安全性は大丈夫? 自動車アセスメント結果発表会レポ

5月27日(金)、東京国際フォーラムで独立行政法人・自動車事故対策機構(NASVA)による「平成27年度 自動車アセスメント結果発表会」が行われました。

自動車アセスメントとは、ユーザーが安全なクルマを選択できるようにするとともに、メーカーに対してより安全な製品の開発を促すことを目的とした事業。国土交通省とNASVAが共同して、安全性能の評価を行っています。

発表会ではまず国土交通省より、自動車アセスメントの概要と平成27年度の試験結果について説明が行われました。

国土交通省自動車局の久保田さんは、「近年、交通事故は減少傾向にあるものの、まだ4,000人以上の方がお亡くなりになっています。自動車アセスメントでは、衝突試験だけでなく予防安全性能評価(衝突被害軽減ブレーキやバックモニター等に対する評価)もおこなっています。ソフト・ハード両面を充実させていくことで、クルマ社会の安全を確保していきたい」と語りました。

つづいて表彰式へ。安全性能の最高評価を獲得したクルマに与えられるJNCAPファイブスター賞は、トヨタ『シエンタ』(サイドカーテンエアバッグ付き)、ホンダ『ジェイド』、ホンダ『シャトル』、ホンダ『ステップワゴン』、マツダ『CX-3』の5車種でした。

このなかで最高得点となったのは、マツダ・CX-3。表彰式後のスピーチで、マツダ株式会社・商品本部の冨山道雄主査は、「CX-3で目指したのは、どんなシーンでも運転を楽しめる安心の走りを、高い安全性能が支えていくというコンセプト。マツダは人間を信頼するということを考え方の中心においています。ドライバーが危険を認知し未然に事故を回避できることが、クルマを楽しむ前提条件であると考えています」と語りました。

トークショーでは、ゲストとして眞鍋かをりさんが登壇。クルマ選びについて眞鍋さんは 「私もクルマが好きでよく運転するのですが、やっぱりデザインや燃費が気になってしまいます。今回アセスメント評価があることをはじめて知り、『安全性』という基準も大切だなと思いました」と話していました。

会場の外には、実際の衝突試験に使われた車両も展示されていました。NASVA・自動車アセスメント部の遠藤健一さんによると、「販売されているクルマの約80%は、衝突実験をおこなって安全性能を評価しています。正面・側面など細かくテストするので、1車種につき3~4台はつぶしてしまいますね」とのこと。ちょっともったいない気もしますが、安全性能を確かめるためには必要な実験です。

グシャッとつぶれたクルマの数々。見た目のインパクトは強く、通りすがりの人も熱心に見入っていました。
また、会場にはチャイルドシートの展示もありました。 取り付け簡単なISO-FIX(アイソフィックス)のチャイルドシートです。

ISO-FIXとは、シートベルトを使用せず専用の金具で固定するタイプのチャイルドシート。担当者によると、「シートベルトで固定するタイプは、少し緩んだ状態で使用すると十分な性能が発揮できないんですよ」とのこと。2012年7月以降新たに販売されている乗用車(乗車定員10人未満)には、ISO-FIXチャイルドシート対応の共通取付具が装備されています。取り付けが簡単なので、シートベルトで固定するタイプに比べミスユースが少ないとされています。
NASVAではチャイルドシートに対する安全性能評価もおこなっており、その試験結果も展示されていました。

クルマ選びはデザインや燃費に注目しがちですが、「安全性」も大事なポイントですよね。NASVAのホームページでは、衝突実験の映像や予防安全性能評価の結果などが詳しく掲載されています。メーカー/車種別に検索できるので、買い替えの前にぜひチェックしてみてください。

(村中貴士+ノオト)

[ガズー編集部]