「対向車線が赤だから」はウソ! 青い矢印信号←↑→が全部点灯している理由とは?

クルマを運転していると、矢印信号がついた信号機を見かけますよね。
よく見かけるのは、交通量の多い多車線の道路で、信号が青から赤に変わったあと、青い矢印信号「→」が点灯して、右折がスムーズにできるタイプのものではないでしょうか。

稀に、この青い矢印信号が、←↑→と全部点灯している信号機があります。皆様はご覧になったことがありますか? これって、青信号と同じことではないのでしょうか?

「対向車線の信号が赤だから」ではちょっと納得できない

周囲に訊ねてみると、「対向車線が赤だということを示しているんだよ」という返答が多いです。10人中6人がそう答えました。しかし、これは腑に落ちません。

走行中は、自分の進行方向以外の信号に気をとられてはいけないのではなかったでしょうか。うんと昔、運転免許を取った時の問題集にそう書いてあった記憶があるのです。たとえば、○×をつける問題で「赤信号で停止しているとき、交差する道路の信号が黄色から赤に変わったので、発進する準備をした」という問いの答えは×ですよね。

実際のところはどうなの? 本職に聞いてみた!

道路交通や信号のことならエキスパートがいるではありませんか。警察です。そこで、記者の地元である愛知県警本部の広報課にお伺いしてみました。すると、意外な事実がわかったのです。

まず、通常の信号についておさらいしましょう。

道路交通法では
「青色の灯火では、歩行者は進行することができ、自動車は、直進し、左折し、又は右折することができる」とされています。

横断歩道があっても、歩行者用の信号がないところもありますよね。その場合、歩行者は自動車用の信号に従って横断することになります。

続いて、矢印信号←↑→です。

「青色の矢印では、自動車は、黄色の灯火又は赤色の灯火の信号にかかわらず、矢印の方向に進行できる」とされています。
つまり、青い矢印信号←↑→が全部点灯しているとき、自動車は矢印の方向に進行できますが、歩行者は進行できないので、この点において青信号とは異なります。

矢印信号は、自動車専用のものなのです。たしかに、歩行者が青い矢印信号に従うことはありませんものね。

記者が気になっていた場所は、自動車用信号と歩行者用信号が両方設置されているところです。矢印信号←↑→が全部点灯しているとき、歩行者用信号は確かに赤になっていました!

どんなところに設置されているの?

青い矢印信号が全部点灯する信号機が設置されている道路の特徴は、「交差点において、原則、左折車線・直進車線・右折車線がある道路です」とのこと。

反対車線が赤信号であることを示しているものではありませんので、矢印信号が青のときでも、いつも通り十分注意して進みましょう。

(綾部綾+ノオト)

[ガズー編集部]