家族にオススメ! スライドドアの長所を再確認

家族で使うクルマ、特に小さい子どもや年配の人がいる家族にとって便利なのがスライドドア付のクルマです。そこで今回はスライドドアのメリットをおさらいしてみましょう。

狭い場所でもドアを全開できる

スライドドアの最大のメリットは、スーパーの駐車場など車両の脇スペースが狭い場所でもドアを全開できること。スイングドア(スライドではない一般的なタイプのドア)は大きく開ければ開けるほど広いスペースを必要としますが、スライドドアならドアが横ではなく後方へ移動するから壁や隣のクルマとの間隔が20cmもあれば全開にすることができます。開口面積が広ければそれだけ乗り降りしやすくなるし、乗り降りの際に開けたドアが邪魔にならないのも大きなメリットです。

チャイルドシートに子どもを座らせる時にドアが邪魔にならない

小さな子どものいるファミリーなら、スライドドアにすることでチャイルドシートの使用が断然楽になります。子どもを抱っこして後席のチャイルドシートに座らせる時、親は多くの場合シートの斜め前方(車外)に立って子どもをシートに降ろし、シートベルトを装着します。その際、スイングドアだと開いたドアが邪魔になりますが、開いたドアが後方に移動するスライドドアならまったく邪魔しないのです。小さい子どものいる家庭にはスライドドア車が便利と言われる最大の理由がこれですね。

子どもがドアをぶつける心配が少ない

子どもは小学生くらいになると自分でドアを開けたくなってくるはず。そんな時、スイングドアだと狭い駐車場で勢いよくドアを開けて隣のクルマにゴン! とぶつけてしまうことだってあり得ます。しかしスライドドアなら大丈夫。

ドアの開閉を運転席からコントロールできる

意外と知られていませんが、電動スライドドアの場合、ドアは内側から開かないようにチャイルドロックをかけても運転席のスイッチからは開けることが可能。実はこれが安全上好ましくて便利なのです。
小さい子どもを乗せる場合はイタズラでドアが開かないよう、内側のドアノブの操作を無効化する「チャイルドロック」をしますよね。しかしチャイルドロックをすると本当にドアを開けたい時にも内側からはドアが開かない(いちいち外に回ってドアを開けないといけない)のでわずらわしく不便なのは否めません。
でも運転席からスイッチでドアの開閉ができる電動スライドドアなら大丈夫。ドライバーがスライドドアを操作できるから、クルマから降りる際など必要な時には運転席からドアを開けられるのです。つまり運転席にいる親の意図だけでドアの開閉をコントロールできるということ。不便さを感じることなく、子どもが勝手にドアを開けてアクシデントを引き起こすのを防げるのが電動スライドドアというわけです。

デメリットもある

便利なスライドドアですが、残念ながらいい面ばかりではありません。スライドドア車を検討する際に知っておきたいポイントを3つお伝えしましょう。
ひとつは、電動スライドドア装着車だと車両価格がアップすること。電動スライドドアが標準装備されている車両なら気になりませんが、電動機能をオプションで選択して装着する場合は数万円の追加となります。ちなみに利便性を考えれば助手席側も運転席側もスライドドアには電動開閉機能が欲しいところです。
もうひとつは、小さな車両(全長の短い車両)だとスイングドアよりもドア開口幅が狭くなってしまうこと。開けたドアのスペースを開口部の後方へ確保する必要から、軽自動車やコンパクトカーのスライドドアの場合は開口幅が狭くなってしまいます。スライドドアだからといって必ずしもドア開口部が広いわけではないことは覚えておきましょう。
そしてもうひとつ。実用性向上を考えれば大きな問題ではないのですが、スライドドアは構成部品が多くそのぶん車両重量が増します。その影響でわずかとはいえ燃費も悪くなってしまいます。よほどシビアな人でなければ気にするほどのレベルではありませんけれどね。

最後に、スライドドアの注意点も

気を付けたいのはドアを閉じる際に指先を挟まないこと。その注意点はスイングドアでも同様ですが、特に電動スライドドアの場合はちょっとした不注意で指を挟んでしまう可能性があります。特にお子さんには要注意。もちろん多くの電動スライドドアには挟み込みを検知するとドアが開く「挟み込み防止機能」が備わっていますが、指先などは検知しきれない場合もあります。

クルマを購入する際にスイングドアとスライドドアで悩むこともあるかと思います。その時は、メリットとデメリットをもう一度考えてみるといいでしょう。この記事が、素敵なクルマ選びとカーライフのお役に立てればうれしい限りです。

(工藤貴宏+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road