織田信長がGT-Rに!? トミカ武将コレクション

もしも武将がトミカになったら……そんなコンセプトで発売される「トミカ武将コレクション」。第1弾の真田幸村トミカからスタートし、全6種類を1年かけて発売するというトミカ史上初の試みです。
いままでにないコンセプトで発売されるトミカの謎を探るべく、タカラトミー本社へ取材してきました。

第一弾は1月発売の真田幸村トミカ。専用ディスプレイボックス付きで1,200円(税抜)です。
これ以降の商品は通常トミカパッケージサイズで600円(税抜)。奇数月に発売されます。

 

真田幸村トミカのパッケージと中身。車種はスバル・WRX STI Type Sです。真田の赤備えをイメージし、家紋(六文銭)のついた甲冑をデザインしています。

今回お話をお伺いしたのは、株式会社タカラトミー トミカ企画部の岸田敬さんです。

――「武将をクルマにする」というコンセプトはどこから生まれたのでしょうか?

今回の「トミカ武将コレクション」は、はじめての書籍流通限定商品です。トミカは基本、子どものおもちゃですが、ここ数年は子ども以外の幅広い層に向けた新たな商品を企画しています。おもちゃ屋さん以外の接点ということで、書店に来られる方に喜んでもらえる商品ってなんだろう? と考えた末に、「武将をイメージしたトミカ」というアイデアが生まれました。
1年かけて集める、というのも初めての試みです。

3月発売の織田信長トミカ。車種は信長の勢いをイメージして日産・GT-R。信長が発行した印「天下布武」の文字と、旗印の永楽通宝をデザインしています。

5月発売の上杉謙信トミカ。車種は新潟の隣県、富山に本社のある光岡のオロチ。頭巾の白をベースカラーとし、毘沙門の毘をデザインしています。

――おもちゃ屋さんでは販売しないんですか?
はい、書店さんのみでの販売です。

――各武将と車種・デザインの組み合わせは、どのように決められたんですか?
武将のイメージに合う車種だったり、出身地とその自動車メーカーが近いところなどで選んでいます。あくまで武将をイメージしてですが、甲冑や家紋などをあしらい武将らしさが出せるようデザインしました。

7月発売の豊臣秀吉トミカ。車種は日産・フェアレディZ ロードスター。秀吉が好んだとされる金色をベースに、家紋の桐をデザインしています。

9月発売の武田信玄トミカ。車種は三菱・ランサーエボリューションX。家紋の武田菱(四割菱)と風林火山の軍旗の文字をデザインしています。

――こだわりのポイント、苦労した点はどのようなところですか?
どうやったら武将っぽいイメージが伝わるか、車種の選定とデザインに苦労しました。通常のトミカは450円、大人向けの「トミカプレミアム」は800~900円なので、その中間の600円で設定しています。普段トミカを買わない方にも手に取りやすい価格にしました。

――どういう人に買ってほしいですか?
子どものころ遊んでいたけど今はトミカと離れてしまった方や、クルマと歴史が好きなご年配の方にご購入いただけるとうれしいですね。全体でいうとトミカで遊んでいるのは95%が男の子~男性なんです。最近は歴女(歴史好きの女性)も増えているので、今までトミカを持っていなかった方などにもおすすめしたいですね。

11月発売の徳川家康トミカ。車種は、将軍=王道をイメージしてトヨタ・クラウンアスリート。家紋の三つ葉葵と、特徴ある甲冑をデザインしています。

6種類すべて揃うと、こんな感じになります。

――次のシリーズはもう考えているんですか?
今回の売れ行きをみつつ、次の企画を考えたいと思いますが、いくつか案はあります。書店に来られる方にはどういう切り口がいいのか? クルマ以外の要素と掛け合わせた商品で、新たなトミカファンが増えていけばいいなと思っています。

子どものころ遊んだ記憶はあるものの、最近は手にしていなかったトミカ。実物を見るとやはり欲しくなりますね。おもちゃ屋さんではなく書店での販売なので、大人も買いやすいのではないでしょうか。今回は「武将×トミカ」という斬新な組み合わせでしたが、また新たな「○○×トミカ」が発売されるかもしれません。

(村中貴士+ノオト)

[ガズー編集部]