雨の日は事故率4倍! タイヤ交換のススメ

突然ですが、みなさんの愛車、タイヤ交換をしたのはいつですか?
明らかにすり減っている場合を除けばタイヤを交換するタイミングの判断は難しいところですが、「スリップサイン(タイヤの残り溝を示す目安)が出ていないからまだ大丈夫」というのは実は間違った認識。それだけでは安全を保てないんです。
タイヤは決して安い買い物ではないから先延ばししたい気持ちもわかりますが、なにより安全のため、事故に遭わずにしっかりと目的地へ到着するためにも大事なものなのです。
雨の日に革靴よりもスニーカーのほうが滑ると感じると思いますが、同じように、タイヤによって滑りやすさが違うんですよ。梅雨、そして夕立などで雨量が増える夏になる今だからこそ、安全のためのタイヤ交換についてあらためて考えてみましょう。

雨の日にタイヤが滑りやすいのは、水の膜のせい

まず認識しておくべきは、タイヤは消耗品だということ。走れば走るだけ擦り減ってきて、表面(路面との接地面)に刻まれた溝が浅くなる。するとどうなるか? 雨の日に滑るんです。
理由は、雨の日にタイヤが滑るのは路面とタイヤの間に水の膜ができて、摩擦抵抗(グリップ)を低下させてしまうから。溝はタイヤと路面の間にある水を取り除くためにあるので、すり減ると水をしっかりと排除することができなくなって、スリップしやすくなります。タイヤがスリップをしやすいと、ブレーキをかけた際の停止距離だって伸びますよね。
タイヤが滑る状態なんてそうめったに起きることではない、と思うかもしれません。しかしいくら自分が心掛けていても、周囲の状況により急ブレーキをかけなくてはならない状況は突然やってきます。そんなときは「スリップするのかしないで済むか」が「事故に遭うか遭わないか」の境目になるかもしれないのです。

溝が残っていれば大丈夫、ではない

しかし、水の逃げ道となる溝が十分にあれば大丈夫かといえばそうでもない。実はタイヤのゴムの状態も重要なのです。道路の表面には細かな凹凸があってタイヤがそこに密着することでグリップを発揮できるけれど、古くなったタイヤはゴムが劣化してしなやかさを失うから路面に対する密着力が落ち設置面積が少なくなってしまう。それも滑りの原因になるのです。
だから愛車のタイヤについて、溝だけをみて判断するのは大きな間違い。タイヤはたとえ溝があったとしてもできれば3年程度、長くても5年で履き替えるのが理想的。なにより安心と安全のためなのです。

首都高速では、雨の日には事故が4倍になる

首都高速道路の調査によると、首都高速における雨の日の事故率(平成26年度統計)は晴天時の約4倍になるといいます。そして追突事故が減り施設接触事故(道路の左右壁などにぶつかる事故)件数が時間あたり約10倍まで高まるというから、スリップによる事故が増えると考えてよさそう。

梅雨があけても、夕立・台風などで雨量が増える時期がまだしばらく続きます。滑る前に、事故を起こす前に、そして安全のために、すり減ったタイヤや古いタイヤは思い切って交換してしまいましょう。「畳とタイヤは新しいほうがいい」って覚えておいてくださいね。

(工藤貴宏+ノオト)

[ガズー編集部]