【クルマ好きが集まるスポット】GT.CAFE(静岡県沼津)
たまのお休み、愛車と一緒にドライブ。景色の良いところで、少しのんびりお昼ご飯かアフタヌーンティーをして帰ってくる。そんなドライブはいいものですね。
クルマがあるからリフレッシュできる、クルマがあるから頑張れる。クルマ好きの人というのは多かれ少なかれ精神的なよりどころとしてクルマをとらえている人も少なくないのでは。そう考えると、あまり体力的にも負担が大きくなく、かといって毎日のように通る日常とも違う、そんな場所に出かけるというのは実にいいクルマとの距離感と言えるかもしれません。
かく言う筆者も、常々そんな場所を探しています。クルマでターッと走って、海でも眺めながら食事ができるところはないだろうか。できれば、クルマでこそ行きたくなるようなお店がいいのだけれど。取材の帰りなどにも寄れますしね。
俊足パフォーマンスとしなやかな足回りのプジョー308のおかげか、東京都から静岡県の沼津まで「こんなに近いのか」と思わせられた。駿河湾に沿って走ると、ほどなくして目的地「GT.CAFE」に到着。
そんなときに、駿河湾を望む場所にある民家を改装したカフェ「GT.CAFE」のことを教えてもらいました。沼津インターで下りて市内を横断、伊豆半島の付け根あたりに位置しています。その名前からもわかる通り、オーナーはクルマ好き。仲間の集う場所になれば、という思いでお店を始められたのだとか。
お店を始めるにあたり最初に見つけた物件は、沼津からは片道一時間半を要する熱川。当初は「通勤を口実に朝ツーリングエクストリーム出勤」を楽しんでいたそうなのですが、お仕事で毎日となるとかなり負担も大きかったのだそう。そこで、家から通いやすい現在の場所に移られたのだそうです。
こんなエピソードが飛び出すあたり、早速「好感の持てるカーガイ」であることは明白と言えるのではないでしょうか。(本当、クルマ好きは都合良い名目をまず見つけるのですが、勇みすぎて長続きしないことってありますよね。私も覚えがありますし、クルマ好きな皆さんにも心当たりあるのではないでしょうか)
民家を改装した外観は、一見カフェとはわかりにくい。しかしお店の前に停まっているクルマたちがその存在を教えてくれるだろう。この日はチェンバレン・ミニとスバル・360がお出迎え。
民家のように靴を脱ぐスタイル。ドライブの途中で靴を脱いでくつろげるというのも、常連さんから好評なのだとか。
到着するとすでに午後。冬の足音が聴こえるころでしたので、すでに西日が射していました。西伊豆から駿河湾の彼方に沈み行く太陽。ここでゆったりと海を眺めているだけでもおおらかな気持ちになり、リフレッシュできそうな環境です。せっかく来たので、少し遅めのお昼ご飯を頂くことにしました。
店内には自動車の写真が一杯。お客様の多くが同じクルマ好きだということもあり、仲間を大事にするオーナーの人柄がうかがえる。
メニューを見ると目移りしそうな充実ぶりです。今回は名物「GTオムライス・ハイブリッド」をいただくことにしました。“GT”と“ハイブリッド”という今時のグランツーリズモを想像させる2大キーワードを冠したオムライス。何がハイブリッドなのでしょうか? オムライスは個人的にも目がないのでとても楽しみですね。
西日もまぶしい駿河湾が一望できる店内。この景色もオーナーの自慢の一つだ。
しばらくすると、テラス席まで運ばれて来たのは大きなオムライス。歳も歳なので野菜がたっぷり盛られているのはうれしい限りです。そして早速食べ進めると、しっかり焼き上げられたタマゴの中からチキンライスが登場! 見た目がかなりキャッチーなので「にぎやかし前提」なのかと一瞬思ったりもしたのですが、なかなかしっかり作り込まれています。
まずこのチキンライス、「炒めたケチャップご飯」にあらず。シンプルな具ながらトマトジュースやスープなどで炊き上げられている正統派です。ボリュームはアップしますが、ケチャップで炒めるとご飯がベチャッとしてしまいがち。しかし、しっかり炊き上げられているので、くどすぎず、しっかり旨味がご飯にしみ込んでいます。そしてお店の方に教えていた通り、途中でちょっとスプーンを置いてみると……「なるほど!」これは確かに一皿で2度おいしいハイブリッドオムライスであります! どんなところがハイブリッドかは、ぜひお店で体験してみてください。
大ぶりのオムライスにはケチャップで「GT.CAFE」の文字が。キャッチーな出で立ちながら、かなり王道の味が楽しめるオムライスだ。
食後は一杯一杯落としてくれるコーヒーで、さらにゆったりとした時間を過ごしました。そんな風にしていると、駿河湾の向こうに太陽が沈んでいきます。なるほど、座っていたテラス席がオーナーイチオシの駿河湾一望ポイントだということがわかります。
最高のサンセット。刻一刻と変化する風景は、ある意味目が離せない。
ここにはお休みともなると、クルマ好きが三々五々集います。また新しいクルマ好きのお友達ができるかもしれません。さらにWi-Fi完備も嬉しいところです。
首都圏からもちょっといいドライブの距離ですし、新東名で来れるので、名古屋、関西方面から東京にお出かけの際に、ちょっと沼津に寄り道というのもいいでしょう。清水と西伊豆・土肥の間は駿河湾フェリーで、という旅程も面白いかもしれません。
いずれにせよ、沼津にいいところを見つけてしまいました。また訪れてみたいと思います。
お菓子とモチュールのエンジンオイルが置かれていたりするあたりにも、いい意味でここが「カーガイのたまり場」であることを感じさせる。ちなみにこのモチュール「2ストローク用」だ。
レジの横で販売中の干物は、魚を直接仕入れて、オーナー自ら仕込んでいるのだそう。商売として考えると全く割に合わない手間がかかるものの、常連さんに根強いファンが多くやめられないのだそうだ。
初めて来たのに、まるでずっと昔からなじみのある場所。自分の部屋か、親友の部屋にでも遊びに来たような落ち着いた雰囲気なのは不思議だ。
<取材協力>
GT.CAFE
プジョー・308(プジョー・シトロエン・ジャポン)http://www.peugeot.co.jp/models/car-selector/308.html
(中込健太郎+ノオト)
[ガズー編集部]
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