日本夜景遺産 「海ほたる」の夜景はなぜきれい?

神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアラインのパーキングエリア(PA)「海ほたる」。実は日本夜景遺産に認定されているのをご存じですか? そこで、海ほたるPAの夜景について、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)関東支社に話を伺いました。

――そもそもなぜ海ほたるPAが作られたのですか?

「海底に作られたトンネル(東京湾アクアライン)と海上部に作られた橋梁(東京湾アクアブリッチ)を接続することを目的に建設されました。木更津側の沖合約5kmの海上に位置する、縦約650m、横約100mの人口島です。1997年12月18日に東京湾アクアラインの開通によりオープンしました」

――日本夜景遺産に認定されているのは本当ですか?

「はい、そうです。海ほたるPAは水産動植物の生育など、東京湾の環境に配慮し、光が海を照らさない構造となっています。そして周囲に他の照明がないため、海ほたるPA自身の明かりと木更津に延びるアクアブリッジの明かりが、海上に一層鮮明に浮かび上がるのできれいなんです」

低位置LED照明の設置で、夜空や海上への光のもれを抑制し、自然環境に配慮

「また、2014年にはアクアブリッジ全線の照明設備をリニューアルしました。低位置LED照明を導入することで、CO2排出量・電力使用量の削減をするとともに、夜間の走行誘導性が向上。このような海上部にかかる長大橋で、全線4.4kmにわたる低位置LED照明の設置は、日本の高速道路では最長となります。海ほたるPAから望む東京湾の夜景も一層魅力を増しました。平成26年照明普及賞も受賞したんですよ」

東京湾の海上に走る幻想的な光の帯

――地球環境に配慮した取り組みを行っているんですね。

「そのほかにも、海ほたるPAで使用される上水は木更津側の陸上部からアクアブリッジを経由して供給されています。下水についても海ほたるPAからアクアブリッジを経由して木更津側の陸上部で下水処理をしています。当たり前ではありますが、環境保全のため、海から水を汲んだり、排水したりしていません。なお、海ほたるの周りは水産動植物の保護区域となっており、水産動植物の採捕及び遊漁の案内は禁止されています」

――夜景以外にも海ほたるの見どころはありますか?

海ほたるから見える富士山

「広大な東京湾を眺めながら、ゆっくりとくつろぎながら食事を楽しむことができます。空気の澄んだ日は富士山も見えるんですよ。また、海底トンネルの掘削に使用した14.14メートルの実物大のカッターフェイスの巨大なモニュメントや1年後に手紙が届くタイムカプセルポストも置いてあり、オススメです」

海ほたるPAの1階川崎側デッキにあるカッターフェイスのモニュメント
約1年後に手紙が届くタイムカプセルポスト

海ほたるPAには様々な工夫がされているんですね。ドライブに出かけてみては?

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力