23年間ありがとう! ランサーエボリューションの歴史
惜しまれつつも2015年で販売を終了した三菱・ランサーエボリューション。メインステージであったラリーはもちろん、サーキットやドリフト競技、そしてストリートでも多くのインパクトを残し続けてきた「ランエボ」の歴史を振り返ります。
ランサーエボリューション(CD9A) 1992年
初代ランサーエボリューションが登場したのは1992年のこと。コンパクトセダンのランサーに、上級車種であるギャランのターボエンジンと4WDシステムをねじ込み登場しました。当初は2500台限定でしたが、反響がすさまじく、最終的には7600台を販売 するに至りました。
ランサーエボリューションⅡ(CE9A) 1994年
ランサーエボリューションⅡになり、外観こそ大きな変化はありませんでしたが、最高出力は10PSアップの260PSになり、サスペンション各部の見直しやホイールベースの延長、機械式リアLSDの採用など、確実にポテンシャルアップを果たしています。
ランサーエボリューションⅢ(CE9A) 1995年
翌1995年にはランサーエボリューションⅢへと進化。基本ボディは共通ながらエアロパーツを全てデザインし直し、ハイスピードラリーに対応を果たし、1996年には当時のワークスドライバーのトミ・マキネンがWRCでドライバーズタイトルを獲得しました。
ランサーエボリューションⅣ(CN9A) 1996年
ここで、ベースとなったランサーセダンがフルモデルチェンジを果たし、ランサーエボリューションも第2世代へと突入。エンジンは当時の自主規制値いっぱいとなる280PSを発生し、リアデフには現在まで採用され続けているAYC(アクティブ・ヨー・コントロールシステム)が初搭載されました。
ランサーエボリューションⅤ(CP9A) 1998年
従来の5ナンバーサイズから、ついに3ナンバーサイズへとサイズアップし、17インチタイヤの採用やブレーキの容量アップを実現。サイズアップをしながらもアルミ製部品などを多用し、動力性能やボディ剛性をアップさせながら軽量化も果たしています。
ランサーエボリューションⅥ(CP9A) 1999年
ランエボⅥでは、空気抵抗や冷却性能の改善を目的として、ナンバープレートの位置を中央から左側に移動し、よりアグレッシブな外観へと変貌。2000年には当時のワークスドライバー、トミ・マキネンの4年連続ドライバーズチャンピオン獲得を記念し、特別仕様車の「トミ・マキネンエディション」を発売。通称「ランエボ6.5」と呼ばれ、現在でも高い人気を誇ります。
ランサーエボリューションⅦ(CT9A) 2001年
2000年のランサーのフルモデルチェンジに伴い、2001年に登場したランエボⅦは3世代目のボディを手に入れます。外観こそ若干大人しめになったものの、新たに搭載されたACD(アクティブ・センター・デファレンシャルシステム)などにより、ポテンシャルは確実にアップしています。
ランサーエボリューションⅧ(CT9A) 2003年
8代目となるランエボⅧでは、従来のAYCを進化させた「スーパーAYC」を搭載し、さらにコーナリング性能をアップ。さらにミッションの6速化(一部グレードには5速も有)も果たしました。また、翌年には「MR(Mitsubishi Racing)」を冠した改良型が発売されました。
ランサーエボリューションⅨ(CT9A) 2005年
第3世代の最後となったランエボⅨは、エンジンに可変バルブタイミング機構である「MIVEC」を初採用。初代から搭載され続けていた4G63エンジンも熟成を重ね、最大トルクは40.8kgf・mを誇ります。翌2006年には、先代に引き続き「MR」が登場。第3世代を締めくくりました。
ランサーエボリューションⅩ(CZ4A) 2007年
第4世代かつ、最後のランサーエボリューションとなったランエボⅩは、従来の4G63エンジンから新たに4B11エンジンへと変更となり、最終型はついに300PSを発生するに至りました。組み合わされるミッションも従来の3ペダルMTに加え、2ペダルMTの「ツインクラッチSST」を採用。さらに幅広いユーザーが楽しめるようになりました。
その他の「ランエボ」たち
ランエボと言えばセダンのイメージが強いと思いますが、実はランエボⅨにワゴンの設定もあったのです。これは当時販売していたランサーワゴンにランサーエボリューションのコンポーネントを移植……したものではなく、なんと、セダンボディのランエボⅨをベースにワゴンのボディを結合したものなのです。
いかがでしょうか? 23年にも渡り進化を続けてきたランサーエボリューション。残念ながらメーカーから新型の声は聞こえてきませんが、またいつか会える日を信じて待ちたいと思います!
(小鮒康一+ノオト)
[ガズー編集部]
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