世界が認めたマツダ・ロードスターの歴史を振り返る!
昨年末の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞に引き続き、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を歴史上初めてダブル受賞するなど、日本のみならず世界規模で高い評価を受けているマツダ・ロードスター。先日のニューヨーク国際自動車ショーでは、リトラクタブルハードトップモデル「ロードスター RF」を発表し、さらなる発展が期待されています。
2人乗り小型オープンスポーツカーとして生産累計世界一のギネスブック記録の持つほどの高い人気を誇るロードスターの歴史を振り返ります。
このクルマがなかったら多くのフォロワーは生まれなかった
初代ロードスターが登場したのは1989年のこと。当時、コンパクトなオープン2シーター市場は完全に冷え切っており、長らく新型車が登場していない状態が続いていました。そんなところに彗星のごとく現れたロードスターは瞬く間に人気車種に。これがきっかけでメルセデスベンツ・CLKやBMW・Z3、MG-Fなどの小型オープンカーが続々と登場することになりました。ちなみに日本国外では「MX-5」や「MIATA(ミアータ)」という名前で販売され、日本国内ではマツダの別ブランド「ユーノス」から販売されたため、「ユーノス・ロードスター」が正式名称となります。
初代ロードスターは1.6リッターエンジンを搭載し、後輪を駆動させるシンプルなメカニズム。2名乗車時で50対50の理想的な前後重量配分を実現するなど、決してハイパワーではないものの、運転する楽しみが詰まったクルマに仕上がっていました。1993年には市場の声を反映し、排気量を1.8リッターへとアップさせるマイナーチェンジを実施したほか、毎年特別仕様車を発表するなど、数多くのファンを魅了するモデルとなりました。
初代の正常進化となる2代目へ
1998年に初のフルモデルチェンジを行い2代目へと移行。すでにユーノスブランドが終了していたことから、ここからは「マツダ・ロードスター」として再スタートとなりました。基本コンポーネンツは初代の改良型ですが、一番の特徴であったリトラクタブルヘッドライトを固定式に変更し一気にモダンなルックスになっています。搭載されたエンジンは、先代から引き続き採用された1.8リッターのほか、1.6リッターエンジンも復活。1.8リッターモデルには6速MTが新たに組み合わされました。
2000年のマイナーチェンジでは外観のデザインをブラッシュアップ。2003年にはクローズドボディの「ロードスタークーペ」と、ターボで武装した「ロードスターターボ」をそれぞれ限定販売しています。また、ナンバー付き車両で参加できる「ロードスターワンメイクレース」用のベース車種「NR-A」が登場したのもこの2代目モデルからでした。
大幅に変わった新世代ロードスター
3代目のロードスターは2005年に登場。プラットフォームを新たにRX-8で使用されたものをロードスター専用に改良したものに一新し、搭載されるエンジンも新たに2リッターのものを採用しました(日本国外向けには1.8リッターの新型エンジンも設定あり)。ボディサイズは拡大され3ナンバーサイズとなりましたが、車重は先代の同等グレード比で20kg増に抑えロードスターらしい走り味は不変であり、同年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
2006年には電動ハードトップを備えた「ロードスター パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)」が追加。より一層プレミアムなモデルという位置づけで、誰にでも簡単に操作でき、使う人に安心感と信頼感を与え、クロ−ズ走行時は風騒音を効果的に遮断し、プレミアムモデルにふさわしい快適で上質なキャビン環境を実現しました。
再び原点回帰へ
現行モデルとなる4代目ロードスターは、2014年9月4日に全世界同時に発表。日本、アメリカ、スペインの3都市でユーザーを招いたイベントでの発表が話題となりました。実際に販売がスタートしたのは翌年の5月で、搭載されるエンジンは歴代最小排気量の1.5リッター(日本国外向けに2リッターエンジンもあり)ながら、徹底的な軽量化によって初代並みの1トン前後という驚異的な軽さを実現し、パワー不足を感じさせないクルマに仕上がっています。また、前述の通り、リトラクタブルハードトップモデルとなる「ロードスター RF」の追加もアナウンスされるなど、今後の進化が楽しみであることは言うまでもありません。スポーツカー冬の時代が続いていますが、今後もロードスターのニュースに期待したいところですね!
(小鮒康一+ノオト)
[ガズー編集部]
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