横浜で博物館見学! 日産エンジンミュージアム
トヨタ博物館やホンダコレクションホールなど、全国には自動車メーカーが運営している博物館がいくつもあります。その中でもユニークなのが、神奈川県横浜市にある日産エンジンミュージアムです。
その名のとおり、エンジンの展示に特化したこの博物館は、日産横浜工場ゲストホール内にあり、日産の歴史と技術が学べるもの。今回は、この日産エンジンミュージアムを“バーチャル見学”してみましょう!
まずは歴史ある建物に注目!
横浜工場ゲストホールがあるのは、日産自動車横浜工場の敷地内。横浜工場は、日産自動車が創業した1933年(昭和8年)の翌年に作られた歴史ある場所で、現在も日産やルノー車に搭載されるエンジンの多くが生産されている工場です。
ミュージアムの建物は、創業時に建てられた本社事務棟だとか。建物自体が博物館の展示のひとつと言えそうですね。歴史的建造物として横浜市から認定されている他、経済産業省の近代化産業遺産にも認定されています。
建物の中に入ってみよう!
横浜工場ゲストホールに入るとエントランスホールには、リーフとセレナ、2台のクルマとともに、GT-Rに搭載されるVR38DETT型エンジンや組み上げられる前のエンジンパーツなどが展示されていました。
こうしてバラバラのエンジンを見ると、たくさんの精密な部品が精度よく組み上げられ、私たちのクルマに使われているかがわかりますね。県内の小学生が社会科見学で訪れることも多いそうで、こうした展示も子どもたちの目を引きます。
いよいよエンジンミュージアム内部へ!
エンジンミュージアムは、エントランスホールの奥にあり、入った瞬間、整然と並んだエンジンの数々に圧倒されます。展示されているのは常時約30機ですが、日産ではこの他にもたくさんのエンジンを所有していて、たまに展示が入れ替わるそうです。
戦前のダットサンに搭載された「7型エンジン」を筆頭に、現在もラインアップされるVQ型V6エンジンまで、ガソリン/ディーゼル問わず、日産のエンジンの歴史をたどっていくことができます。変わったところでは、御料車として使われたプリンス・ロイヤルのV8エンジンも。また、レースの世界で活躍したエンジンも見ることができます。
エンジンだけでなく、クルマの展示もあります。取材時は1936年型ダットサン15型ロードスターと、1959年型ダットサン・1000(211型)が置かれていました。「ダットサン」とは、日産自動車となる前の1932年(昭和7年)に誕生したブランド。メーカー名は、ダット自動車製造株式会社でした。なお、ダットサンの名は、2014年から新興国市場に向けた低価格車ブランドとして復活しています。
2階フロアで日産の歴史を辿る!
今度は2階に上がってみましょう。階段を上がると、ご覧のような趣きのある空間が現れ、この建物が昭和8年に建てられたことを教えてくれます。当時の会社の雰囲気がそのまま残っているとあって、ドラマや映画の撮影に使われることもあるそうです。
横浜工場の歴史を展示するエリアでは、横浜工場が設立されてから今に至るまでの、日産と世界の歴史が並びます。年表の中に、そのときに生産されていた日産車のミニカーが組み込まれているのがユニーク。ミニカーを見るだけでも歴史を感じることができます。
横浜工場を紹介するエリアでは、ものづくり技術の変遷を実際のパーツとともに見ることができます。下の写真は、素材からクランクシャフトができるまでの加工の様子を示したもの。横浜工場は、単にサプライヤーで生産されたパーツを組み立てるのではなく、エンジン・アクスル部品を一貫生産しているのが特徴です。
取材時は、特別展示「スカイラインGT、GT-Rのモータースポーツ用エンジン」が行われており、第2回日本グランプリ(1964年)用として製作されたスカイラインGT-Ⅱの「GR7B型エンジン」、同じく第3回日本グランプリ(1966年)の「GR7B’型エンジン」、そして2013年のスーパーGT、GT500クラスのGT-Rに搭載された「VRH34B型エンジン」の3機を見ることができました。
日産エンジンミュージアムは、JR/京急新子安駅からバスで10分、もしくは徒歩で15分と、都心からのアクセスもいい貴重なミュージアム。予約をすれば工場見学もできるので、クルマ好きの方はもちろん、工場見学が好きな方や将来エンジニアを目指す学生にもぜひ見学していただきたいスポットです。ちなみにバスの本数がとっても少ないので、ミュージアムに行く際は新子安駅から歩いて行くのがオススメです!
<日産エンジンミュージアム>
所在地:神奈川県横浜市神奈川区宝町2
電話:045-461-7090
開館時間:10時~16時
休館日:日曜日、年末年始
入館料:無料
http://www.nissan-global.com/JP/ENGINEMUSEUM/index.html
(木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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