160キロでも遅い!? 独アウトバーン速度無制限区間を走ってみた

ドイツの高速道路と言えばアウトバーン。ドイツ語でAuto(クルマ)とBahn(道)という意味を持つ、日本語で言うところの自動車専用道路です。

アウトバーン最大の特徴は速度無制限区間があり、日本では絶対不可能な高速ドライブが楽しめること。先日ドイツに旅行し、レンタカーでアウトバーンを走行することができたので、レポートしたいと思います。

運転したのはフランクフルト国際空港の南側をかすめ、ケルン方面(北方面)に伸びる3号線。クルマはレンタカーで、フォードのC-MAX(1.0リッター+6速MT)。実際に運転したのはケルンからフランクフルトに戻る3号線の南行きと、その周辺です。

ドイツは左ハンドルの右側通行。アウトバーンの3号線は片側3車線で、中央分離帯に一番近い車線がもっとも流れの速い車線です。一般道で左ハンドルと右側通行に慣れ、カーナビの案内に従いアウトバーンにコースイン。

アウトバーンはドイツ全土をカバーする高速道路。私が旅行期間中に走行した路線に料金所はなく、すべて無料でした

新東名と同じ3車線ですが、一車線の幅が明らかに広い。感覚的には日本の1.5車線分か。また、路面の継ぎ目がなく、周期的にタイヤに伝わる振動やノイズもありません。

制限速度は区間ごとに標識があるので、まず見落とすことはありません。130km、100km、刻々と制限速度が変化します。言葉にすると簡単ですが、130kmから100kmに減速するだけで、相当なスピード差があるので、アクセルやブレーキの操作で、結構忙しいです。

100km制限が始まることを示す標識。まわりのクルマもわかっているのか、一気にスローダウン
2車線の狭いところ(3号線ではありません)では、60km制限の区間もありました

速度制限が終了したことを示す標識が出れば、そこからは速度無制限区間。ただ、この標識(撮影できず!)は日本で同じものがなく、常に周囲に気を配っておかないと、見落とすことも。その結果どうなるかというと……。そうです。後方のクルマがあっという間に追いついてきて、あおってくるのです。その逆パターンでは速度制限が始まったことを見落としてしまう可能性があるので、注意が必要です。ちなみにアウトバーンには、日本と同様、スピード取り締まり用のカメラが設置されており、わずかなスピード超過でも取り締まりの対象になると言われています。

気をとりなおし、いざ一番中央寄りの追い越し車線へ。アクセルを床まで踏み込み、流れに合わせます。スピードメーターの針は160km! 日本では考えられないスピード域で走っていることに興奮していると、背後に黒のアウディが! 慌ててドアミラーで後方を確認すると、アウディの後方に車列が見えます。なんと160kmで走っている私が渋滞の原因をつくっていたのです。

慣れが必要な工事区間。イエローラインが引かれているのですが、このラインが非常に狭い。隣のトラックと接近してしまい、ヒヤリとするシーンも
写真はボンからケルンに向かうアウトバーンにて。渋滞があるのは日本と同じです

車線変更してアウディに道を譲ると、ものすごい勢いで追い抜いていきます。アウディの後方にいたクルマたちも次々と追い抜いていきますが、驚くのは高齢者や女性ドライバーも同じスピード域で走っていること。160km+α程度のスピードで走ることは、ドイツのドライバーにとってごくごく当たり前の日常なのでしょう。日本では絶対ありえない光景です。

日本で言うサービスエリアももちろんあります。カフェや軽食コーナー、トイレ(有料)があるのも日本と同じです

緊張感あふれるハイスピードドライブを堪能し、フランクフルトに到着。まるでサーキットを走ったような心地良い汗をかき、今度はもっと長距離を走ってみたいと思わずにはいられませんでした。平均時速が高いゆえに国内のイメージより移動時間が短く済むのもポイントです。

日本の免許と国際免許を持っていればドイツでも運転できるので、ドイツ訪問の際は、アウトバーンを走ってみることをおすすめします。

しかし、こんな道路を作ってしまうドイツの懐の深さって……。
自動車王国・ドイツを支える理由のひとつを垣間見た気がします。

以上、アウトバーンからの報告でした。

(ゴリ奥野+ノオト)

[ガズー編集部]