鈴鹿&富士スピードウェイ近く! サーキット観戦にオススメの温泉

クルマで走っているとよく「天然温泉」というのぼりを見かけます。住宅街やかなり大都市の中心部にもあって「ここにも温泉?」と嬉しさ半分で相変わらず驚いてしまうものです。もちろん由緒正しい温泉に行くのも格別に気分が盛り上がるものですが、普段の移動の中で思いがけず「いい湯」に巡り会えるというのも良いのではないでしょうか。

特にクルマも温泉も大好きな筆者は、サーキットにイベントやレース観戦でいく際「身を清める」かのように、道中必ずと言ってよいほど、温泉に立ち寄ります。あの熱気につつまれたクルマの祭典、そこへ向かう道中では、大地の恵み温泉に浸ることで、観戦するだけではあるもののパワーをもらえるような気がするのです。また帰途に、感動を噛み締め、ふたたび温泉に入りゆっくりと余韻に浸るのもまた大好きな時間。

今回は、日本を代表する三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットと静岡県駿東郡にある富士スピードウェイに行った際、ぜひ立ち寄っていただきたい温泉をご紹介しようと思います。

そもそも「温泉」がある鈴鹿サーキット

新東名高速道路、伊勢湾岸自動車道ができたことで、格段にアクセスの良くなった鈴鹿サーキット。最近では出かける機会もかなり増えました。鈴鹿サーキットに関しては実は施設内にクア・ガーデンがあって温泉に入ることができるのです。

そんなに重くはない入り心地は、湯あたりなどもしにくく、日帰りでの観戦で立ち寄ってもよい泉質だと思います。しかし、レース終了後は洗い場がかなり混み合って並ぶようなことも。芋洗い状態はまさにこのこと!そんな状況になることも少なくありません。ですが、駐車場に向かう途中で「クア・ガーデン」の案内を目撃すると「温泉に入らないで帰るわけにはいかない」という気分になるものです。
宿泊もできますが、立ち寄り温泉の施設とは思えない雰囲気。まるで高原の美術館にでも来たような感覚になるでしょう。

クア・ガーデン
http://www.suzukacircuit.jp/kurgarden_s/

あわせて、ぜひ足を伸ばして立ち寄っていただきたい温泉が、三重県四日市市から少し山の方に入った、湯の山温泉の「アクア×イグニス」です。

ここは源泉掛け流し、循環・加水・加温をしていないクリアなお湯が魅力。その泉質もさることながら、まるで美術館のような空間もポイント。以前行って忘れられないのが、男性浴室にある、竹林が設けられた露天風呂。気持ちのいい湯に浸りながら、サワサワという音と揺れる竹の葉を見ていると「露天風呂に入浴すること」さえデザインされているかのよう。温泉ファンならずとも、一度訪れてみてほしい施設です。

鈴鹿サーキットから23号線の渋滞を避け、もっと山側の道を通ってもアクセス可能。名古屋方面に行かれる方にも、伊勢湾岸自動車道を途中から利用して東京方面に行かれる方にも比較的好都合な立地ですよ。

アクア×イグニス
https://aquaignis.jp/

鈴鹿の朝は早い! 「オートレストラン長島」なら清めの朝風呂も可能!

「23号線を走っていればこれが見えてきます」とだけ申し上げれば、行ったことある方ならおわかりいただけることでしょう。

伊勢湾岸自動車道を通らず、国道23号線を進んで鈴鹿サーキット(伊勢神宮・関西方面)を目指すと、コテコテのドライブインが目に入ります。それは尻込みするほどに昭和な雰囲気。そろそろ休憩をしようかなと思う頃にこれが出てくると、逆に入るのをためらってしまうほどのインパクトなのですが、中身はいわゆるドライブイン。簡単な食事のほか、ゲームセンターもあります。こちらには、立ち寄り入浴ができるお風呂もあります。しかも、ジャンキーでキャッチーな外観とは裏腹に、全体的にかなりしっかりとしているドライブインなのです。

香りもいい温泉は、湯量豊富な毎分1200。ただし、そんな大きなクアハウスではなく、場内に足を伸ばして休憩するようなスペースはありません。また、施設としては24時間営業ですが、温泉施設は朝7時から10時までは清掃時間のため入れません。ゆっくりしたい人は同じ敷地にクアハウスもあるので、時間帯によってはそちらの施設を利用しましょう。

また入浴後に、豚汁定食はいかがでしょうか? 正統派ドライブインらしく、いまどき珍しい豚汁、タマゴ、コロッケというシンプルな布陣の豚汁定食が食べられます。ぜひ鈴鹿詣の際に立ち寄ってみては。

富士の裾野に位置する「富士スピードウェイ」は東洋のスパ・フランコルシャン?

温泉をスパと呼ぶ語源となった、ベルギーの温泉保養地スパ。お隣のフランコルシャンとの間にまたがるスパフランコルシャンサーキットは有名ですね。スパほどの“保養地”というわけでもないかもしれませんが、富士の裾野、箱根にもほど近い富士スピードウェイエリアにも魅力的な温泉がたくさんあります。

その中でもぜひご紹介しておきたい温泉のひとつが須走温泉「天恵」です。

場所は、富士スピードウェイから東名高速とは逆の方向、籠坂峠山中湖方面に進んだ途中にあります。朝風呂に入ることができるほか、富士スピードウェイからクルマでおよそ15分という距離。温泉はpH9.7という、しっかりアルカリ性。疲労回復にも効果的だと思います。サーキット中を歩き回り疲れた体を癒すのにはもってこいではないでしょうか。

須走温泉 天恵
http://www.tokinosumika.com/tenkei/

東名の渋滞回避にもオススメの御殿場市温泉会館!

ここは、東海地方以西などに出かけた際にもしばしば立ち寄っております。上の「天恵」とは違って、箱根側の斜面から御殿場市内を見下ろすように建つ温泉施設。御殿場インターから5分ほど。箱根に上がっていく途中にあるのが御殿場市温泉会館です。乙女峠に湧きいずる3つの源泉をブレンドしたお湯のため、湯量も豊富。

最先端の日帰り温泉施設ではないものの、地元の人がこよなく愛する公共の湯と言った風情。畳敷きの広間でゆっくり休憩もできます。また、温泉に浸して作られた温泉卵は火の入りが絶妙。ぜひとも食べておきたいものです。この温泉卵は、殻入れ、塩と一緒に入口の受付で購入できます。
比較的天候の変わりやすい山の中にある富士スピードウェイは比較的、体が冷えがちなサーキット。だからこそ、体を温めてからゆっくり帰られてはいかがでしょうか。

御殿場市温泉会館
http://gotemba-onsen.jp/

いずれの温泉も、気軽に立ち寄れて、貴重な休日を有意義な時間に変えてくれるという意味では、名湯と呼んでも差し支えないのかもしれません。サーキットへの観戦ついでに名湯に立ち寄れば、きっと贅沢な一日となることでしょう。

(中込健太郎+ノオト)

[ガズー編集部]