ニュル24時間レース観戦記 北コース紹介編

世界屈指の難コース、ドイツ・ニュルブルクリンクで行われたニュルブルクリンク24時間レース。今年は18万5000人(木曜日から日曜日の合計)のファンがつめかけ、白熱のバトルを堪能しました。

筆者はこのレースを初めて観戦。すでに公開されている観戦記その1「日本からの行き方&入場編 」では、ドイツ(フランクフルト)に着いてからの道のりや、サーキットの入場方法、スタンドとパドックの行き来などについて紹介しました。その2となる今回は、コースの大部分を占める北コース(ノルドシュライフェ)と沿道の様子について紹介します。

本題に入る前にニュルのコースを少々おさらい。ニュルブルクリンクはドイツ北西部アイフェル高原に広がるサーキットで、ニュル24時間レースは、F1なども開催されたグランプリコースと90年近い歴史を誇る北コースを組み合わせたフルコース(約25km)で行われます。北コースの長さは約20kmで、大小さまざまなコーナーやジェットコースターのような激しいアップダウン、狭いエスケープゾーンなどが特徴です。

その1でも紹介したニュルブルクリンクのコースマップ(地図左側)。山岳地帯をぬうようにコースはレイアウトされています。コーナーの数は170以上でレイアウトをおぼえるだけでもひと苦労。レースは右まわりで行われます
右側奥が北コースの入り口。突き当りを左に曲がると北コースです。逆に北コースからグランプリコースへの入り口は、グランプリコースの最終コーナー付近にあります

北コースのコーナーを一部紹介

Wehrseifen(約9km地点)

コース幅は狭く、イン側(右側)はほとんどエスケープゾーンがありません

Exmuhle(約10km地点)

山岳コースという表現がピッタリ。まるでスキーのジャンプ台を逆走するかのように、山を駆け上がっていきます。トップ画像もこのコーナーの近くで撮影したものです

Steilstrecke(約13km地点)

有名なヘアピン、Caracciola-Karussell手前の右コーナー。登り切った瞬間、目の前にコーナーが現れます

Eschbach(約15km地点)

下りながらのS字コーナー。難コース攻略には高い車体安定性が不可欠です

Brunnchen(約16km地点)

息をつかせぬコーナーの連続で、ドライバーがホッとできる時間はほとんどありません

コース沿道はキャンプ天国

コース沿いを歩いていて目についたのが無数のキャンパーたち。日本でもキャンプしながらレース観戦している人たちを見かけますが、まだまだ日帰り観戦が一般的。レースに合わせてキャンプをするのがドイツの人々のスタイルなのかもしれません。

思い思いの場所にテントを張り、それぞれのスタイルでキャンプを楽しんでいます。中には明らかにレースを見ていないと思える人も
ドイツと言えばビール! ということで、コースサイドではビールを買うことができます
写真のように乗用車がキャンピングカーを引っ張る光景も多く見かけました
ル・マン、スパ、モンツァ……、ヨーロッパの有名なサーキットの名前とニュルからの距離(と思われる)を記した看板。キャンパーたちが立てたものと思われますが、レースをこよなく愛していることがわかります

北コースは最新鋭の設備を誇る現代のサーキットとは全く異なる趣を感じさせるオールドコース。多くの自動車メーカーが新型車開発の場として、ニュルを選んでいる理由が分かる気がしました。また、ファンにとっては間近で限界ギリギリの走りを見ることができる唯一無二のコースですね。

次回はレースに参加しているクルマを紹介します。

(ゴリ奥野+ノオト)

[ガズー編集部]