知られざる「海外で走る軽自動車」その4 さまざまなスズキの軽自動車たち
排気量と車体寸法に上限を設けている日本独自の規格、「軽自動車」の中には、軽小型車の資質を活かして海外で販売される車種もあります。そんな海外で活躍する軽自動車をご紹介する “知られざる「海外で走る軽自動車」”の第4回は、スズキのアルト、ワゴンR以外のさまざまな車種をお送りいたします。
MRワゴンもインドで発売
ワゴンRほどの効率重視ではないものの、ほどよいスペシャリティ感と実用性を実現していた初代MRワゴンもインドの「マルチ・スズキ・インディア」で「ゼン・エスティロ」として生産されていました。デビュー当初は日本のMRワゴンとほぼ同じスタイルだったのですが、のちにインド独自のデザインが与えられました。エンジンは1100ccでしたが車名が「エスティロ」になった際に、1000ccに換装されています。インドネシアにもインドから「カリムン・エスティロ」と称されて輸出されていました。なお、2代目以降のMRワゴンは日本のみでの販売となっています。
中国版ランディはエブリイがベース
現在5代目となったスズキの1BOX軽バン/ワゴンがエブリイです。かつて2000年ころには3代目エブリイワゴンに1300ccエンジンを積み「エブリイプラス(途中改名して「エブリイランディ」となった)」として発売していました。その後ランディという名称は日産のミニバン、セレナのOEM版「スズキ・ランディ」として使用されていますが、中国のスズキ合弁会社「昌河スズキ」」では4代目エブリイワゴンをベースに1200ccエンジン搭載・ボディ前後のデザイン変更を行ったモデルを「ランディ」として発売しています。
Kei→スイフト→イグニス
- 日本での初代スイフトは海外ではイグニスと呼ばれ、ハンガリーのマジャールスズキで生産が行われていた。スイフトは2代目以降、世界共通車名となっている。
ワゴンRとジムニーの中間、ともいえるコンセプトが当たり、スズキの軽自動車でも大人気となっている「ハスラー」。ジムニーのような本格的なSUV(というよりここは、四駆、4WDと呼びたい)ではなく、そのイメージをライトに楽しめるのが魅力です。でもこのコンセプト、すでに1998年登場の「Kei」で実現されていました。このKeiを拡幅して登場した小型車が初代スイフトです。スイフトはKeiの持っていたクロスオーバーSUVというイメージよりもリーズナブルな実用小型車、という性格付けで日本だけでなく海外でも「イグニス」として販売されていました。2003年以降はハンガリーのマジャールスズキでも生産を開始しているのですが、このときからボディがオリジナル要素の高いものに切り替わっています。
ジムニーは海外でも高い人気
- 印マルチ・スズキのジプシー
軽自動車の小さなボディに大型4WD顔負け、もしくはそれを上回る悪路走破性能を誇るジムニーが本格的に海外で販売されるようになったのは1980年代。まず北米に輸出されたのち、インドネシアやタイでも「カタナ」「カリビアン」など様々な現地名で生産が行われていたほか、欧州ではスペインのスズキ現地法人「サンタナ」が、インドのマルチ・スズキでは「ジプシー」という名称で生産を続けています。各仕向地によって先代モデルのままだったり現行モデルにスイッチしていたりしますが、エンジンが1000〜1300ccとなっていることと、日本では軽規格の関係で販売が不可能なロングボディ車が生産の主力であることが共通しています。
あの小さなスペシャリティカーまで!
- フロンテクーペ→初代セルボの欧州仕様、SC100(WHIZZKID) 。イギリスではWHIZZKID(ウイズキッド)と称した。角形ヘッドライトとマーカーランプの位置が特徴だが、日本と同じ丸目仕様も存在する
軽自動車は本来多くの人の手に行き渡ることを考えて考案された規格でもあるのですが、経済成長とともにそれまで販売の主力だった商用車だけでなく軽自動車も乗用車の販売も増え、それに従いバリエーションが次々と生まれていきました。その中のひとつに実用性が少なく嗜好性の高い“スペシャリティカー”がありますが、代表的なクルマとしてスズキのフロンテクーペをあげることに異論はないかと思います。フロンテクーペは1977年に軽規格が360ccから550ccに拡大された際に排気量アップを行って初代セルボに生まれ変わったのですが、ジウジアーロ原案のスタイリッシュなデザインはほぼそのままにボディが拡幅されているのが特徴です。初代セルボはなんと欧州に輸出されているのですが、エンジンはセルボの2ストではなく4ストの1000ccとされ、車名は「SC100」、イギリス向けは「WHIZZKID」と呼ばれていました。
いかがでしたか。世界各地で活躍する軽自動車はまだまだあるのですが、いったんの区切りの最終回となる第5回では、軽自動車の大事な役割である「バン・トラック」が海外ではどんな姿で販売されているかをお送りいたします。お楽しみに!
(遠藤イヅル+ノオト)
[ガズー編集部]
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-