【イベントレポート】クラシックカー・フェスティバルin神宮外苑

東京都新宿区・神宮外苑のイチョウ並木が色づくこの時期に行われる「2015 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」が11月28日(土)に今年も行われました。旧車イベントは数あれど、トヨタ博物館が所蔵する歴史的にも価値のある車両が展示されたり、参加車両がパレードランを実施することで人気の高いイベントです。今回は「引き算で合理性を求めたクルマたち」をテーマに、豪華装備を追加した「足し算」ではなく、小型軽量、省装備の「引き算」で新たな価値を求めたクルマが展示されていました。

およそ100年前のクルマが走る!

今回のデモランの目玉車種といえるのがコチラ。これはアメリカのフランクリンという自動車メーカーが生産した「フランクリン・シリーズ9」というクルマで、なんと今から約100年前の1918年式というからビックリ。搭載されるエンジンは空冷式の直列6気筒OHVエンジンで、当時珍しかった2列シートのロードスター(オープン)ボディのモデル。従来モデルよりも小型化され、180kgもの軽量化がなされています。

羽のように軽い「フライングフェザー」

個性的なルックスが目を引くこの車両は、日本の車体メーカー住江製作所が1954年に発表した「フライングフェザー」というクルマ(写真は1955年式)。当時の軽自動車の規格で作られた同車は、極限まで簡素化された作りが最大の特徴で、オーディオはもちろんヒーターもなく、ブレーキもリアのみというもの。そのあまりにも簡素化された装備のため販売は芳しくなく、市販車は50台未満しか生産されなかった悲運のモデルです。

もちろん一般展示車両も盛りだくさん!

イベント参加車両はトヨタ博物館の車両だけではなく、一般オーナーの車両も多数展示されています。その展示車両の一部をご紹介いたします。

日本が誇るクラシックカーといえばやはりトヨタ・2000GTですね! 当日も多くの来場者が足を止めて見入っている姿が見られました。

今はトラックメーカーとして有名な日野が生産していたコンテッサ。ジョバンニ・ミケロッティがデザインしたボディは今見ても美しいですね。

ルノー・8のエンジンやサスペンションを流用し、FRP製の軽量なボディを被せたアルピーヌ・A110は、その高いポテンシャルでラリー界を席巻しました。

某漫画の影響でいまだに高い人気を誇るAE86型スプリンタートレノも立派なクラシックカー。同一型式でもレビンとトレノ、3ドアと2ドア、1500ccと1600ccと多彩なバリエーションがありました。

写真で参加車両の情報はお伝えできますが、実際に走っているときのサウンドや旧車独特の匂いなどは現地に行かないと感じることができません。来年はぜひ神宮外苑に足を運んでみてはいかがでしょうか?

(小鮒康一+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力