山道運転で注意! カーブによる目の錯覚

クルマを運転中、目の錯覚により誤った判断をすると、事故に繋がることも……。そこで今回は山道など、カーブが多い道を走るときに気を付けたい目の錯覚を紹介します。

カーブで体を大きく左右に傾けて運転する

カーブを曲がるとき、外側に引っ張られるように感じるのが遠心力。クルマが外側に傾くため、遠心力に逆らおうと、無意識に体に力を入れて内側に体を傾けて運転してしまう場合があります。バイクに乗ってカーブを曲がるときに、体を内側に傾けるのと同じ理由です。

運転中に体を傾けていると、水平(平衡)感覚が狂い、ハンドル操作を誤る可能性があります。例えば、山道で連続するカーブを抜けた先に陸橋がある場合。カーブを曲がるたびに体を傾けて運転していると、正しい水平感覚が失われてしまいます。その結果、陸橋まできたときに、橋が傾いているように感じる場合があるのです。異変に気付き、誤ったハンドル操作をしてしまうと危険です。

また、遠心力は、速度の2乗に比例して大きくなります。同じカーブでも速度が2倍になれば遠心力は4倍に。カーブの手前では速度を十分に落とし、体が傾くのを防ぐようにしましょう。

ほかにも、断崖沿いの道路を走るときには道路下に落ちる恐怖心から、断崖の反対側へ体を傾けてしまいがちです。初心者ドライバーだけでなく、ベテランドライバーも無意識のうちに体を傾けてしまう場合があるので、注意しましょう。

カーブで内側に寄って走る

クルマを運転しているときに、自然とカーブの内側に寄ってしまうことはありませんか? 運転席からカーブを見ると、左カーブでは左側車線が広く、右カーブでは右側車線が広く見えるという目の錯覚が起きます。人間は広く見えるほうへ寄っていく性質があることから、カーブを運転する時はカーブの内側にクルマを寄せすぎる場合があります。これを「曲方指向」といい、カーブの大小にかかわりなく起きる傾向です。

そのため、急カーブではセンターラインを踏み越してしまったり、連続するS字カーブで内側に寄りすぎて次のカーブで切り返しが大きくなり、車体がふらついたりする危険があります。目の前のカーブに意識を集中しすぎないように気をつけましょう。

正しい知識を身に付け、余裕を持った運転を心掛けてくださいね。

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]