ゴツイSUVはどのくらい低燃費? 走行実験レポ!
最近なにかと話題の「燃費」。もちろん、燃費の数値だけがクルマ選びの判断基準というわけではありませんが、気に入ったクルマの燃費がいいことに越したことはありませんよね。
今回は特にレジャーで人気の高いSUV車の日産・エクストレイルハイブリッドを駆り出し、実際の燃費はどんなものなのか実験してみました!
日産・エクストレイルってどんなクルマ?
エクストレイル(X-TRAIL)は2013年12月に登場した3代目モデル。先代までのタフなSUVの性能はそのままに、都会派SUVのデュアリスや高級SUVだったムラーノの後継車という側面を加味したモデルに仕上がっています。今回実験に使用したモデルは2015年4月に追加されたハイブリッドモデルの20X HYBRID“エマージェンシーブレーキパッケージ”というグレードの4WD車。1モーター2クラッチ・パラレル方式の独自のハイブリッドシステム「インテリジェント・デュアル・クラッチ・コントロール」を採用し、搭載されるエンジンはガソリンモデルと同じく2リッターのMR20DDエンジンで、ガソリンモデルに比べ140kgも車両重量アップにも関わらず、カタログ燃費は20.0km/L(ガソリンモデルは16.0km/L)となっています。
さらに今回の車両には「NISMOパフォーマンスパッケージ」のパーツがフル装備。これはエアロキット(フロントアンダースポイラー/サイドスカート/リヤアンダースポイラー)と19インチアルミホイール、スポーツステンレスマフラー、スポーツサスペンションキットのNISMOパーツが装着されるもの。
ノーマルから30~40mm低めに設定された車高とスポーツサスペンションによって、ハンドリングはスポーティな印象に。さすがに車重が1640kgもあるためキビキビとまではいきませんが、高速コーナーでの姿勢変化の少なさは純粋に「気持ちいい」と感じられるものでした。ただ、スポーツマフラーは音量こそ爆音ではありませんが、モーター走行も可能なハイブリッドモデルならではのエンジンの停止、始動がマフラー音で強調されてしまいやや耳障りな印象。これはガソリンモデルとの組み合わせが吉かもしれません。
また純正から2インチアップとなる19インチホイールなどは燃費計測に悪影響を及ぼす可能性もあるので(見た目は最高にカッコいいですが)、あまりにも悪い数値が出たらお蔵入りかも……とドキドキしながらの実験スタートとなりました。
今回行ったテストの道のりは、先日行われた「ミチノクレトロカーズセッションVol.04」の会場である宮城県のみやぎ蔵王白石スキー場を目的地とする往復ルート。メインは高速道路となりますが、イベント会場までは延々上り坂の峠道という、決して燃費に有利とはいえないもの。しかも往路は時間に追われ、まあまあハイペースで駆け抜けるという悪条件……。ちなみに、道中エアコンは25度オート設定、1名乗車+少々の荷物という状態でした。
燃費のキモはEV走行にアリ!
モーターだけで走行することが可能なハイブリッド車では「いかにEVで走るか」で燃費が大きく違ってきます。電気自動車のように大出力なモーターも大容量のバッテリーも搭載していないハイブリッド車は、少しでもラフなアクセル操作をするとすぐにエンジンが始動してしまうため、繊細なアクセルコントロールが求められます。また、一定の速度で走行するときなどは一瞬アクセルを全閉すると瞬時にEVモードに入るため、こまめなアクセルワークも必須。この辺のタイミングを掴むと別の意味で運転が楽しくなってきます!(笑)
クルーズコントロールはNG!?
目的地までの道のりはおよそ400km。こんな長距離を移動するときに強い味方なのがクルーズコントロール(クルコン)ですね。アクセル操作をしなくても指定した速度をキープしてくれるクルコンは疲労軽減にとても効果的! しかしこのクルコン、燃費には必ずしも良好とは言えない様子。というのも、上りだろうが下りだろうが設定した速度を維持するため、人間のように融通の利く運転ができないのです。人間の操作であれば、多少の上りであれば少々速度が落ちてもアクセル開度を小さくして、次の下りで速度を回復する、なんてこともできるのですが、クルコンではそれが不可能なため結果的に燃費が悪化してしまったのです……。この事実に気付くまで時間がかかってしまったために、平均燃費は14Km/L後半から14Km/L前半まで悪化してしまいました(涙)。
約940kmの走行での燃費結果は?
今回のテストでの走行距離は約940km。宮城往復以外にも都内での走行なども含んだ距離となりますが、その燃費はこちら!
平均15.0Km/Lです!!!
ものすごくいいわけじゃないけど、悪いわけでもない、実に微妙なそしてリアルな数字となりました(笑)。ただ、一説によると実燃費はカタログ燃費の6~7割 が一般的な数値だそうで、そうなると12~14Km/Lが平均値。某燃費サイトでの平均実燃費 も13.5Km/L(記事執筆時点)となっていたので、むしろいい数字なのかもしれません。19インチアルミホイールもついていましたし……(まだ言うか)。
ちなみに、前述の燃費サイトの実燃費でチェックすると、先代ヴィッツの1300ccが15.1Km/L、日産のコンパクトSUVのジューク(2WD)で15.2Km/Lとなっていました。
ということで、ゴツイSUV車でも、コンパクトカー並みの燃費で走ることができる、というレポートでした。言うまでもなく、燃費は走行条件によって大きく変わりますので、あくまで参考値であることをお忘れなく!
(小鮒康一+ノオト)
[ガズー編集部]
関連記事
最新ニュース
-
-
気付いた時にはパンクする!? 知らないと損するラジエーター選びの新常識と失敗しないポイント~カスタムHOW TO~
2024.11.30
-
-
-
スバル『WRX』の高性能モデル「tS」、2025年初頭より米国で発売へ
2024.11.30
-
-
-
マツダ『CX-5』など人気の4モデルに新機種、ブラックやレザー仕様など…12月25日発売へ
2024.11.30
-
-
-
2倍の速さで自動駐車! メルセデスベンツのパーキングアシストが性能向上
2024.11.29
-
-
-
「超イケてる!」ホンダの本格SUV『パスポート』発表に日本導入を期待する声
2024.11.29
-
-
-
BMW『X3』新型はマイルドHV、Mパフォーマンスも…価格は798万~998万円
2024.11.29
-
-
-
レクサス、日本の伝統工芸に現代技術を融合…アート作品展開催中
2024.11.29
-
最新ニュース
-
-
気付いた時にはパンクする!? 知らないと損するラジエーター選びの新常識と失敗しないポイント~カスタムHOW TO~
2024.11.30
-
-
-
スバル『WRX』の高性能モデル「tS」、2025年初頭より米国で発売へ
2024.11.30
-
-
-
マツダ『CX-5』など人気の4モデルに新機種、ブラックやレザー仕様など…12月25日発売へ
2024.11.30
-
-
-
2倍の速さで自動駐車! メルセデスベンツのパーキングアシストが性能向上
2024.11.29
-
-
-
「超イケてる!」ホンダの本格SUV『パスポート』発表に日本導入を期待する声
2024.11.29
-
-
-
BMW『X3』新型はマイルドHV、Mパフォーマンスも…価格は798万~998万円
2024.11.29
-