86TRDコンプリートカー! 14R-60の1号車オーナーを直撃インタビュー

TOYOTA 86をベースにトヨタテクノクラフト(TRD)がカスタマイズを施したコンプリートカー「14R-60」。100台限定で発売され、純レーシングカーと言っても過言ではない作り込みや、税込630万円という価格、ウェブでの事前商談申し込みが必要な独特な販売方法などが、大いに話題になりました(すでに販売は終了)。

山梨県在住の山﨑瑞穂さんは、その14R-60を手に入れたオーナーの1人。なんと、クルマのシリアルナンバーは「001/100」。そうです! 山﨑さんは14R-60、1 号車のオーナーなのです。購入のいきさつや納車後の感想を伺うために、山﨑さんにインタビューしました。

​高性能実験車両「Griffon Concept」の技術をフィードバックし開発した14R-60。山﨑さんの愛車のナンバーはもちろん……「1460」!
シフトレバーの後ろにはシリアルナンバーを配したカーボンパネルが。大きな「001」の数字が誇らしげ

――14R-60 001購入のいきさつを教えていただけますか?

「去年の『Fuji 86 Style with BRZ 2014』で発売前の実車(当時は86 TRD Track Edition)を見て、購入を決意しました。もともとTRDが開発したGriffon Concept(TRDの研究開発車両)が大好きで、その直系モデルというのが購入を決めた大きな理由です。100台限定と聞いていたので絶対手に入れようと思い、商談申し込みスタート前からパソコンの前で待ち、申込みをしたところ受付番号『0001』のメールをもらいました」(山崎さん)

――そのときに、1号車が納車されるかも……と思いました?

「ひょっとしたら、とは思いました。なので急いで販売店(ネッツトヨタスルガ)と契約して……でもまさか、本当にシリアルナンバー001が来るとは。うれしかったですね」

――1号車について、まわりの反応はどうですか?

「TOYOTA 86オーナーが集まる場所での注目度は高いですね。以前参加したミーティングでは、クルマのまわりを囲まれました(笑)。誰かがシリアルナンバーを見つけるとさらに多くの人が集まって来るような感じです。窓越しにシリアルナンバーを撮られたこともありますが、最近は落ち着いてきましたね」

――実際に14R-60を所有してみてどうですか?

「カナードやダクトの付いたボンネット、ワイドボディやカーボンルーフなど、普通のクルマにはないデザインがお気に入りです。フェンダー後端のタイヤがハミ出ているように見える処理も好きです。フロントタイヤで踏んだ石がミラーに当たることもあり、このクルマならではだなあ、と思います」

フェンダーの後ろ側がレーシングカーのように途中でカットされている。山﨑さんお気に入りのポイント
軽さに優れる専用デザインのカーボンルーフもお気に入り。国産車ではなかなか見かけない装備

――実際に乗った感想を教えてください。

「普段は近場のドライブが中心でなかなか走行距離が伸びなかったのですが、今年のゴールデンウィークには実家のある宮崎と山梨を往復。現在の走行距離は約6000kmです。標準の86に乗ったこともあるのですが、乗り味の特徴は全然違いますね。14R-60の方は、ステアリングを切ったと同時に食いついて曲がる感じです」

――話題のモノブロックタイプのブレーキやリヤウイングの効果も気になるところです。

「ブレーキ性能の良さは乗ったらすぐにわかりました。必要な時に必要な量だけ効かせることができます。リヤウイングについては、まだサーキットを走ったことがないのでどれだけ利いているのかわかりませんが……。ただ、高速を走ったときにリヤが安定していたので、イイ感じだと思いますよ」

――14R-60といえば、高額な車両価格も話題になりましたが、満足度は高そうですね。

「確かに価格は高いですが、チューニングの内容を考えたら安いと思います。標準の86に同じことをしようとしても難しい部分もあるかもしれませんし、金額的にも厳しいかなと思います。Griffon Conceptに憧れて14R-60を購入したので、少しでも近づけられるように、今後は外観のチューニングや軽量化にトライしたいですね」

近々富士スピードウェイでのサーキットデビューを検討しているという山﨑さん。いずれは筑波サーキットも走りたいと熱く語ってくれました。

「屋根付きガレージで保管するほど大切にしています。ずっとこのクルマに乗り続けたいですね」とのこと。山崎さんと14R-60の濃密なカーライフは、まだ始まったばかりです。

(奥野大志+ノオト)

[ガズー編集部]