入口と内部で明るさが違う!? トンネル照明のヒミツ

高速道路のトンネル内に設置されている照明。実はさまざまな工夫がされているのを知っていますか? 東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)関東支社に話を伺いました。

――トンネル内の照明にはいろいろな工夫がされていると聞いたのですが?

「実は、トンネルの入口と内部で明るさを変えています。人は、明るいところから暗いところに急に行くと目が暗さに慣れず、トンネル内部の景色がよく見えないことがあるのです。このことをブラックホール現象と言います。高速道路では、入口から300m程度は、内部に向かって少しずつ照明を暗くし、暗さに慣れやすくしています」

――それは今まで気が付きませんでした……!

「つまり入口の方が明るくしてあるんですね。トンネル照明は大きく分けて基本照明と入口照明の2つがあり、基本照明はトンネルの最初から最後まで等間隔で設置されているのですが、入口から300m程度までは、基本照明の間に追加で入口照明を設置し、明るくしています」

――そういえば、トンネルによって照明の色が違う気がするのですが……?

「クルマや光源の進化とともに、トンネル照明も変遷を遂げています。昭和50年代は、『ナトリウムランプ』を使用していました。排気ガスや塵の影響を受けにくいのが特徴です。その後、クルマの性能向上により排気ガスが以前と比べてきれいになったことと、少な電力で明るく光る効率の良い光源が開発されたことで、1999年より『Hf蛍光ランプ』、2009年より『セラミックメタルハライドランプ』を採用しました。現在は家庭でも普及しつつある『LEDランプ』を採用しています。Hf蛍光ランプ以降は、白色で自然光に近い色です。トンネル内の照明は24時間点灯させなければならないため、少しでも使用する電力を減らす光源を選んでいます」

技術の進歩とともに、トンネルも進化を続けているんですね。今度トンネルを走行する時は、少しだけ照明を意識してみるとおもしろいかもしれません。

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力

MORIZO on the Road