なります(7:20/9:50/13:20/15:50)。

「ちょっと面倒くさい……?」と思われる人もいるかもしれませんが、i-ROADの動きは独特なので“慣れ”が必要。普通のクルマの運転に慣れている人は特にこの講習をしっかり受けて、運転のコツを掴みたいところです。ちなみに2回目以降の利用時はこの講習をパスすることができます。

まずは座学から

まずは有楽町イトシアのi-ROADステーションで、30分間の座学からスタート。注意事項の説明に加えて、動画なども見ながらi-ROADの概要を学んでいきます。

座学が終わったら、インストラクターの運転する専用車に乗って、運転講習の会場となる日比谷駐車場へ移動。

その際、クルマの前後を挟むようにi-ROADが走行します。路上での動き方はここで確認します。

いざ、乗車!

乗り込む際はまず、タイムズカープラスのカードをリアのセンサーにかざします。カードが認識されると電源を起動することができます。

シートの後ろにトランクスペースがあります。バッグや衣類など、ちょっとした荷物はこのスペースに入れることができます。

ハンドルの左側にシフトスイッチがあります。「R」「N」「D」の3種類しかないので、シンプルで分かりやすいですね。

シフトスイッチの下にはUSB端子が付いています。さらにその下には、カード類や携帯電話などを収納できる小さなダッシュボードがあります。もちろん、運転中の携帯電話の使用はご法度です。

ハンドルの右側にはハザードスイッチと、曇り止めのHWDスイッチが付いています。曇り止めの効果があるのは前面ウィンドウのみです。

サイドウィンドウは手動です。ウィンドウを閉めるときは、マグネット式のベルトで固定します。ここは意外とアナログな仕様ですね。

足下の一番左側にペダル式のパーキングブレーキがあります。このあたりは普通のクルマの運転に慣れていれば問題なく扱えるところでしょう。

講習スタート

インストラクターの指導の下、パイロン走行や駐停車などみっちり60分間、走行練習を行います。講習中は車内のトランシーバーから指示が出るので、それに従って走行します。

i-ROADは後輪駆動で、曲がる際はバイクのように車体が斜めに傾くのが特徴。ボディはスリムなので小回りが利きますが、早めのハンドル操作がポイントとなっています。

そして、路上へ

インストラクターの運転するi-ROADを先頭に皇居周辺を走行します。

交通量の多いエリアですが、i-ROADは十分に加速力もあり、制動性も高いので、大通りを原付バイクで走行するような怖さはまったくありません。むしろかなり快適。そして、楽しいです!

路上講習の後はフリータイム。時間と充電の許す限り、自由にドライブを楽しめます。

ただ、i-ROADを街中で走らせていると、非常に目立ちます。筆者は特に信号待ちで停車しているときに、通行人や外国人観光客などからの視線をかなり感じました(笑)。

街中のドライブを楽しんだら、充電スタンドのあるi-ROADステーションに返却します。スタート時と同様にタイムズカープラスのカードをセンサーにかざして終了となります。

充電・返却できる場所が限られているため、街中の移動手段としての実用性の向上はこれからの課題といったところ。ただ、新世代の都市型モビリティとしてのi-ROADを運転する楽しさは、十二分に体感できるサービスと言えるのではないでしょうか。

9月末日までの期間限定となるこのサービス。現時点では土日を中心に予約が埋まっている状況ですが、気になる人はサイトで今後の空き状況をチェックして利用してみてください。

(根岸達朗+ノオト)

[ガズー編集部]