タイヤの空気圧、なぜ高すぎも低すぎもNGなの?

「タイヤの空気圧をチェックしなければいけない」と言われますが、なぜ空気圧が高すぎたり低すぎたりするといけないのでしょうか? 今回はタイヤの空気圧が適正でなければいけない理由を紹介します。

空気圧が適正でないと危険!
タイヤの空気圧は、走っているときの安定性や燃費性能を最大限発揮できるよう、最適な数値があります。空気が多すぎたり少なすぎたりすると、その性能を十分に発揮できないだけでなく、タイヤにダメージを与えてしまい危険です。

それでは、具体的にどんな影響があるのか見ていきましょう。

空気圧不足の場合

トレッド両肩の異常摩耗を起こしやすい
トレッドとは、タイヤの構造のうち、地面と接触する部分のこと。空気圧不足によりトレッド面の両肩部に無理がかかることから、両肩部が摩耗しやすく、タイヤが長持ちしなくなります。

操縦安定性を損なう
偏摩耗などによって、ブレーキ、発進、加速など、運動性能が十分発揮されなくなります。

ハイドロプレーニングが起こりやすくなる
水の溜まった路面を走るときに、タイヤと路面の間の水分によってコントロールが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」。タイヤの空気圧が低下していると、タイヤの中央部分が路面にきちんと接地しないため、溝からの排水も効率良く行われません。そのため、ハイドロプレーニング現象が起こりやすくなります。

燃費が悪くなる
タイヤのたわみが増えることで、「たわむ」→「元の形状に戻る」という動きを繰り返し、エネルギーを浪費してしまう「転がり抵抗」が増加し、燃費が悪くなります。

発熱による損傷を起こしやすい
走行中のタイヤ接地部の後方にゴム部のたわみが波状に発生します。このたわみによる発熱でタイヤが異常に高温になり、バーストしてしまう可能性があります。

空気圧過多の場合

トレッド中央部の異常摩耗を起こしやすい
タイヤのトレッドの中央部だけで接地していることから、中央部が摩耗しやすく、タイヤが長持ちしなくなります。

スリップしやすくなる
接地面積が少ないので、雨の日などにスリップしやすくなります。

はねるような乗り心地になる
振動が吸収されないので、乗り心地が悪くなります。

縁石などで傷を受けやすい
タイヤは異常な緊張状態になり、緩衝能力が低下するため、衝撃キズや切りキズを受けやすくなります。

1カ月に一度、必ずタイヤの空気圧を点検して、安全に走行できるように心掛けましょう。

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]