【入門編】ランフラットタイヤってなに?

タイヤのパンクはクルマのトラブルの定番。どんなにタイヤの性能が上がっても、ガラス片や釘が刺さってしまってはパンクを防ぐことはできません。そこで開発されたのが「ランフラットタイヤ」です。

ランフラットライヤとは

ランフラットタイヤとは、パンクなどで空気圧がゼロになっても、所定の条件下ならそのまま走ることができるタイヤのこと。もしもタイヤにトラブルが起きても、タイヤ交換をすることなく、工場などへクルマを持ち込むことができます。

ランフラットタイヤの仕組みは?

一般的なランフラットタイヤの仕組みは、タイヤのサイドウォール(側壁)を補強することで、空気圧が低下しても“たわみ”を起こさず、そのまま走れるというもの。でも、いつまでもそのまま走っていられるわけではなく、「80km/h以下のスピードで80km以内まで」などと、空気圧ゼロで走行できる条件が定められています。

「空気圧がゼロになっても走れるなら、パンクに気付かないのでは?」と思った方もいるでしょう。実際、ランフラットタイヤでパンクしても、多くのドライバーは気付きません。そこで、ランフラットタイヤ装着車には、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS・タイヤ空気圧監視システム)が装備されます。警告が出たら、パンクの可能性がある、とうことですね。

なお、ランフラットタイヤは、一度空気圧が低下した状態で走行すると、ランフラットタイヤとしての性能は損なわれてしまうため、パンク修理はできず、新品交換が必要となります。

デメリットもあるゆえに装着車は多くない

ランフラットタイヤは、1970年にダンロップが世界で初めて実用化。普及が始まったのは2000年代に入ってからですが、普通のタイヤに比べて高価であることや、サイドウォールを補強する(=固くなる)ことから乗り心地が悪くなることなど、デメリットもあるため、装着車はまだ多くはありません。

とはいえ、BMWやメルセデス・ベンツでは、すでに多くの車種にランフラットタイヤが標準装着されていますし、日本では2014年にモデルチェンジした日産・スカイラインに全車標準装着されました。レクサス・LSやISにもオプション設定されています。これから、ランフラットタイヤ装着車が増えていくことは間違いないでしょう。

ランフラットタイヤに交換することはできる?

自分のクルマのタイヤをランフラットタイヤに交換することは、不可能ではありません。ただし、ランフラットタイヤは組み込めるホイールが限られているほか、前述のタイヤ・プレッシャー・モニタリング・システムが必要となるなど、注意が必要です。標準装着車が増えていくことに期待したいですね。

クルマ好きでない限り、日ごろからタイヤに注目している人は少ないでしょう。でも、クルマとともにタイヤもどんどん進化しています。たまにタイヤメーカーのホームページも見てみると、新しい発見があって勉強になりますよ!

(木谷宗義/テヌール+ノオト)

[ガズー編集部]