運転免許は就活に有利? 就活コンサルタントに聞いてみた
3月1日(火)から2017年卒の就職活動が始まりました。新卒採用の1次選考では、履歴書やエントリーシートなどで、自己PRするのが一般的です。「資格を持っていると就職に有利」なんて話を聞きますが、運転免許証の有無は選考に影響するのでしょうか? 就職コンサルタントで、埼玉女子短期大学の教授・細田咲江さんに教えてもらいました。
業界・職種によっては有利になることもある!
「まず資格全般についてですが、医師や看護師、弁護士など資格が必須の職種を除いては、“資格は持っていないよりかは、持っているほうがいい”程度で、特別に有利に働くことはありません。ただし、人物評価が横並びだったときに、資格が決め手になる場合はあります」(細田さん 以下同)
細田さんによれば、中途採用の場合は即戦力を探しているので、資格を持っていることが必須条件になることもありますが、新卒採用の場合は、資格よりも人物重視だそうです。つまり「新卒採用において、運転免許証の有無は選考に影響しない」ということでしょうか?
「運転免許証に関しては、業界・職種によって異なります。当たり前ですが、クルマ業界は持っておくべきでしょう。そのほか、デイサービスのある介護業界や、賃貸物件を扱う不動産業界は、お客様を送り迎えするときにクルマの運転をします。IT業界でもカスタマーエンジニアなどの職種であれば、クルマで現場に行きます。そのほか、全国支社がある企業やルートセールスの営業職もクルマを運転する機会がありますね。明らかにクルマを使う仕事であれば、有利になるかもしれません。ただし! そういった企業では、免許証を持っているだけでなく、運転慣れしていることのほうが大切ですね」
では、仕事内容が多岐にわたる場合は、必要になってから取得すればいいでしょうか?
「運転免許証は、誰でも取れる資格です。休日は教習所の予約がとりにくいので、時間に余裕があって、割引などもある学生のうちに取得しておくのをオススメします。業務命令で、入社後に取得する場合は、会社が費用の一部を負担してくれることもありますが、それは企業にとってコストがかかってしまいます。また、教習所に通うため残業ができないといった制約も生まれてしまいます。それよりかは、コストがかからず制約のない社員が重宝されると思いませんか?」
50代の上司との“コミュニケーションツール”にもなるクルマ
細田さんは「クルマは上司とのコミュニケーションツールとしても機能する」といいます。
「会社によって異なりますが、一般的に課長や部長、役員は50代の人たち。その世代が若かった頃は、クルマを持つことがステータスの時代でした。今は若者のクルマ離れといわれています。そのなかで、クルマに興味を持っていれば、50代の上司と会話をするときの話題にもなるし、かわいがってもらえると思いますよ」
50代の人たちが20代だったころは、トヨタの高級車クラウンに憧れ「いつかはクラウン」というキャッチコピーが流行ったそう。「男のくせに、免許も持ってないのかよ~」「男ならかっこいいクルマに乗ってデートに誘わなきゃ」など、いま思えば偏見ですが、当時は男女問わず思っていたのだとか。
「昔は運転できるのが当たり前でしたが、今は就職活動で自己PRや趣味の話をするときも、『クルマの運転が得意』『趣味はドライブ』と答える学生はほとんどいません。かえって目を引き、クルマ好きがアドバンテージになるかもしれません。それに、たとえ仕事で使わなくても、将来子供を授かったときなど、何かと役に立つ便利な資格ですよ」
クルマを使う仕事内容であれば、運転免許証を持っていて、かつ運転慣れしていれば、選考時に有利になるかもしれません。もし選考時に持っていなくても、内定後に取得する意思は見せておくとよさそうです。また若者のクルマ離れが叫ばれている今だからこそ、かえってクルマに興味を持っていると、入社後に得するかもしれませんね!
(名久井梨香+ノオト)
[ガズー編集部]
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